木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

古道

2006年07月07日 | トマソン的町歩き
去る7月5日、仕事で岡崎に行った。碧南桜井という駅からタクシーで目的地へと向かう。商談が終わった頃には、さっきまで激しく降っていた雨も上がったので、駅までの距離はのんびり歩くことにした。雨はやんだが、風は強い。あたりに人気はない。小さな鹿乗川という川を越えて右手を見ると雰囲気のある古道が川と平行して続いている。道は少しぬかるんでいて革靴では歩きにくそうだが、あまりにいい感じなので歩いてみることにした。風は相変わらず強く、木々の激しく触れあう音に何回も後ろを振り返ってしまった。雨傘を刀のごとく腰に差すように持っているのに気がついて苦笑した。昔はわらじなんてものを履いて、このような道を歩いていたのだから、長い距離を歩くのは大変だっただろうなと想像する。私はどうにも歩くのが好きな性質らしく、放って置けば何時間でも歩いている。歩きながら妄想に近いようなことを考えている。その日は真昼だというのに、さっきまで降っていた雨のせいで人の気配がまったくなく、なんとなく不思議な感覚である。近くの畑にはお花を自由に取ってくださいとの看板。なんとなくほのぼの。そうしているうちにいつの間にか、短い古道は終わって公園に出る。大きな公園だが人気はない。トイレを見ると、金属の看板。「非常灯が点滅しているときは中で人が倒れているおそれがありますので様子を確認してください」。公園を抜けて住宅地へ入ってもまったく人がいない。なんだか、バイオハザードの主人公になったように思う。ゾンビでも出てきたら刀で斬ってやる、などと空想する。それから5分くらい歩いてやっと車の往来のある通りまで出て、この小旅行?は終わった。こんなことで、楽しみを見つけているとは私も平和なものだ。最後に酒屋さんのガラス戸に貼ってあったういろうの広告。ストレート過ぎて面白かったので、写真を撮ってきた。