狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

続・沖国大の言論封殺魔

2014-03-27 07:05:20 | 県知事選

 

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言論封殺者に日本の安全保障を語る資格なし

今年も八月十五日の終戦の日に向けて、NHKは例年の如く多くの戦争に関はる番組を流した。だが、決着の時期から言つても当然報道すべき重要なある裁判のニュースが隠蔽、黙殺された。後半はそのことについて記しておかう。

前半で前泊博盛氏につき、殊更に論つたのには訳がある。思想や見識がどうのかうのと言ふ前に、そもそも沖縄での重大な言論封殺に一役買つた人物を、知つてか知らずか、安全保障の識者として前述の「日曜討論」に平然と登場させるNHKの姿勢に強い違和感を覚えるからだ。この人物については既に今年一月号の本欄「そんなにも沖縄を中国に献上したいのですか」で言及し、「時論公論」に出演してオスプレイ配備阻止のテロ活動である風船・凧揚げを肯定するかの如き発言をしたことを批判した。同時にまた、これから述べるある裁判の当時者としても批判した。結論から言へば、沖縄の同調圧力を背景に、平気で言論、表現の自由を封殺するやうな人物に、一体どうして言論や表現の自由を確保する砦となるべき国家と、その国家の安全保障について語る資格があるだらうかといふことである。

この七月二十九日、福岡高裁那覇支部で、もしかしたら近い将来に戦後の閉ざされた言語空間を、沖縄の地から全面的に突き崩す契機となるかも知れない極めて重要な判決が下りた。この裁判を「『パンドラの箱』掲載拒否訴訟」と言ふ。沖縄のドキュメンタリー作家上原正稔氏は平成十九年六月、当時、琉球新報に連載中の沖縄戦記「パンドラの箱を開ける時」の最重要部分「慶良間で何が起きたか」(集団自決の軍命はなかつたことを証明する内容)が、琉球新報社の方針に合はないからとの不当な理由で突然不掲載となり、連載は中断した。再開後、最終回でそれを改めて書いたら再び掲載を拒否された。上原氏が昨年四月に八重山日報に寄せた手記「慶良間で何が起きたか─人間の尊厳を懸けた戦い」によれば、これを上原氏に強引に通告した張本人が、当時琉球新報記者で上原氏担当の前泊氏だつた。その頃、沖縄二紙は文科省が教科書検定において教科書から「軍命令による集団自決」を削除したことに抗して、軍命令はあつたとの猛烈な一大キャンぺーンを展開中だつた。要するに上原氏が突き止めた歴史の真実は、琉球新報には甚だ都合が悪い真実だつた訳である。

この言論封殺につき、上原氏は平成二十三年一月に琉球新報社を相手取り、表現の自由及び著作権の侵害に当るとして訴訟を起こしたが、一審の沖縄地裁では琉球新報側の「瑕疵だらけの主張(『狼魔人日記』管理人・江崎孝氏)」が全て認められたため敗訴。しかし控訴した二審では一審で認められた不掲載に関はる新報側の主張は「合理的な理由もなく」、提出した証拠も「苦し紛れの弁解に過ぎない」として悉く覆され、めでたく原告側の勝訴となつた。新報側が上告を断念したので、ここに言はば歴史的な判決が確定した。「歴史的な」といふ訳は「全体主義・同調圧力の島」沖縄で、絶対権力を握つてゐる沖縄二紙の一角に、初めて風穴を開けたからである。それがいかに難しいことであつたかは、様々な沖縄情報により、遠くからでもある程度想像がつく。琉球新報が上告しなかつたのは、争つても勝ち目はなく、争ふより情報を隠蔽するに如くはないと判断したからだらう。事実、沖縄二紙は判決結果を一片のべタ記事のみで報じ、何を削除したのかを書かなかつた。読む方は何のことやら分かるまい。

