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琉球新報 2011年11月9日
≪訴状では、8月23日に育鵬社版の教科用図書を採択した八重山採択地区協議会は地教行法でいう、協議して同一の教科書を採択したことにあたらず、9月8日の3市町教委の教育委員による全員協議で東京書籍版を多数決で採択した経緯が、同法の協議による採択であるとしている。≫
子どもを巻き込んで保護者がイデオロギー丸出しの法廷闘争に打って出たのはそれこそ前代未聞の醜聞である。
原告側は「教科書に内容を争点にするものではない。行政が行った教科書の採択という手続きが正しく行われたかどうかを裁判所に判断してもらう」(9日付八重山毎日)と発言しているが、これはイデオロギー闘争をカムフラージュするための強弁であることは明白である。
「採択手続き」のみの問題なら、大浜前市長の極左政権の下に歴代教育長が行ってきた数々の違法行為を問題にしないのは何故なのか。
採択教科書が自分らのイデオロギーに合致する教科書だったからだろうが。
琉球新報によると、訴状では「9月8日の3市町教委の教育委員による全員協議で東京書籍版を多数決で採択した経緯が、同法の協議による採択である」としている。
つまり9月8日の「井戸端会議の2次会」で決めたことを合法とせよということらしい。
沖縄タイムス、琉球新報、八重山毎日新聞ら「発狂3紙」が連日垂れ流すデタラメ報道を鵜呑みにするなら、9月8日の会議が合法と信じる人もいるだろう。
だが、「発狂3紙」のデタラメ報道には「不都合な真実」は報道しない、というデタラメも含まれたいる。
当初オブザーバーと自称していながら、騙まし討ちのように玉津石垣市教育長と崎原与那国教育長を強引に法的根拠のない「井戸端会議」に参加させ、突然会議を終結させ、続く2次会で教科書採択に持ち込むという県の狩俣課長の悪代官も驚く越権行為を「発狂3紙」は見事にスルーして読者の知る権利を奪っている。
ところが唯一八重山日報が、「井戸端会議」の違法な採択決議を白日の下に晒してくれている。
■八重山日報社 9月13日
「最も民主的な協議の場」
ちらつく ” 多数決 ” カード
育鵬社版に嫌悪感あらわ
< 逆転不採択の現場 ▼2▼ >
市教委、与那国町教委はすでに、採択地区協議会の答申に従った教科書採択
を終了している。新たな「採択協議」は認められないと、玉津教育長が反論した。
玉津教育長 「(この場を)教科書無償措置法の協議会にするには、各教育委員会がお互いに
合意しなくてはならない。(各教委で)3つに分かれて話し合いをしま
しょう。文科省のある課長補佐からの情報だが、協会を協議会に変える場合
は、それぞれの教委が合意した上でないとできないという回答だ」
慶田盛教育長 「(教育委員が)全員集まっているから協議の場だ」
強く協議入りを求める慶田盛教育長を、狩俣課長が再び「援護射撃」する。
狩俣課長 「ここに教育委員会の全委員がそろっている。最も民主的な協議の場だ。ここで
話し合いをしていただきたいというのが県教委の希望だ」
育鵬社版の採択に賛成した市教委の徳松節子委員が異議を挟む。
徳松委員 「私たち(市教委)は2時間近く議論を重ねて採択した。それが最終のものだ
と思っている。民主主義は多数決原理だと思うが、今回は多数決の原理を超
えて、それぞれの主義主張が出た。こういうところで1つにまとめましょう
ということに対して、最初から大変無理があると思う」
異論があるにもかかわらず、仲本委員長は、協議入りに固執する。
仲本委員長 「この場を13人の委員の責任と英知によって、協議の場とすることについて、
採決にもっていきたい」
早くも「多数決」のカードをちらつかせる仲本委員長。崎原教育長、玉津教育長が猛烈と抗議すると
崎原教育長 「竹富町のように、協議会では多数決で負けたから、帰って覆すという民主主義
がどこにあるのか」
玉津教育長 「すでに8月31日で協議会の業務は終了している。今後、協議会を開くことには
賛成できかねる。仮に協議会をやるのなら、これは各自、教育委員会に持ち
