Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

汚く貧しく見苦しく

2017年07月13日 | 読んでいろいろ思うところが

ブレイディみかこ「花の命はノー・フューチャー」(ちくま文庫)を読む。

文章ってリズムだなあ、と思う。

たたみかけるようなリズムで、

イギリスのワーキングクラスの

欲望まる出しの、制御の効かない連中の生態を

これでもかと書ききる。それがまた無類に面白いわけで。

 

 

イギリス人の35歳以上の男性の

三分の一が子連れの女性とつき合っているらしい。

貞操観念など、どこ吹く風で、

自分のやりたいようにやりまくることが善だという価値観。

日本とは比べものにならない格差社会で、

貧困家庭で生まれた奴は、ほぼずっと貧困で一生を終える。

そんな国に住み、そうした人たちの身近にいるブレイディさんは

彼ら彼女らに限りない慈愛の目を向けながらも、

異邦人の目で、客観的に「こいつら、クソだ」と吐き捨てたりもする。

先に読んだ「子どもたちの階級闘争」(岩波書店)も

たいへんリズミカルなエッセイだったけれど、

本作は12年前に出た処女作の文庫化ということで、

若くて元気だった(今でもそうだと思うけど)

ブレイディさんの文章のリズムに乗っかっていると、

血が煮えたぎるというか。怒りと笑いで心が穏やかでなくなってくる。

こういうのがパンクというのだろうか。

以下、引用。

 

清貧、などというのはあれは趣味だ。

貧乏とは、足りないことで負けてることで醜いことだ。

自分から負けることを選んでいるような趣味の問題野郎どもに、

勝ちたくても負け、必死で勝とうと努力するのにやはり負け、

負けたくないのに負け続けている人間の気持ちがわかるか。

ちっとも負けてないやつに限って敗北の神髄なんてものを語りたがる。

そんなに好きなら貴様も降りてきやがれ。

(第3章「汚く貧しく見苦しく」より)

 

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