たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

系譜の変更

2018-05-09 09:47:29 | 阿波・忌部氏1

<八桙神社 やほこじんじゃ>

 

事代主命(が比喩する長国の首長)は、

もともと忌部氏が上陸する以前、

四国の海岸沿いに居住していた

海人族系の民だった可能性があります。

「粟国」「長国」という二つの国が、

「粟国」へと統一される経緯の中で、

長国の神であった事代主命も、

忌部氏の系譜に加わったのでしょう。

そして、粟国の神・大宜都比売命と、

長国の神・事代主命(スサノオ)という、

土着の夫婦神の名に「八」の文字を加え、

渡来系の神である証にしたのかもしれません。

 

ちなみに、「矢」を掌る阿波忌部氏は、

自らが管轄する神社の名称に、

「矢」の文字を当てていた形跡が見られます。

その後、忌部氏が表舞台から消えるに従い、

「矢」が「八」へと変わって行ったようです。

神社の名称を「八」に変更した背景には、

恐らく政治的な思惑があったのでしょう。

もともと、八幡神社には応神天皇ではなく、

「比売神」が祀られていたと言われるように、

古い日本の神々をご祭神とする神社が、

「渡来系の神々」に入れ替わった経緯が、

この「八」の字から伝わって来るのですね。

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