帰って、13人の場を協議会にするかどうか、改めて話し合いをやるべきだ。
県教委のご意見もうかがいたい」
狩俣課長が「指導助言」に立つ
狩俣課長 「3教育委員会には協議をする責任と義務がある。ぜひ協議してほしい。全員が
参加しているこの形が最も望ましい。もし協議ができないということであれ
ば、県として招集しないといけなくなる。そういう事態は避けたい」
県教委による教育委員の「招集」まで持ち出し、協議入りを迫る狩俣課長。協議は休憩に入った。協議の再開後、議長役は竹盛委員長に交代する。委員が一人ひとり意見を述べる。
崎原教育長 「今回に限り、竹富町が協議会の答申を受け入れなかったことが疑問。復帰後、
ずっと答申案の通りやっている。文科省も静ひつな環境の中で、他人の圧力に
屈しない判断をしなさいといっている。(竹富町は)まともに判断したとは思
えない。世間の圧力でそういう結果になった。外部の圧力ではなく、子どもた
ちの目線で判断してもらえるか聞きたい」
育鵬社版教科書は、文科省の検定をパスした7社の教科書の1冊だ。与那国町の具志堅学子委員、石垣市の石垣朝子委員は、育鵬社版教科書を擁護する。
具志堅委員 「『この教科書は子どもたちに渡せない』というが、なぜ国も県も認めて、この
地区に来たのか。公正な目で見てほしい。私自信は、協議会の答申が民主主義
だと思っている。それを重視してほしい。」
石垣委員 「市教委で2時間余に及ぶ話し合いをし、結論が出た。一生懸命やって採択したも
のを、ノーと言うことはできない」
竹富町の内盛正聖委員が、育鵬社版に反対意見を述べる。
内盛委員 「文科省が認めているのに何の問題があるのか、1つだけ言う。育鵬社の公民に
『私たちは両親のもとに生まれ育ち、家族の一員として助け合いながら生活を
営んでいます』とある。本当にそうでしょうか。違いますよね。片親の家庭も
ある。さびしくなる子もいませんか」
崎原教育長 「両親から生まれないで誰から生まれるのか。ばかなことを言うな」
強引な論理に、崎原教育長が思わずあきれ声を上げる。内盛委員は別な角度から、育鵬社版が協議会で選定されたことに異論を訴える。
内盛委員 「どういう経緯で育鵬社の本が上がり、どういう議論があったのか、きょうまで
に説明があっても良かった。調査員の推薦がない本が議題に上がったのはどう
いう経緯なのか。説明してほしい」
竹富町の大田綾子委員は、現場教員である協議会の調査員が育鵬社版を推薦しなかったことを指摘。
育鵬社版の採択に反対する。
大田委員 「子どもたちに恥じることのない説明責任を持ちたいと常に思っている。調査員
の先生の調査資料を大切にしたい。それが現場の先生に指導意欲、子どもたち
に学ぶ意欲をつけることだと信じて教科書を選んできた」
協議会委員でもある大田委員はさらに、協議会での選定の内幕も明かす。
大田委員 「私は協議会で、歴史と地理について、かなりの時間とエネルギーをかけて発言
してきた。その発言が公民の中にも生きてくると信じていた。しかし、それが
覆されてしまった。公民が選ばれたときは、ショックで血の気が引いて、身体
が震えるほどだった」
育鵬社版へ嫌悪感をあらわにする大田委員。批判は、他の委員からもなおも続く。
☆
■八重山日報社 9月13日
「最も民主的な協議の場」
ちらつく ” 多数決 ” カード
育鵬社版に嫌悪感あらわ
< 逆転不採択の現場 ▼2▼ >
市教委、与那国町教委はすでに、採択地区協議会の答申に従った教科書採択
を終了している。新たな「採択協議」は認められないと、玉津教育長が反論した。
玉津教育長 「(この場を)教科書無償措置法の協議会にするには、各教育委員会がお互いに
合意しなくてはならない。(各教委で)3つに分かれて話し合いをしま
しょう。文科省のある課長補佐からの情報だが、協会を協議会に変える場合
は、それぞれの教委が合意した上でないとできないという回答だ」
慶田盛教育長 「(教育委員が)全員集まっているから協議の場だ」
強く協議入りを求める慶田盛教育長を、狩俣課長が再び「援護射撃」する。
狩俣課長 「ここに教育委員会の全委員がそろっている。最も民主的な協議の場だ。ここで
