ケイトの部屋kate's room

音楽人・秋元多惠子(ミステリアスケイト)の小部屋です。
オリジナルCD「KATE SINGS」絶賛発売中。¥2000

ひさしぶりのミロンガ

2009-07-01 14:34:48 | ここ最近のアタクシ。
われわれTLFにとってもじつに2カ月ぶりのライブであり、ティエンポでの演奏としては3カ月ぶりの、この日。
自分たちをよくサメにたとえて言うが、ほんとうに泳ぎ続けて泳ぎ続けていないと、すぐにイキが悪くなっていきそうで、ようやくの「生」の現場がむかえられたことがうれしかった。生き返ったああっ!!

そして。
友あり遠方より来る。・・・そう、この日もうひとつ嬉しかったことといえば、ちょうど3年前に、我々の「初」アルゼンチン興行で、現地受け入れファミリーとして演奏の段取りから食事から、なにからなにまでお世話をやいてくださった、ほんとうに有難いダンスカップル(ブエノス在住)「チノ&ミホ」が、私たちに会いに、このミロンガに来てくれたのだ。しばらく前から東京に来ていて、この2日前から福岡入りし、福岡のタンゲーラ・タンゲーロたちにワークショップを行なっていて、事前には「せっかく福岡入りするから、その前後のどこかで会えるといいね」とメールをくださっていたのだ。
            

今から思えば、あの3年前のブエノス公演は、本当に貴重な体験だったのだと、しみじみ思う。
ファンダンゴスは、あれを境に大きく変わった。
何が変わったかって、「自分たちでこのバンドに太鼓判を押すことに抵抗がなくなった」というべきかな。こんな風にいうと、おこがましいと思われそうですが。
われわれの・・・これはいいところだと思うのだけど・・「きっとこうなるに違いない」とか「これが夢」とか、そんなのが無いんですよ。だから、ブエノス行きにも「帰国してからはきっとこう変わるに違いない」なんて、想像だにしなかった。
ただただ、「今までモットーとして出してきたサウンドを、そして取り組む姿勢を、同じように出せて、居合わせた人々と一緒に楽しめたら」ということに尽きていて、夢中で漕いできた、みたいなことだったから。そしてそれは、ブエノス公演でのみの話ではなく、バンド発足当初からずうっとそういうあり方で来ていた。

ただ、結果、大きく何かが変えられた。
「君達のマインドは、歓迎するぞ」と、ブエノスの人たちから迎えられたからなのだ。
だから、それ以降、「より大きな虫かごに移らせてもらった」みたいな感じをおぼえたのかも。

チノ&ミホは、その「脱皮」の瞬間に居てくださったひとたち。
そして、この夜は、「脱皮以降」の私たちがどうなったのかを見届けてくれた夜でもあった。
「悪魔のロマンス」・・美しくゆったりとした、ピアソラのミロンガ。
私たちのこの曲の演奏で楽しそうに踊ってくださっている彼らをみて、熱いものがこみあげてきた。即興のダンス。
そして、私たちも、彼等のダンスの深さに今回あらためて気づいて、この3年という月日の重さをかみしめた。

早くまた、行きたい。
ブエノスアイレス。