沖縄タイムス社説(2007年5月2日朝刊)
[「集団自決」調査]
住民証言が軍関与裏付け
文部科学省の教科書検定で、高校歴史教科書の沖縄戦をめぐる記述から、「集団自決」への日本軍の関与が削除された。一般住民による「集団自決」は沖縄戦の特徴だ。沖縄戦の実相を根本から揺るがす問題だけに大きな波紋を広げている。
本紙が県内四十一市町村長を対象にした緊急アンケートで、回答した三十六人のうち三十二人が今回の検定結果に「反対」と答えた。四人は「どちらともいえない」とした。「賛成」と答えた首長はいなかった。
ほとんどが記述削除を疑問視している。当然の結果だろう。数多くの住民証言が残された中で、沖縄戦の記憶をどう継承していくのかが、ますます重要で差し迫った課題になってきた。
各市町村長は政治的な立場を超えて強い懸念を表明した。沖縄戦での「集団自決」は、住民の証言・記録を踏まえ大方の共通認識になっている。
教科書検定では、「集団自決」について日本軍が強制したとの記述七カ所(五社七冊)に修正を求める検定意見が付いた。日本軍による「集団自決」の強制が明記されていたが、日本軍の関与を否定する表記となった。
今回の検定意見に関して、文科省は「最近の学説状況の変化」や大阪地裁で係争中の「集団自決」訴訟での日本軍元戦隊長の証言などを根拠に挙げ、集団自決を日本軍が強要、命令したという記述について修正を求めた。
これに対し、検定意見を疑問視する市町村長らは「記述削除は沖縄戦の実相を隠すもので、国民へ戦争への正しい認識を与えない」「歴史の真実が政治や政府によってゆがめられ、国の将来に大きな危惧を抱く」と懸念する。
また、「住民の証言がある。軍の関与がなかったとはいえない」「軍関与の事実はさまざまな証言からも明らかだ」「軍の自決強要は証言で明らか。歴史を曲げた教科書による教育はおかしい」と、軍関与を否定する見解を住民の証言を根拠に批判している。
沖縄戦の事実を率直に語り継ぐことの重要性を強調する意見も目立つ。
県内には多くの沖縄戦体験者がおり市町村長らの警鐘は県民の声を代弁したものといえる。激しい地上戦に住民が巻き込まれ、死んでいった沖縄戦を象徴する、非戦闘員の「集団自決」の事実を矮小化してはならない。
沖縄戦の記憶をめぐる問題は、教科書検定や「集団自決」裁判の問題につきるわけではない。愛国心がことさら強調され、「集団自決」を殉国の美談に仕立てる動きが広がる中で、県民が沖縄戦をどう位置付け、後世に語り継いでいくかが厳しく問われている。
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>[「集団自決」調査]
何の調査かと思ったらアンケートとは。
世論で歴史の書き換えを狙う沖縄タイムスはアンケート実施。
それでも飽き足らず、社説にまで取り上げるとは驚いた。
アンケートに応じた県内四十一市町村長とは選挙で選ばれたいわば政治家。
この手のアンケートを地元新聞社が行えば「反対」という答えは予想できる。
それは県知事も同じことでがいえるし事実そのように答えている。
そこで「賛成」の意見でも言おうものなら地元メディアを敵に廻す覚悟がいる。
各市町村長がそのような愚を犯すはずはない。
安倍首相が国会で答弁したように、各市町村長も
「歴史学会の議論にゆだねます」と答えるべきだった。
歴史を政治家の恣意やアンケート等で決めて教科書に載せるようなことがあってはならない。
沖縄タイムスがアンケートや社説でいう教科書の削除は、今まで政治的意図で書かれた恣意的な記載を元に戻したに過ぎない。
専門家の議論、検証の結果「軍命令」が明確になればその時点で教科書記載を健闘すれば済む事。
◆「集団自決」問題 「教科書も みんなで騒げば変えられる」
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