<阿南市・長生町>
古代、徳島は「北の粟国、南の長国」という、
二つの国に分けられていたようですが、
粟国と長国が「粟国」として統一されるまで、
「長国」は独自の経済・文化圏を持つ国でした。
恐らく、忌部氏がこの地に入る以前は、
さらにいくつかの「国」が存在しており、
お互いの文化を尊重し合いながら、
緩やかに共存していたものと思われます。
数々の繁栄の歴史を残す「粟国」に比べると、
大麻比古神社のような一の宮も存在せず、
忌部につながる伝承も少ない「長国」には、
どことなく地味な印象が付きまとうもの。
しかし、一説によりますとこの長国は、
粟国よりも古い歴史を持つ国であり、
「忌部以前の神」を祀っていたのだとか。
そんな長国の中心地と言われる場所に、
ある興味深い神社が鎮座していました。