沖縄と本土のメディアは言論封殺で共犯関係

沖縄のメディアはこの裁判の判決を黙殺してゐるから、殆どの県民がこのことを知らないといふ。本土の大メディアも、唯一産経新聞(八月十一日付「封じられた集団自決の真実」石川水穂論説委員)を除き、テレビ、新聞では一切報じないから殆ど誰も知らない。勿論、八重山地区教科書採択問題を歪めて報じ、オスプレイ配備反対報道や反戦左翼の視点からの沖縄ドキュメンタリー制作には殊の外に熱心なNHKがこれを報じる筈もない。 従つて私はこの重要な裁判の全貌とその顛末を、全てインターネットを介して知つた。

この裁判の審理の過程で暴かれたのが、新報側が連載執筆契約の記載があるとして提出した「前泊メモ」なる書類のインチキ性だつた。新報側が最終回の掲載を拒否した理由として挙げたのは「新味のない焼き直し」といふことだつたが、これでは掲載拒否の理由として弱いと判断した新報側は、最終回の内容は上原氏の旧著「沖縄ショウダウン」の紹介であり、担当者(前泊)が執筆契約として示した「初出の資料を用いた新連載」とは異なるものだつたので再び掲載を拒否したと主張した。その根拠として提出したのが卑怯な後出しジャンケンである「前泊メモ」である。

この裁判にあたり、終始力戦敢闘とも形容すべき強い使命感で、全国に情報を発信し続けたのはブログ「狼魔人日記」(管理人・江崎孝氏)である。 裁判の経過を知悉する江崎孝氏はブログで次のやうに言ふ。「『新出の資料による執筆契約』など存在せず、担当者の前泊記者がついた真っ赤な嘘であつた。その根拠と主張した『前泊メモ』なるものは、日付その他に整合性を欠き、普通の判断力さえあれば、これが後で作成したデタラメなメモであることは一目瞭然だが、一審の井上裁判長はこれを鵜呑みにして琉球新報を勝訴にした。だが、第二審では『前泊メモ』は全面的に否定された」と。先に記したやうに、第二審は新報側のこの主張を「苦し紛れの弁解に過ぎない」と断じたのである。徳永信一弁護士による「控訴理由書」にも、この「前泊メモ」なるものは、「前泊の陳述書の提出さえなされていない」状況では、記載内容に関する信憑性に一切の立証もないとして、完膚無きまでにその虚偽性を衝いてゐる。

今や大学教授としてNHKで御高説を垂れる前泊博盛氏であるが、NHKは一体この「『パンドラの箱』掲載拒否訴訟」のことも、それにまつはる「前泊メモ」が裁判では嘘だとされたことも知らないのだらうか。 それとも知つてゐるのだらうか。大江健三郎氏と岩波書店が梅澤裕氏、赤松秀一氏から訴へられた「集団自決冤罪訴訟」は、平成二十三年四月に原告敗訴ではあるが、軍命令存在の真実性の証明があるとは言へないとの司法判断を伴つて終結している。今回の判決は大江の著書の嘘を暴いた。また教科書検定のこともあつて、沖縄における集団自決間題の行方は最大級に注目すべき事柄である筈なのだ。従つてNHKは多分この裁判のことは相当知つてゐながら、聞かなかつたことにして、NHKの好みの人選で前泊氏を敢へて出演させてゐるのではないか。

前泊氏のことを長々と書いて来たのは他でもない、右の如き振舞ひをして来た人物が、堂々と公共放送NHKの討論番組に出演し、国家の安全保障を防衛大臣に恥づかしげもなく語れるといふことは、沖縄の情報空間も本土の大メデイアの情報空間も、その恐ろしいまでの隠蔽=言論封殺体質では共犯関係にあるといふことを示してゐる。

