スマイルの値段

今日は、新しい歯科医での初めてのチェックアップ。

これまで通っていた歯科医は、クビにした。
「カネにならない患者はまともに相手にしない」が信条の彼には、過去二年間
に歯石除去などで七回もクリニックに通ったにもかかわらず通算で二回、
それぞれ３０秒ほどしか会っていない。だから顔も覚えてない。
アメリカの歯科医なら当然やるべきの、歯だけじゃなく口腔内全体や顎、首
など包括的なチェックもしなかった。レントゲンをバシバシ撮ったくせに、
その結果の説明も全くなかった。こんな男の妻のドレス代やガキの教育費の
ために、何百ドルも払うのはバカバカしい。歯科医など星の数ほどいるのだ。

今度の歯科医は、うちから徒歩５分と近く、新しくできたクリニック。
若いだけあって熱心で丁寧である。初日の今日は、念入りなチェックを行い、
レントゲン結果の説明をし、歯石除去もアシスタントではなく彼自身が
やり、全部で一時間半ちかくもかかった。それでいて、料金はたったの
２００ドル、日本円にしたら二万一千円ちょっとだ。安い！四人の子持ち
なのに、大丈夫か？儲かるのか？！設備代とか人件費とかで赤字では？

ひとごとながら心配になってしまう。歯石除去代だって、前の歯医者よりも
５０ドル以上安い。しかも、仕事が丁寧だ。開店スペシャルってことでも
なさそうだ。

ところで十三年前にカナダで治療したレジンの充填物であるが、さすがに
老朽化して四つほど新しくする必要があるようだ。おいおい一つずつ治療して
いく予定だが、これが全部で千ドル以上。白いスマイルというものは、全く
お金のかかるものである。