話し合いをしていただきたいというのが県教委の希望だ」
育鵬社版の採択に賛成した市教委の徳松節子委員が異議を挟む。
徳松委員 「私たち(市教委)は2時間近く議論を重ねて採択した。それが最終のものだ
と思っている。民主主義は多数決原理だと思うが、今回は多数決の原理を超
えて、それぞれの主義主張が出た。こういうところで1つにまとめましょう
ということに対して、最初から大変無理があると思う」
異論があるにもかかわらず、仲本委員長は、協議入りに固執する。
仲本委員長 「この場を13人の委員の責任と英知によって、協議の場とすることについて、
採決にもっていきたい」
早くも「多数決」のカードをちらつかせる仲本委員長。崎原教育長、玉津教育長が猛烈と抗議すると
崎原教育長 「竹富町のように、協議会では多数決で負けたから、帰って覆すという民主主義
がどこにあるのか」
玉津教育長 「すでに8月31日で協議会の業務は終了している。今後、協議会を開くことには
賛成できかねる。仮に協議会をやるのなら、これは各自、教育委員会に持ち
帰って、13人の場を協議会にするかどうか、改めて話し合いをやるべきだ。
県教委のご意見もうかがいたい」
狩俣課長が「指導助言」に立つ
狩俣課長 「3教育委員会には協議をする責任と義務がある。ぜひ協議してほしい。全員が
参加しているこの形が最も望ましい。もし協議ができないということであれ
ば、県として招集しないといけなくなる。そういう事態は避けたい」
県教委による教育委員の「招集」まで持ち出し、協議入りを迫る狩俣課長。協議は休憩に入った。協議の再開後、議長役は竹盛委員長に交代する。委員が一人ひとり意見を述べる。
崎原教育長 「今回に限り、竹富町が協議会の答申を受け入れなかったことが疑問。復帰後、
ずっと答申案の通りやっている。文科省も静ひつな環境の中で、他人の圧力に
屈しない判断をしなさいといっている。(竹富町は)まともに判断したとは思
えない。世間の圧力でそういう結果になった。外部の圧力ではなく、子どもた
ちの目線で判断してもらえるか聞きたい」
育鵬社版教科書は、文科省の検定をパスした7社の教科書の1冊だ。与那国町の具志堅学子委員、石垣市の石垣朝子委員は、育鵬社版教科書を擁護する。
具志堅委員 「『この教科書は子どもたちに渡せない』というが、なぜ国も県も認めて、この
地区に来たのか。公正な目で見てほしい。私自信は、協議会の答申が民主主義
だと思っている。それを重視してほしい。」
石垣委員 「市教委で2時間余に及ぶ話し合いをし、結論が出た。一生懸命やって採択したも
のを、ノーと言うことはできない」
竹富町の内盛正聖委員が、育鵬社版に反対意見を述べる。
内盛委員 「文科省が認めているのに何の問題があるのか、1つだけ言う。育鵬社の公民に
『私たちは両親のもとに生まれ育ち、家族の一員として助け合いながら生活を
営んでいます』とある。本当にそうでしょうか。違いますよね。片親の家庭も
ある。さびしくなる子もいませんか」
崎原教育長 「両親から生まれないで誰から生まれるのか。ばかなことを言うな」
強引な論理に、崎原教育長が思わずあきれ声を上げる。内盛委員は別な角度から、育鵬社版が協議会で選定されたことに異論を訴える。
内盛委員 「どういう経緯で育鵬社の本が上がり、どういう議論があったのか、きょうまで
に説明があっても良かった。調査員の推薦がない本が議題に上がったのはどう
いう経緯なのか。説明してほしい」
竹富町の大田綾子委員は、現場教員である協議会の調査員が育鵬社版を推薦しなかったことを指摘。
育鵬社版の採択に反対する。
大田委員 「子どもたちに恥じることのない説明責任を持ちたいと常に思っている。調査員
の先生の調査資料を大切にしたい。それが現場の先生に指導意欲、子どもたち
に学ぶ意欲をつけることだと信じて教科書を選んできた」
協議会委員でもある大田委員はさらに、協議会での選定の内幕も明かす。
大田委員 「私は協議会で、歴史と地理について、かなりの時間とエネルギーをかけて発言
してきた。その発言が公民の中にも生きてくると信じていた。しかし、それが