「巨大な一歩」を断じて埋もれさせない

集団自決の軍命令はなく、赤松、梅澤両隊長は冤罪だつたといふ事実が明らかになつたこと、その事実を記したドキュメンタリー作家の渾身の原稿が掲載拒否にあつたこと、裁判で掲載拒否による言論封殺をした琉球新報が、掲載拒否の後付けの理由を悉く論破され、証拠書類の嘘まで指摘されて完璧に敗訴したこと、これらはいづれも沖縄と本土の今後の関係を考へる上で非常に大きな、敢へて誤解を恐れずに言へば明るいニュースであり、本来、ローカルな話題に止まるべき本質の事柄ではない。なぜなら、反日左翼=日本解体勢力は常に沖縄と本土の離間を企ててをり、日本軍の命令があつたといふ虚構は彼らのプロパガンダの有力な武器だつたからである。だからこそ教科書検定で軍命令ありとの記述が削除された時は、あれほど沖縄二紙は「発狂」したのであり、今回は上原氏の強い信念と有無を言はさぬ作品の力が、琉球新報の虚偽を裁判といふ公の場で粉砕した故に、彼らは今度は無視黙殺による隠蔽といふ卑劣な挙に出てゐるのである。上告断念も報じない。

こんな大事なことが、現在の沖縄の情報空間と同じやうに、本土でも産経紙以外の大メディアでは報道されてゐないといふこの不自然さ。我々はそれが極めて危険な情報操作であるといふことに気づかなければならない。軍命令はなければならず、赤松、梅澤両隊長は非道でなければならず、その物語を書き換へることは許されないことであり、沖縄の言語空間に風穴を開けた裁判の敗訴と上告断念はなかつたことにしよう。かういふ力が常に働いてゐる。そしてかういふ力がNHKに言論封殺者を何気なく出演させてゐるのだ。八月八日の「上原正稔日記」にはかう記してある。「琉球新報がまともな新聞社として生き残る道はただ一つ、それは上原正稔に謝罪し、事情を隠してきた読者に謝罪し、特に、長年、集団自決を命じた悪徳軍人とされる耐え難い屈辱の中で生きてきた梅澤裕さんと故赤松嘉次さんにキチンと謝罪することだ。この簡単なことが出来なくて何がまともな『新聞』だ。ぼくは琉球新報に勝つたことに喜んでいるのではない。ぼくは梅澤裕さんと故赤松嘉次さんの汚名を晴らすことに巨大な一歩を踏み出せたことに喜んでいるのだ」と。この「巨大な一歩」を断じて埋もれさせてはならない。(八月十七日)(筆者註当時、赤松嘉次氏は渡嘉敷島の海上挺身隊第三戦隊長、梅澤裕氏は座間味島の同第一戦隊長であつた)

 

 

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「かみつく4」は「沖縄民主主義4」と改題しました。

 書店発売のお知らせとお詫び
発売日
A4版「沖縄内なる民主主義」(600円税抜)は2月3日(火曜日)、県内書店で発売します。
お詫び
「かみつく」から「沖縄民主主義4」に改名しましたが、勝手ながら、さらに普及版としてA4版「沖縄内なる民主主義4」にしました。
狼魔人日記でネット発売
書店ではA4版「沖縄内なる民主主義」(600円税抜)のみの発売ですが、狼魔人日記ではA5版の「沖縄民主主義4」も600円で発売します。ご了承お願いします。

 

ヒジャイ出版 代表者 又吉康隆

 


 




 

新発売・「かみつく3」は県内書店で発売中

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8 コメント

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本日の琉球新報より (Unknown)
2014-03-27 15:51:00
出来の悪い中学生みたいなヤツらが発行してる新聞の1つ、琉球新報によりますと、こんな記事が。

・米兵、女性暴行疑い 書類送検後、不起訴に
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-222284-storytopic-1.html


上の記事をご覧になって、賢明な皆様には、あることにお気づきになられることでしょう。


…自分らの欲求不満、ウップンを晴らすためだけに、沖縄の女子供の味方づらするヒステリック・ババアーどもが、被害女性に袖にされた…、つまり、フラれちゃったってことに(笑)。


