TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

お金があっても幸せになれない人々

2016-06-18 08:15:57 | カナダ話題
最近こういうの目につくんだよね。

カフェでの出来事。
通路をはさんで反対側のテーブルに、初老の白人カップル。早めのランチなのか、コーヒーとサンドイッチがテーブルに並ぶ。向かい合ったまま、ただもくもくと食べる二人。十五分ほどして、食べ終わった二人は席を立った。この間、二人はひとことも会話をかわさなかった。

この地域には、定年退職して子供もみな成人し悠々自適なシニア世代が、リタイア生活をエンジョイするためにどんどん移り住んで来る。ここは生活費が非常に高いから、あえてここに来るシニアはかなりの経済的余裕がある人々ばかり。だから、みな小奇麗なお年寄りばかりだ。しかし、なぜか幸せそうなカップルは少ない。

このご近所でうちと仲良くしている70代のカップルも同じ。高級車を二台、海辺に別荘を持ち、ゴルフや園芸の趣味を満喫してハッピーなのかと思ってたらとんでもなかった。もう何年も前から、夫婦は別居なのだと最近になって知った。旦那さんのほうはここの一戸建てにとどまり、奥さんんのほうは車で一時間ほどの大きな町にコンドミニアムを購入してそっちに住んでいる。子供たちや孫が遊びに来る週末だけ、奥さんがこっちに帰ってくる。

いつもパーティーの席ではおしどり夫婦のようにふるまっていたので、私は全く気がつかなかった。夫婦の仲とは、わからないものだ。

そして彼らのようなカップルは、決して珍しくない。
残念だよね。せっかく長年働いてリタイアしたら楽しもうとお金をたくさん貯めたのに、結果は夫婦が仲たがい。離婚する人もいるが、あえて離婚はせず別居してたまに会うだけの人もいる。なんのための老後なのか?

まあ昔は、リタイアする年齢に至る前に寿命が来るのがほとんどだったから、こんな悲劇は起こらなかった。長寿が必ずしも幸せと限らないのは、こんな現実も影響しているのだろう。

シニア世代の奥さんたちによると、一番理想なのは「夫が定年したらすぐに未亡人になること。その後は夫が残したお金で、あちこち旅行したり好きなことして老後を過ごす」ことなのだそうだ。

なるほどね。
男は女房がいなくなると朝ごはんの支度にも困るが、女は旦那がいなくなったとろこでお金さえあれば、ちっとも困らない。家の修繕とか芝刈りとか、お金を払ってプロを雇えばすむのだ。

でも、なんかな~。
さみしいよね。自分たちの将来がそんなんだと思うと。