TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

うすれゆく記憶

2011-10-19 10:59:41 | セラピー・ドッグ
今日のセラピー訪問先は、アイランドに設けた眺めのよい施設。

ハロウィーンの衣装を着ていったTABIと、バンダナをつけたゴールデンのEMMAはナースのみなさんに熱烈歓迎。この施設では、個室を一つづつ訪問する。

途中、私は話好きなおばあさんにつかまってしまい立ち話。「私も昔は犬を飼っていたのよ~」に始まり、歴代の犬達の話になるが、時代が行ったり来たり。そして、「来週はうちの両親が遊びに来るのよ~」という話までいった。もちろん、彼女のご両親はとっくに他界しているだろうから、コレは彼女の幻想なのだが。このように一見しっかりしているように見える老人が、つじつまの合わない話をするのは認知症の特徴だ。

この施設では、各個室のドアの横に飾りだながあり、入居者の若かりし頃の写真や、勲章などをディスプレイしてそれぞれの人となりをあらわしている。今日訪問した中に「ドクター」の称号を持つ紳士があった。おそらく三十代と見える写真を見ると、すごい美男子。ドラマ「Mad Men」の主人公みたい。部屋には科学雑誌が置かれ、その紳士は車椅子で読書中であった。現在九十代と見えるドクターは、若い頃のおもかげは全くなかった。

次に訪れたフランス系の元ナースは、頭の方は今でもかなりしっかりしており、他の誰よりも筋の通った話のできるおばあちゃま。車椅子に様々な医療機器がついており、おそらく頭の方は問題ないのだが病気で体がきかないため入居していると見える。私がもっと仏語ができたら、いろいろ話ができたろうに。

ドアに犬写真を貼り、飾りだなにはドッグショーのリボンやたくさんの犬の置物を置いているのは、犬好きで知られるおばあちゃま。ベッドから落ちて怪我をしないように、ベッドは低くし周囲にマットを敷き詰めてあった。ろれつは回らないのだが、犬の話題になると生き生きとして話がつきない。しかも、レスキュー活動の最新情報にまで詳しい。「毎回、セラピー・ドッグが来るのが楽しみなのよ」と言っていた。

私も老人となってホームに入ったら、飾り棚に犬写真やアジリティのリボンを飾るんだろうか。そして、セラピー・ドッグのボランティアに「私が若い頃は、犬とアジリティやラリーをやっていてねえ~」とか話すんだろうか。


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