
キングクリムゾンが90年代に6人編成で再稼動した際に発表したアルバム「スラック」。長いクリムゾンの
歴史の中では最近の作品のイメージだったのに、95年度作品ということはもう20年以上前に
なるんですね。
このたび40周年記念ということでリミックスされて発売されたわけですが、わりかし近年の作品ではあるし、
それほど音質の急激な向上も望めないだろうからと、買うのを躊躇していたんですよ。でもまあ
この40周年記念盤シリーズを買い続けているし、コレクション的な要素を加味して購入してみました。
しかし実際試聴してみて驚きました、音がすごくいいんです! 95年発表のものとは別物と考えても
いいくらい音が変わっていて、大げさに言えば、激しくリミックスされてまるで別作品に聞こえる楽曲も
あるくらいです。元々比較的新しい作品なので音源そのものの質がいいのと、2014年に再稼動した際に
新たに加わったメンバーのジャッコ・ジャコスジクがリミックスに参加しているのも効いているのでは
ないかと推察します。彼の技量、力量がすごいのではないでしょうか。
オリジナルを持っているからと買うのをためらっている方は、だまされたと思って購入してみてください。
オーディオ的な聞き所も多くて楽しめること間違いなしです。
この際ですから、テレビを液晶に変えてからの音の変化をご報告しますと、予想以上に激変しました。
テレビが薄くなり奥にへっこんだ分、オーディオ用のスピーカー(セレッション)も台ごと10センチくらい
壁際に押し下げました。一般的に壁に近づけると低音が増すといわれていまして、しかし低音の変化は
あまり大きくはなかったようです。セレッション SL-6S が密閉型からかもしれません。
それより高音域は明らかに良くなって、きらきら輝くような艶っぽい音が響き、音場の広がりも以前よりずっと
改善されました。これは大きな容量のブラウン管テレビがなくなり、空間が広くなったことによるものでしょう。
ここまで音質が際立ってよくなるとは想像以上でした。CD黎明期のお世辞にも音がいいとは思えなかった
CDソフトがけっこういい感じで鳴り響くんですよ、これがまた。なのでこれまで音が悪いからとCDトレイに
乗せることを避けてきたような古いのを積極的に聞いてまして、諸々再発見しています。正直ここまで音の
クオリティが良くなるとは考えていませんでしたからねえ。
また、先のクリムゾンの40周年シリーズはDVDオーディオ盤とのカップリングで、これまでは再生できるプレーヤーを
持っていなくて聞いたことがありませんでした。先日手に入れたパイオニアのブルーレイ・プレーヤーはこの
フォーマットにも対応しているので、スラックを再生してみたところ、なるほど5.1CH版リマスターの意図は伝わりました。
ただいかんせん、新調してグレードが上がったとはいえ現状のAV機器ではピュアオーディオのシステムと
力の差が開きすぎていて、「音そのものを楽しめる」クオリティまでは到達していない状況です。元々私の場合は
DVDオーディオ盤はオマケ程度の感覚なので、今のところはこれ以上深追いせずに、「各スピーカーから
様々な楽器の音が別々に聞こえてくるなあ」くらいの認識にとどめておきたいと考えています。スピーカーの
クオリティが高ければまた違う結果となった可能性がありますが、部屋の広さの限界もあり、これ以上大掛かりな
システムの導入は困難ですねえ(予算的にも)。
今回処分された機器の取説も片付けました。昔のは取説もすごく丁寧で、日立のDVDレコーダーは
二冊、パナソニックのテレビは三冊に分かれての豪華版です。
比べると今度買った機器たちの取説はどれもみなチープで、特にオンキョーのAVアンプのはペラペラで
寂しい限りです。まあどっちみち取説は適当にしか読まないので、あまり凝ったものは宝の持ち腐れ
なのですが。
これはオンキョーのアンプに付属していたスピーカーの端末に貼り付けるシール。同じケーブルを使って、
しかもピュアオーディオとAV用が混在しているわけですから、掃除の際などいっぺんに外したら、どれがどれだか
わからなくなるんですよね。これで仕分けておいたらすごく助かります、これは便利もの。
*今日は全国的によく晴れたようですね。彼岸の入りで、お墓参りに行ってきました。