聊城の研修センターにおける会話の練習
聊城(りょうじょう)における面接方式の会話訓練
コンビを組んで教えている中国人日本語教師陳先生から突然「教え子が先生と会いたがっていますよ。」と言われた。
しかし、思い当たる節がない。というのはこの泰安の研修センターで教えた研修生は現在みんな日本に行っているはずだからだ。
ところがそれは泰安から120キロ離れた聊城(りょうじょう)の研修センターで教えた馬君だという。
聊城の研修センターで教えた研修生をどうして泰安の研修センターの陳先生が知っているのか。それは、とてもあり得ないような偶然の結果である。
実は泰安と聊城の研修センターはいずれも国の事業でやっていて聊城で研修を受ける研修生の中には泰安の研修センターで受け付けた者も混じっているのだそうだ。
2ヶ月前のこと、3年間の研修を終えて帰国後の手続きのため、馬君は泰安の研修センターにやってきた。事務所で手続きをしているとき、私とコンビを組んで教える予定の陳先生がそばの電話機で、日本にいる私に電話をかけ始めた。電話の内容を聞いていた馬君が、もしかして、「今、電話をされた忠野先生は聊城で教えておられたあの忠野先生ですか。」と、聞いたのだそうだ。「そうですよ。」と答えたら「それなら私の先生です。」ということになったのだ。
私は、今回泰安におじゃまするために何度か連絡をしたが、そのほとんどはメールですませた。たまたま急用があって陳先生が私に電話をされた時に、教え子の馬君が来ていたというわけだ。なんとまあ、この広い中国でこんな偶然もあるのだなと、驚いたり、感心したり………。まるで、映画のストーリーの設定だ。
馬君の電話番号のメモをいただき、さっそく電話したら懐かしい元気な声が返ってきた。そして、さっそく土曜日に会うことになった。
聊城で研修していた当時、馬君は、初めのうちはなかなか言葉が出ずに苦労していたが、だれよりもよく勉強していて、後半にはぐんと伸びたので、鮮明に記憶がある。土曜日に会うのが楽しみだ。