ただのおじさんの「フルス フルス フルス」    ………フルス(葫芦絲)は中国雲南省生まれのひょうたん笛です………

まろやかな音色のフルスに一目(耳)惚れした「ただのおじ」さんが日本でフルスを普及させようと一念発起。はてさて………。

長崎演奏旅行(ソの音が少し高い)

2010年03月22日 | フルスの基礎
私は常々中国のフルス(と、言っても中国のものしかないが)の音程が悪いのには閉口している。自分自身はそれほど音程が確かな人間だとは思わないが、こんなものをよく平気で売られるな、と思うぐらいだ。
フルス普及のためにはある程度のレベルのフルスを安価に提供しなければならないと思ってその方策を練ってきた。しかし、それがなかなか実現できないのだ。だから、仕方なく身の回りの人だけには、何とか我慢できる程度のフルスを選んで、提供してきた。したがって、人に渡せないようなフルスがだんだんたまる。その分にコストがかかり、うまくいかなくなる。
一番の問題は下のソの音がどういうわけかどのフルスもすこし高いのである。よく使う音なので我慢できないのだ。
そんな話を松林静風さんにしていたところ「そうなんです。だから私は筒に穴をあけました。」と言って自分のフルスを見せられた。すると、裏にある既存の穴を全部塞いで、その穴より少し下の方に穴をあけてある。
一般のフルスは表の全部の穴を塞いだ状態が低いソの音で、そのときに実際に音が出る穴は通常裏側にある。ひょうたんの中にあるリードからその穴までの空気中が振動しその長さ固有の高さの音が出るので、その穴の位置をずらして筒の長さ(空気中が振動する部分)を長くすると低い音が出るはずだ。松林さんはそれを実行されたのだ。写真で言えば、ペン先のあたりに穴をあけて他の穴を全部接着剤で塞いであった。
そこまでは私も考えたことがあり、やってみようと何回も思ったのだが、その勇気がなかった。

ところが、次に続いた松林さんの言葉は私をぎょうたんさせた。「中国人は下のミの音を出すためにこの位置に穴をあけているのでしょう。」この言葉は私がここ数年ずっと悩んできたことを一気に解決する糸口になる言葉だった。
この言葉の意味については次回に書く予定だ。


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