狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

沖縄特有の新聞事情、読まれていない全国紙 

2015-07-16 00:39:03 | マスコミ批判

[図]沖縄県内の全国紙の部数

 自民党の「文化芸術懇話会」では講師として招かれた作家の百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」と発言し、波紋を広げている。ほとんどの都道府県には地元の新聞と全国紙があるものの、沖縄県ほど全国紙が読まれていない県は珍しい。いったいどういうことなのか? そもそも沖縄県は、本土と地続きではなく、1972年まで日本に復帰していなかったという特有の事情は無関係ではないのだが、沖縄の新聞事情を見てみよう。

複数の新聞がある沖縄

 沖縄の県紙には「沖縄タイムス」と「琉球新報」がある。「沖縄タイムス」は1948年創刊。もう一方の「琉球新報」は、戦前に同名の新聞があったものの、1945年の沖縄戦のなか消滅した。今の「琉球新報」は、「うるま新報」として創刊された新聞が1951年にいまの題字を名乗るようになったものだ。どちらも現在では反戦・平和を訴える論調で知られるようになっている。ちなみに、復帰前の1968年に保守系県紙「沖縄時報」が創刊されたものの、2年もしないうちに廃刊している。

 沖縄県にはローカル紙が多い。宮古島市には「宮古毎日新聞」「宮古新報」があり、石垣市には「八重山毎日新聞」「八重山日報」がある。「八重山日報」は仲新城誠編集長を中心に保守的な紙面づくりをしているが、「八重山毎日新聞」よりも部数が少ない。

 県紙があるのに、なぜ離島にも新聞があるのか? 離島では「琉球新報」「沖縄タイムス」が那覇空港から空輸されるため、早朝自宅に配達されることはない。だから、地元の新聞が読まれているのだ。

沖縄では全国紙は読めないのか

 沖縄本島では、ほとんどの人が地元の新聞を読んでいる。日本ABC協会「新聞発行社レポート」によると、2014年上半期では「琉球新報」が16万3475部、「沖縄タイムス」が16万625部である。

 一方、全国紙はほとんど読まれていないに等しい。最も部数が多い「日本経済新聞」でさえ5794部。一般紙では「朝日新聞」が1105部で最も多く、「読売新聞」の795部、「産経新聞」285部、「毎日新聞」280部が続く。

 これらの全国紙は、沖縄県で全国紙を扱う「本土新聞」という会社が届けている。同社によると、朝10時ころに那覇空港に飛行機で新聞が到着し、11時ころに同社の販売所に届くという。配達は昼すぎから開始される。つまり、沖縄県では、全国紙は朝に読むことができない。

 沖縄県の「反戦・反基地」に対して厳しい論調の「産経新聞」は、「本土新聞」も扱っていない。「有限会社テナント」という会社が扱っていて、「本土新聞」と同様に飛行機で到着し、昼過ぎから夕方にかけて配達するという。沖縄で「産経新聞」を読みたいという人は、東京本社販売局お客様センターに問い合わせれば連絡先を教えてもらえる。

 なお、2008年から「日本経済新聞」は琉球新報社が委託印刷を開始。同社の販売店網により毎朝配達される。九州経済の情報と組み合わせた「沖縄・九州経済」という地域面があるが、沖縄の情報は少ない。

 ちなみに、スポーツ紙に関しては、沖縄タイムス社と琉球新報社が取り扱っている。両者はスポーツ紙と提携し、沖縄タイムス社が「日刊スポーツ」沖縄版を、琉球新報社が「新報スポニチ」を印刷し、朝に配達されている。ただし、本土のスポーツ紙より薄い。

(ライター・小林拓矢)

 

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2 コメント

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Unknown (東子)
2015-07-16 02:57:19
「読まれていないに等しい全国紙 沖縄特有の新聞事情とは 2015.07.12」
http://thepage.jp/detail/20150711-00000005-wordleaf

>全国紙は、沖縄県で全国紙を扱う「本土新聞」という会社が届けている。
>同社によると、朝10時ころに那覇空港に飛行機で新聞が到着し、11時ころに同社の販売所に届くという。
>配達は昼すぎから開始される。
>つまり、沖縄県では、全国紙は朝に読むことができない。
>沖縄県の「反戦・反基地」に対して厳しい論調の「産経新聞」は、「本土新聞」も扱っていない。


藤本一郎「日本の右傾化とネット新聞の有料化 2013年06月18日」
http://blogos.com/article/64424/

>ネットで記事を検索しようとすると、アサヒコム(朝日新聞社)や、日経新聞が出て来るのですが、冒頭部分のみで、「この先は有料」とすぐなるのです。
>ネット新聞の有料化がじわじわ進んでいます。
>ところが、全て無料で読めるネット新聞があります。
>産経新聞(MSN産経ニュース)です。
>MSN産経ニュースを直接読もうと思っていなくても、ポータルサイトやアプリから、MSN産経ニュースを読んでしまう。
>こういうことが増えているように感じています。


総務省「インターネットの利用動向 都道府県別インターネット利用率(個人)(平成25年末)」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc253120.html

>平均以上の利用率の都道府県は、北海道、埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県の11都道府県となっている。

沖縄のインターネット利用率は平均より低いが、決して学力47位みたいな最下位ではない。
寧ろ平均に近い。
でも、ネットで知らず知らずに無料の産経新聞を読んでいないのか?
そもそも紙媒体でないと、沖縄県民は新聞を読まないのか?


藤本一郎氏はネットの無料の右傾化激しい産経の記事で国民が洗脳されているという論ですが、沖縄は影響無し。
沖縄県民強し。

スポーツ紙が薄いのは、公営ギャンブル場がないかららしい。
Unknown (東子)
2015-07-16 03:43:16
町の印刷屋さんが電子データを受け取って印刷すれば良いと本土の者は思う。
が、ヒジャイさまの「辺野古移設しかない」が書かれた本は、沖縄県内では、どこも印刷してくれなかった。
八重山日報が、那覇に支局は作ったが、印刷を協力してくれる印刷屋さんはないとみえて、八重山から送ってくる。
部数がまとまれば独自の印刷所が持てるそうな。
部数がまとまらなくても注文数だけ印刷を引き受けても商売になるのだろうと思うが、タイムス、新報に逆らう様な物を印刷したと知れたら村八分にあうのだろう。
迷惑者を注意すれば、注意した者が非難される土地柄なのだから。
村八分は、印刷の仕事だけでなく、生活にも及んで暮し難くなるのだろう。

話は変わるが、私の友人が何人か沖縄に移住したが、沖縄ですっかりサヨクの虜になって「本土の沖縄への罪」を語る。
ネットの情報を送るが、よそ者が仲間入りさせてもらうには特に同調が必要なのだろうか、疎遠になりつつある。
同調圧力に屈した者は次ぎに同調圧力をかける側になる。
どこかで同調圧力の鎖を切らないと、同調圧力に苦しみながら、同調圧力をかける側にもなるという自分で自分を苦しめる環境の構成員になる。
「オール沖縄」とか、「島ぐるみ」とか、こういう感覚からの脱出が、鍵と思う。
十人十色、この言葉をこんなに重く感じたことはない。

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