K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

ジェームズ・ワンダービルト『ニュースの真相』

2017年05月14日 | 映画
こんにちは、みなさんゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。ぼくは友人の結婚式×2、2年ぶりディズニー、香川県の島(小豆島、豊島、直島)旅行、楽団の合宿と、非常に休めないゴールデンウィークでした。楽しかったですけど!

今回も去年の話ですが『ニュースの真相』を鑑賞したので更新します。原題は"Truth"で端的にこの映画を表現したものです。邦題は「ニュース」に限定しなくても良いのでは?というのが正直な印象。




<Story>
ジョージ・W・ブッシュ米大統領が再選を目指していた04年。アメリカ・CBSニュースのベテランプロデューサー メアリー・メイプスは、伝説的ジャーナリスト ダン・ラザーがアンカーマンを務める番組で、ブッシュの軍歴詐称疑惑を裏付けるスクープを放送し、センセーションを巻き起こした。だが、「新証拠」を保守派のブロガーが「偽造」と断じたことから、CBSは激しい非難を浴びる。同業他社の批判報道もとどまるところを知らず、ついに上層部は事態の収束を図り、内部調査委員会の設置を決定。そのメンバーにはブッシュに近い有力者も含まれている。肝心の軍歴問題は取材打ち切りとなり、もはや疑惑は存在しないも同然だった。メアリー、ダン、そして取材チームは会社から切り捨てられるのか? 出来レースのような委員会との闘いを前に、メアリーは勇気を奮い起こす。圧力に屈することなく、真実を伝えることを使命とするジャーナリストとしての矜持と信念を示すために―。(「映画『ニュースの真相』公式サイト」より)


ブッシュ大統領の従軍偽装を暴こうとしたジャーナリスト メアリーとそれを抑えようとする権力の抗争。あんまり評価高くないようですが、個人的には同じジャーナリズム映画『スポットライト 世紀のスクープ』(2016年アカデミー賞作品賞受賞)よりもドラマチックに撮られてて好みでした。

真実に迫る姿勢を貫いたメアリーとその想いに応えるスピーカー ダンのコンビが、さながらヒーローのように痛快なドラマを見せてくれます。
父親と折り合いのつかないメアリー(根強く残る父権的社会を感じさせる)が、窮地に瀕した際にダンに向かって"Dad"と呼びかけるシーンが一番好きでした。疑似家族と言うのでしょうか、『ディーパンの闘い』や『わたしは、ダニエル・ブレイク』でも同様の眼差しは見られますね。



疑惑報道の調査委員会に対して、メアリーが怯まずに反論するシーンも、ケイト・ブランシェットの演技がキマっていました。ケイトは存在が強いので、作品によっては作品に買ってしまう嫌いがありますが、今回のベテランジャーナリストという役柄にはピッタリでしたね。
父権主義的な父親と折り合いが合わないというのも、何となくドンピシャな気がします。(キャロルで同性愛者を演じていたイメージから?)



ラスト、メアリーがCBSから解雇され、チームの面々が会社を去っていくシーンがかなりカッコイイ!スローなカメラワークで劇的に描写されています。かなり
権力との試合には負けたが、勝負には勝っているようなイメージ。ジャーナリズムカッコいいなと単純に思える良作。


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