覆されてしまった。公民が選ばれたときは、ショックで血の気が引いて、身体
が震えるほどだった」
育鵬社版へ嫌悪感をあらわにする大田委員。批判は、他の委員からもなおも続く。
☆
八重や山日報の「逆転不採択の現場」シリーズは第6回まで続くが、第2回まで読んだだけでも「全教委協会」(井戸端会議)の協議が狩俣課長の越権行為で終始指導されていることが明白である。
オブザーバーとして参加し、「交通整理」役のはずの狩俣課長が、最初から慶田盛教育長側に立ち、ルールを乱発する有様が見事に炙り出されている。
八重山教科書問題で、これを報じた県内4紙、4テレビ局のなかで国民の知る権利に応えてくれたのは、わずかに八重山日報ただ一紙だけという事実は、沖縄のマスコミ史上特筆すべき出来事である。
沖縄メディアによって強固に張り巡らされていた全体主義の呪縛から沖縄が解き放たれた瞬間である。
小林よしのり氏が言うところの「全体主義の島沖縄」は、沖教組、沖縄タイムス、琉球新報そして県教育委という四大極悪共同体が堅固に塗り固めた巨大なダムに支えられてきた。 そのダムも、八重山日報の放った一矢で今正に崩壊寸前の様相である。巨大ダムも蟻の一穴からというではないか。
突然降って湧いたように持ち上がった全教育委協の会議は、法的に何の根拠もない親睦会のようなもの。 そんなところではお茶でも飲みながら孫の自慢話でもしたほうが良い、と書いた。
勿論、筆者は8日に石垣市で行われた全教委協の臨時総会を傍聴しに足を運んだわけではない。
にもかかわらず、10日のエントリーで、これは県が首謀したペテン劇だと書いた。
⇒県首謀のペテン劇、全教委協
10日のエントリーでは、9日の各メディアの報道から推測して次のように書いた。
≪誤解を恐れず断言すると、県教育委は玉津、崎原両教育長をペテンにかけて全教育委協会に出席させたことになる。
先ず県側は、半ば強引に、教科書採択に関し何の法的根拠も持たない全教委総会を仲本会長に招集させた。
玉津、崎原両教育長が出席を拒むのを、県は、協議することに意味があるといった甘言を弄して両教育局長をしぶしぶ参加させた。
総会が開会されると同時に閉会し、直ちに全教委委員会を開会宣言し、オブザーバーで参加したはずの狩俣県義務教育課長が次のような趣旨の宣言をした。
「当委員会は3教育委員会の全教育委員が出席しているので教科書採択委員会の場とみなす」と。
確かに全教委委員会の会議を、『義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律』(無償措置法)第十三条四項にある「協議」の場とすることが出来る。(文科省の「確認文書」④ )
しかし、同会議を、『無償措置法』にある「協議」の場とするには、三市町教育委員会がそれぞれ委員会で、そのことに「合意」することを前提
とする。(同確認文書④)
全教育委員が一同に会して合意すればよいという意味ではない。
勿論、石垣市、与那国町の両教育委員はこれに合意はしていない。
そして両教育長が「合意できない」として採択決議に反対するのを尻目に、強引に多数決で採決した。
これでは玉津、崎原両教育長が、県の狩俣課長と仲本英立全教委協会長が仕掛けた罠に見事にはめられたようなものだ。
が、例え事後であっても両教育委員会でそれぞれの合意がない限り、全教育委の会議が法的根拠を持つことはない。
この詐欺的手法による採択決議はさて置いても、この会議が「教科書採択の場」とみなされるのは、あくまで三市町村教育委員会がそれぞれの委員会で合意するが不可欠の条件であり、最初から玉津、崎原両教育長が頑なに異議を唱ていた全教育委が、採択協議の場とみなされる法的根拠はまったくないのである。
勿論、8日同委員会で決議した採択決議は無効である。
原告側が「9月8日の協議の合法性の確認」と発言しているが、争点を法律論に絞ればこれほど戦う前から結論の見えた訴訟も珍しい。
原告側の主張を粉砕する決定的証拠である八重山日報の「逆転採択シリーズ」の続編は、次回再掲の予定。
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