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狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

回答不能の方程式、普天間移設

2010-03-23 07:01:12 | 普天間移設



 

地元不同意なら交渉せず 米政府、普天間移設で日本に伝達 (2010.3.22)       
 【ワシントン共同】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり、米政府が「地元同意がない移設先の代案が出ても交渉できない」との考えを日本側に伝えていることが21日、分かった。日米関係筋が明らかにした。
 鳩山政権が最終提案として調整する複数の案はいずれも沖縄県側が反対姿勢を示しており、米側には同飛行場の継続使用で対応するしかないとの見方が広がっている。
 28日にも訪米する岡田克也外相がクリントン国務長官やゲーツ国防長官との会談で移設先を正式に提案した場合、米側は地元同意の重要性を伝え、交渉入りを拒む見通し。普天間飛行場の現状維持が続けば、在沖縄海兵隊8千人のグアム移転も棚上げされる可能性が濃厚で、「5月決着」を目指す鳩山政権は苦しい立場に追い込まれそうだ。
 米政府は2006年に日米合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への現行計画が「最善の道」と一貫して主張。一方で、首相が5月決着を決めた昨年12月以降、代案に関する条件を、(1)受け入れる地元側の同意(2)連立政権内の合意(3)海兵隊の一体運用の確保―とする対処方針を決めた。特に地元同意を交渉入りの条件として重視している。
(共同通信)

                                            ◇

驚いた!

鳩山首相が自分が撒いた種にブーメラン攻撃を受けた図式ではないか。

記事が正しければ、鳩山首相は、日米合意の「辺野古沿岸案」で元の木阿弥どころかではない。

14年前、橋本元首相が「死に物狂い」で米国を説得した「普天間移設」そのものさえも、お釈迦にしようとしているのではないか。

米側には同飛行場の継続使用で対応するしかない」と、いうことは問題の主人公である普天間住民の「基地被害」は全く蚊帳の外。

それどころか、折角合意した「在沖縄海兵隊8千人のグアム移転」さえもも棚上げされる可能性が濃厚というではないか。

■「平成の破壊王■

何の構想もないくせに「対等な日米関係」をぶち上げて、「前政権の決めた合意」は見直すといった結果、14年間の日米の先人たtの努力の結果を全て破壊してしまった。

「壊し屋」とは小沢一郎氏についたあだ名と想っていたが、日米の信頼関係も含めて全てをぶち壊し、国民の納税の義務も自ら破壊して見せた。

「平成の脱税王」にもう一つ「平成の破壊王」というのも相応しいのではないか。

ただ、この静かなる「破壊王」、本人がそれと気付いていないだけ、より始末に往生する。

鳩山首相の呆れた言動にたまりかねて、読者の石原昌光さんがコメント欄で秀逸な替え歌を作ってくださったので、紹介します。

◆石原昌光さん

よろしければ笑って下さい
中条きよしの名曲<嘘>の替え歌で、
鳩山由紀夫<嘘>

♪普天間移設の迷走で、総理の「嘘」が分かるのよ、、結局、辺野古に戻るのね、戻るのね~
♪ああ~年末位で決めてれば
♪ああ~こんなに支持率落ちてない、、
♪ワタシを信じて下さいと、
オバマに告げたトラスト・ミー
空しい「嘘」のつける人~
お粗末様でした。

これに対して、同じく読者の沖縄出身の仲地さんがレスをしているが、中条きよしは古過ぎるのか元歌をご存知ないとのこと。

◆沖縄出身の仲地さん

 なかなか上手い替え歌ですよ。自分は、この歌は知りませんが、鳩山首相の今までの言動は嘘でまかり通る事しかないでしょうか。

自分もひとつ替えゼリフを。
「紅の豚」より
「飛べない鳩は鳩山由紀夫」
内政・外交とも全くダメ。優柔不断で、失政ばかりが目立つ今の首相。世界への躍進どころか、国内で「鳩カフェ」オープンしたりと政治以外の事ばかりしかない、能無しですね。

筆者は充分笑わしていただいたが、若い読者のために、元歌をリンクしておきます。

中条きよしバリに、鳩山首相が深刻な顔で歌う姿を想像して皆で笑ってあげましょう。

中条きよし うそhttp://www.youtube.com/watch?v=fgR0jGJUM7M

                     *

■日米交渉には高過ぎるハードル■

普天間の移設先について、米国側は「交渉には応じる」といいつつも、終始一貫して日米で合意済みの「現行案」(辺野古沿岸部)を主張していた。

自分が撒き散らした八方美人的ウソで、すっかり八方塞がりに追い詰められた鳩山首相は、今頃になって「米国側に期待する」と訳のわからんことを呟き出した。 

米国側が提示する「交渉に応じる」という条件には、難解な三元方程式に解を出さねばならぬという。

これでは事実上、米国側が交渉の座に着くことさえ危うくなってきた。

■正解不能の三元方程式■

あっちを立てればこっちが立たずという三元方程式とはこれ。

(1)受け入れる地元側の同意

(2)連立政権内の合意

(3)海兵隊の一体運用の確保

先ず(3)から検討してみると、特に台湾有事を考えれば海兵隊の機動性を生かすためには、「県内」が必須であるが、半年前ならともかく鳩山政権になって以来散々「県外・国外」で寝た子を起こしてしまった現在では、地元の同意を得ることは困難である。

