TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

ひとりぼっちの夜

2006-06-14 13:17:32 | インポート
裏の犬が鳴いている。

裏の家は、10日ほど前一家で別荘に避暑に出かけた。毎年、子供たちが夏休み
になると出かけるのだそうだ。私たちがカリフォルニアに出かける前に、
立ち話でそう言っていた。「犬はどうするの?」と聞いたら、「置いてくわ、
もちろん」

近所の子供がアルバイトで一日一回、エサと水をやりに来てくれるから大丈夫
だという。犬は、外にある犬小屋(というかテントみたいの)に寝ている。
アルバイトの子供が来る時をのぞいて、いつもひとりぼっちだ。

私たちが先週旅行から帰ってきて、裏庭に下りたところ、様子をかぎつけて
早速その犬はフェンスまで一目散に走ってきた。うちの家のフェンスとの間に
あるドアを開けて中に入れてやったところ、もう大喜びでうちの庭を走り回って
いる。夫やTABIとひとしきり遊び、私がおやつをあげ、しばらくうちの庭で
過ごしたあと裏に帰してやった。

犬は群れで生活する動物だから、ひとりぼっちが大の苦手。
こんな風に置き去りにされると、ちょうど親に置き去りにされた人間の幼児の
ようにパニックしてしまう。ひと恋しくて、夜になると鳴くのだ。うちでも
聞こえるのだから、両隣の家はうるさくて眠れないに違いない。よくまあ文句も
言わずに耐えているものだ。うちで預かってやろうかとも夫と話したが、しかし、
なにかあって裏の家から訴えられたらとんだ災難だ。なんといっても、アメリカは
訴訟大国だからね。

こんなかわいそうな思いをさせるのに、なぜ人は犬を飼うのか?
裏の家はお金持ちなのに、なぜせめてケネルに預けるとかしないのか?

ま、他人の犬だし、よその家の事情はどうでもいいことだが、まだ若いその犬の
泣き声がせつない夏の夜。