≪全国各地の高校での履修単位不足問題で、全国高等学校PTA連合会(藤井久丈会長)は27日、「一番の被害者は子どもたちである」などとするお願いの文書を文科省に提出した≫(毎日新聞)
公立高校の「偽装履修」は私立高校へも広がっている。
学校側、教育委員会側の責任のみが問われて、生徒、保護者側は哀れな被害者との視点がテレビワイドショーでは目立つ。
その愚かなテレビ評論を追い風に愚かな保護者達が愚かな文書を文部省に送ったと言うのだ。
これをまともに受けるようでは文部省も愚かだといわざるを得ない。
この事件、単純な「加害者ー学校」「被害者ー生徒」の二元論で済ましていいのか。
「偽装履修」を行っていた学校は公立、私立を問わず有名進学校が大部分だという。
そして生徒や保護者から「この時期に受験科目でない補修を受けることは大きなハンディだ」といった意見が上がっていると言う。
だったら彼らに逆に問おう。
愚直に偽装をせずに真面目に必修科目の授業を実行した高校の生徒は厳しい大学受験で時間的ハンディを負わされていたことになる。
進 進学校であるがゆえに、規則を破って時間的有利に立とうという輩と、真面目に規則を守った生徒を同じ土俵で闘わす不公平はどうなる。
いや、これは公平、不公平の問題ではない。
この国の根幹に関わる教育の問題だ。
法治国家たるこの国の真価が問われている。
伊吹文科大臣殿、
くれぐれも
「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」
の大愚を大臣自ら犯さないで下さい。
◆<履修不足>PTA連合会が文書で「安心させて」と文科省に
全国各地の高校での履修単位不足問題で、全国高等学校PTA連合会(藤井久丈会長)は27日、「一番の被害者は子どもたちである」などとするお願いの文書を文科省に提出した。藤井会長は「受験を前にして不安な子どもたちをどうするか、適切な判断をし、子どもたちを安心させて頂きたい」と述べた。(毎日新聞) - 10月27日15時38分更新
◆必修漏れの救済策、単位削減など検討 文科省
(朝日新聞) 2006年10月30日03時07分
高校の必修科目の履修漏れ問題について、文部科学省が救済策として(1)3単位以上の科目について単位数を一部減らせる「減単」制度を活用する(2)4単位の必修科目について同じ教科の2単位科目への振り替えを認める――などの対応を検討していることが29日、明らかになった。伊吹文科相は同日のNHKの番組で「今週中に私の責任で措置する」と述べ、週内に具体的な救済策を打ち出す方針を表明した。
伊吹氏は同日夜、文科省幹部らと省内で救済策について協議した。
「減単」制度は学習指導要領に規定があり、「生徒の実態及び学科の特色等を考慮し、特に必要がある場合」に単位数の一部を減じることができるとしている。2単位の科目は除外される。 また、必修の「世界史」の履修漏れが多かったことから、すべての時代を対象とする4単位の世界史Bが未履修だった生徒に対し、近現代史が中心で2単位の世界史Aへの履修変更を認めることも検討されている。
一方、病気や不登校の生徒などと同様に、校長の裁量権の範囲でコマ数を大幅に減らせるようにする案も浮上している。ただ、省内には「今回問題を起こした校長に裁量権を許すことが世間に受け入れられるかどうか」などの異論も出ている。
伊吹氏はNHKの番組の中で「ずるをした高校の生徒が被害者であると同時に、ルールを守って勉強した生徒が同じ大学を受験する。115万人の全生徒が被害者だ」と指摘。「よくバランスを考えて結論を出す」と述べ、できるだけ不公平感が生じない形の救済策を検討する方針を示した。
また、伊吹氏は自民党県連行事に出席するため訪れた富山市内で、記者団に「200コマ、300コマ(不足している)というケースがどの程度なのか、実態を把握したい」と述べた。文科省は公立・私立の調査を通じ、不足単位ごとの生徒数など詳細を分析、それを踏まえて救済策をつくる。