TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

魔物の出る夜

2015-11-04 16:34:32 | カナダ話題
ハロウィーンがほのぼのした子供のお祭りだった時代は、とっくに終わった。

ここ数日、散歩で犬飼いに会うと「今度のハロウィーンどうだった?」「いや~、もう大変!」という話題になる。昔のように、子供達が近所の家々をめぐってお菓子をもらい、うちへ帰ってみんなで分ける、なんてのはもう流行らない。

大人が子供達をトラックやバンに乗せ、近所だけでなく遠くの町、とくに裕福層の住宅街へ出かけて子供達にお菓子をせびらせる。それを夕方から夜遅くまで何時間もやるので、一年分のお菓子がたまることも。お菓子を配る方は大変で、一晩に二百人なんてザラ、千人を超える子供達が押し寄せたお宅もある。

我が家も、お菓子180個入りの箱が二箱、二時間でなくなった。

子供どころか、赤ん坊を乳母車に乗せた若い夫婦がお菓子をせびりに来ることも、最近では珍しくない。もちろん赤ん坊はお菓子なんか食べないから、夫婦が食べるわけだ。恥を知らないとはこのことか。

こういう連中の相手をするとなると、ハロウィーンの夜は夕食なんてゆっくり食べているヒマは全くない。うちのTABIは子供が好きだからいいが、犬によってはドアベルが鳴ると興奮して大変な子もいるわけで、犬飼いにとっては苦労である。

ま、そのくらいはいいとして、困るのは子供たちによる破壊行為だ。

子供といっても中高生くらいともなると、腐った卵や生ゴミなどをひとんちの外壁に投げつけてゆく。花火を投げつけ、火災が発生するのもハロウィーンの夜がピーク。毎年、どこかのお宅が放火で全焼している。未成年はなにをやってもつかまらないので、やりたい放題なのだ。一応、RCMPがパトロールしているが、事件の件数は増える一方だ。

昔はこの時期、パンプキンで作った飾りを玄関先に置いたものだが、最近はこうした破壊活動にパンプキンが使われるため、何も置かない家が多くなった。うちも、なにも置かない。

飼い猫をつかまえてなぶり殺しにする遊びも、中高生の間で流行っている。猫飼いは、猫が外に行かないように注意しているという。

あまりにも騒然としたハロウィーンに嫌気がさし、この時期はわざと家を留守にするお宅が増えてきた。「もうこんなお祭り、廃止にして欲しい!」となげくお年寄りも多い。気持ちはわかるよ。

近年は日本でもハロウィーンを祝うそうだが、なんでもアメリカやカナダの真似してるといずれ同じ運命になるかもね。