TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

海日和の祭日

2004-08-03 11:16:47 | インポート
本日快晴、絶好の海日和。犬連れで海岸を散歩。

こんな日は、海が好きだったラマルシェのおじいちゃんを思い出す。
この人は、夫の継父の父親で、私とも夫とも全く血のつながりがないのだが、
みんなわけへだてなくかわいがってくれた。大柄で、サンタクロースみたいな人だった。

役人を定年退職したあと、田舎に牧場つきの家を買って牛など育てながら
奥さんと優雅に暮らしていた。クリスマスに一度お呼ばれで行ったが、
素敵なカントリーハウスだった。ずーっと病気知らずできた人だったが、
末期ガンと宣告され医者からあと3ヶ月と言われた。

医者は入院をすすめたが、断って家に帰った。いまさら手術や抗がん剤や
放射線治療で苦しむくらいなら、住み慣れた家で静かに暮らしたかったのだ。
子供や孫は心配したが、本人の決意は固かった。そして、今までどおり牛に
草をやったり畑の世話をして、ごく普通に生活した。

結局、そうやって一年半なにごともなく過ぎた。
親戚は、「あれは誤診だったのかね?」とウワサした。
そしてある日、枯れ木が倒れるようにコトリと息をひきとった。
孫たちに看取られて、静かな最期だったという。

いまとなっては、ガンで死んだのか老衰だったのか、他になにかあったのか
わからない。だけどあの時医者のいうように入院していたら、おそらくもっと
短命だったろう。余分な痛みや苦しみ、家族と会えない寂しさ。
「延命治療」というのは、誰にとってのbenefitなのか?

医者に死を宣告されて、うろたえない人はいまい。
手術でもなんでもするから助けてくれ、とすがるのが一般人だ。
「いや、治療はいいよ。サヨナラ」とあっさり帰ってきたおじいちゃん、いいなあ。
かっこ良過ぎ。だけど自分の人生だもの、自分で最期の過ごし方を決めたいよね。
おじいちゃんの生き方に、Two thumbs up!