旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

20240425 北海道晩春編⑪ 探偵小説の鬼 横溝正史 東川町

2024-04-25 04:25:01 | 旅鴉の唄



4月25日(木) 曇り時々雨

図書館で目についた本は、「探偵小説の鬼 横溝正史~謎の骨格にロマン
の衣を着せて/山口直孝監修」。山口さんは横溝研究で知られた大学教授で、
これまでも戦時下の幻の新聞小説「雪割草」を発掘したり、片岡千恵蔵主演版
映画「悪魔が来りて笛を吹く」のフィルム発見など、数々の業績を挙げている。

横溝さんの生い立ちや素性に関しては、晩年ご本人がエッセイにまとめられる
などし、それを読んで、粗方の知識は持ち合わせていた私。しかし、数冊に分けて
発表されるなどしたことで、やや散漫になっていてわかりにくいものを、この本
では簡潔に時系列にまとめられていて、理解しやすいのがまずいい。しかも大判、
写真も数多く掲載されるなど、ビジュアル面でも訴えかけ、説得力がある。


   

さらに圧巻なのは、これまで発売された横溝本の表紙が、これでもかと並べられた
写真。横溝作品は中身もさることながら、このインパクトある表紙との相乗効果で、
さらに魅力を高めていることを再認識させてくれる。有名な角川文庫版の杉本一文
さんのイラストはもちろん、近年の全集に描かれた、艶めかしい女性の寝姿の続き絵
など、こうして改めて一堂に会すると壮観だ。その杉本さへのインタビューや代表作の
ノンクレジット・イラストが掲載されているのも見逃せない。
   

2500円以上するが、横溝ファンなら買って損はない代物だし、発売が20年前
なら、私も絶対に手に入れていただろう。


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