私の大好きなスポーツ、マラソンのシーズンが到来した。女子はすでに始まっているが、来年のロンドンオリンピック代表選考を兼ねた福岡国際で、いよいよ男子の選考も始まった。結果は“市民マラソンの星”川内優輝選手(埼玉県庁)が日本人トップ(全体で3位)となった。タイムが2時間9分57秒では、代表選考はどうなるかわからないが…。
20キロ手前でトップ集団から遅れ、一時は先頭から数十秒は遅れたと思われる川内選手が、遅れたとはいえ1キロ3分強のペースを守り、36キロでもたもたしていた日本人先頭集団に追いついた。そこから今井正人選手と抜きつ抜かれつの激烈なトップ争いを演じ、40キロを過ぎてついに今井選手を振り切った。
これには、興奮したと同時に驚いた。何といっても今井正人選手というのは、箱根駅伝の山登り専門の選手で、毎年何人抜きかを演じて新記録を更新し続けた選手だ。その才能はともあれ、大学で専門のコーチから専門教育を受け、長距離ランナーとして育て上げられた選手といえよう。一方の川内選手は、埼玉県庁に勤めるサラリーマンだ。仕事を休むこともない真面目なサラリーマンと聞いているし、練習は毎日仕事の前後の2時間と、土、日はほとんど市民マラソンなどの実践に参加し、それを練習代わりにしていると聞いた。まさにアマチュアランナーだ。それにプロ中のプロが勝てないとすれば、いったいどのような練習や教育をするのがいいのかを問いたくなる。
いくら「走るだけのスポーツ」とはいえ、今や専門的指導を受けずに国際レベルに到達するのは無理だと言われている。そのような専門選手は、年に一つか二つのレースしか出場せず、満を持して勝ちに行く…、ところが川内選手は、毎週どこかの大会に出場しながら実践的練習を積んで、本番もその延長線上で勝利する。
実際はそう簡単なものではないのであろうが、日本の、いや世界のスポーツ界は総反省の上、選手の育成方法を考え直すべきではないのか?
それにしても今日のレースは興奮した。「川内がんばれ」と叫び続けて、最後に振り切ったときは胸のすく思いであった。
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