【タックの放浪記】  思えば遠くへきたもんだ・・・     by Tack SHIMIZU

心に刻まれたその一瞬、心に響いたその一言、心が震えたその想いを徒然と書き記したい。この記憶から消え去る前に…

津波に襲われた現場に立って…

2011年08月23日 | 徒然日記
今日は、八戸より沿岸沿いを小一時間ほどクルマで南下したところにある久慈という街より、更に10キロほど南にある野田という地区を訪れた。

その町の入口あたりに、ものすごい瓦礫の山があり、たくさんの冷蔵庫やクルマのタイヤ、生活用品、住宅の一部であろうさまざまな物が積み上げられていた。

この街には、オレ自身、何度か訪れているのだが、過去にお世話になったお客様のお宅の界隈である区画が、あのきちんと整理された住宅街が、全て無くなっていた。

全く無くなっていた。更地と化していた。

こんな震源地から離れた県北部に関わらずである。

その更地のところに、閉店した岩手銀行の建物が、ぽつんと残っていた。

そこまで歩いて見てみると、はるか高い位置で銀行の看板が歪んでしまっており、海に面した方の建物の壁はボコボコに穴が開いていた。近くの鉄筋がものすごい角度で曲がりくねっていた。

どれだけの力がかかればここまで曲がるんだろうか…。

海沿いの展望台は、半分が海に流され跡形もなく、そこに建てられていた大きな石碑は横に寝てしまっていた。海に面した背の高く力強い防風林の木々は、驚くぐらい全てが全て、なぎ倒されていた。

海岸線を走る三陸鉄道の陸橋、そしてクルマの為の陸橋、橋ゲタだけを残し、無くなっていた。

実際に、あの津波に襲われた現場に立ち、この現実を直視し、またこの災害で尊い命を失った万をゆうに超す人々の事を思った。

心よりご冥福をお祈りする。