まっ、この“出来事”の真相はどうあれ、被害女性におかれましては、善意を装って近づいてきて、傷をさらにえぐるようなババアーどもをフったのは、賢明な判断だったと思います。
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Unknown (越来のK本S子)
2014-03-27 15:51:36
上のコメントは自分です。
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Unknown (東子)
2014-03-27 17:30:30
上原氏を一審で敗訴させ、琉球新報を勝訴とした井上直哉裁判長は、「平和とか 言ってくるくせに 火炎瓶」とういう川柳を授業中に公開して学生の名誉を棄損したとして、沖縄国際大教授に賠償命令を下した裁判長。
その井上直哉裁判長でさへ、育鵬社版が法に基づく八重山採択地区協議会(石垣市、竹富町、与那国町)で採択された後に、3市町の教育委員会の委員が多数決で東京書籍版を採択したことを根拠に東京書籍版の無償供与を求めた訴訟の判決で、「多数決が石垣市教委を法的に拘束する根拠は見いだしがたい」と判断し、主張を退けた。
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Unknown (東子)
2014-03-27 20:52:09
「教科書無償措置法改正案、衆院を通過 2014年3月27日」
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=65631

>無償措置法の改正は八重山教科書問題がきっかけ。
>改正案には、採択地区協議会の設置が明記され、構成する市町村教育委員会は協議結果に基づき同一の教科書を選ぶよう義務づけられている。

慶田盛効果ですね。

ところで、今の竹富町教科書問題は、今回の改正で裁かれるものでは、ない。
今まで、「採択地区協議会の設置が明記され、構成する市町村教育委員会は協議結果に基づき同一の教科書を選ぶよう義務」づけられていなかったことを盾に、頑張るコメントの書き込みが出るを、予想。
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Unknown (東子)
2014-03-27 20:57:50
「自民、改憲へ意見書採択を要請 各県連に 2014年3月26日 」

>自民党が各都道府県連に、憲法改正の早期実現を求める意見書を県議会や市町村議会で採択するよう文書で要請していた

本部と県連で主張が違った辺野古のようなことがあるのを、避けたいのでしょう。
こちらは、辺野古効果と呼べばいいのだろうか。
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Unknown (宜野湾より)
2014-03-27 23:48:35
前泊博盛の映像を思い出そうとすると、「朝生」での情けない姿しか浮かばないw 
懐かしいから保存してある資料を見返してみた。
私だけが知っている!と言いたげなニヤニヤ顔で
「アメリカが中国に武器を売るのをやめれば平和になる(ドヤ」

ぎゃははは!
武器を売る国がアメリカだけだと思えるとかおめでたいなw
現実にウクライナが支那に売ってるぜ。
それに今時の兵器なら売主が危険になればブラックボックスにあるソフトウェアを止めちゃえば無効化できるから、むしろ売った方がいいこともある。

「抑止力があるのに中国は尖閣に来てるじゃないですか(ドヤ」

「基地があると攻撃される!だから基地は要らない!」に繋げるために必死w
攻撃した時の報復攻撃が怖いから尖閣ちょっかいで済んでるって話で、尖閣に自衛隊や米軍がいたら支那チクは来ないさ。

で、ずいぶんと勇ましいのに手嶋龍一氏と森本敏氏に「独立したらどうか」「独立したら軍隊持つの?」と聞かれて、前泊とその他3人(大田昌秀・糸数慶子・QAB謝花尚)は…意味不明にゴニョゴニョした末しょぼぼ~んとして、ホームでまさかの沈没www
こんなんでも違った意見の論客がいない場である限り安全保障を語れるんだから、カンタンなお仕事ですわ。
中共は1992年に施行した「領海法」でちゃっかり尖閣諸島も自国領に規定して自ら「棚上げ」を破っているわけだけれど、前泊なら知ってるよね(棒
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Unknown (わお)
2014-03-28 00:44:53
03/27 ザ・ボイス(ラジオ) 青山繁晴
http://m.youtube.com/watch?v=wkwROcLh-X8 ラスト5分くらい~


青山「仲井真知事と会談した時に、このままだと沖縄がいずれ中国に飲み込まれてしまう。だから基地移転にハンコ押した、とおっしゃっていた云々..」

やはり憂国の老獪二枚腰政治家だった...?
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Unknown (東子)
2014-03-28 07:07:50
>二枚腰

普天間の危険除去のため雌伏して時の至るを待った知事。
仲井真知事は、本当に粘り強い知事ですね。
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