次に(2)は社民党の「県外」と国民新党の「県内」では現在全く合意点はない。

最後に米国側が最重要視するという(1)は、「県内・県外」共に地元の合意を得ることは困難であり、今から「国外」を模索しても着地点を見つけるのは至難の業である。

鳩山首相の理科系の頭脳をもってしてもこの難問に解を出すことは不可能であろう。

ということは、巡り巡って「辺野古沿岸案」という合意通りで決着するしか選択肢はなくなった。 

「辺野古回帰」に対しては宮城能彦沖縄大学教授が、『WILL』掲載の「本家・ゴー宣」の中で歯をむき出しにして怒っておられる。

念のため付け加えると、宮城教授はマンガの表情は怖いが、本当は優しい方である。

で、その怒りの言葉がこれ。

「もう今さら辺野古移設なんて言っても、沖縄県民は賛成しませんよ。 絶対に怒ります。」

「これは理屈の世界じゃない。 完全に感情論になってしまいました!」

そう、♪嬉しがらせて、泣かせて、辺野古~♪では、前に辺野古に賛成していた人までも「ナメルんじゃない!」と感情的に反対するだろう。⇒おんな船頭唄 三橋美智也http://www.youtube.com/v/smrXNtTvjW4&hl=ja_JP&fs=

さて、鳩山首相に残された手段は何か。

後は、オバマ大明神に願かけ(期待)するしか手立てがない、という現状であろう。

普天間移設 鳩山首相、米側の現行案変更容認に強い期待感(2010.3.21)

最後の手段が「願かけ」とは、情けない。(涙)

普天間基地を現在地そのまま固定化するという結果に終わったら、角を矯(た)めて牛を殺すの例え通り、散々迷走した鳩山首相は「普天間移設」そのものを、愚かなにも抹殺してしまうことになる。

■「交渉失敗」で喜ぶのは伊波宜野湾市長■

「普天間移設に命をかける」といった故橋本首相もきっと草葉の陰で、哂うどころか、悲憤慷慨して涙に咽ぶであろう。

「普天間居座り」で一番喜ぶのは伊波宜野湾市長。

何故ならマスコミへの売り物「米海兵隊基地」を稲嶺名護市長に持って行かれずに済むから。

何しろ次期県知事を狙う伊波市長にとって「普天間基地」は最強の選挙用の宣伝物であるからだ。

鳩山首相は「普天間移設」の日米合意を弊履のように破棄した。

■普天間移設合意の経緯■

だが、「普天間移設」は自然に米軍側から自民党政府に転がり込んできた安易な話ではない。

橋本元首相が、当時の外務官僚から「非常識」と影では嘲笑されながら、米国側に必死の覚悟で切りこんだ結果勝ち取った政治生命を賭けた「移設」である。

橋本元首相の「死に物狂い」の普天間移設交渉については、

読者の涼太さんが紹介して下さったた次のリンクに詳しいので是非読んで欲しい。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091223/plc09122
31837010-n1.htm

特に「切腹」覚悟の比嘉哲也元名護市長と橋本首相の会談のくだりには不覚にも涙がこぼれた。 事実比嘉元市長はその後、「切腹」した。

比嘉元市長の「辺野古容認」は、岸本、島袋と三代続いた容認派市長に受け継がれた。

だが、1月の市長選で僅か1500票余の僅差で「反対派」の現稲嶺市長が辛勝したことは周知のことである。

橋本元首相は「日歯連事件」で晩節を汚したが、決死の覚悟で「普天間移設」を米軍に合意させた熱意を、少なくとも沖縄県民は忘れるべきではない。

【おまけ】

更新直後に知人から連絡が入り、「鳩山首相は日本全体を破壊してしまった『平成の破壊大魔王だ』との意見がありました。(爆)

小林千代美議員には何のお咎め無しだし、民主党のため諫言した生方議員は本日正式に首というから、これで支持率は急落どころか、この「平成の破壊王」、民主党そのものも「破壊する」おつもりかも・・・。

 

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