江戸糸あやつり人形 ー The Edo Marionette Group

江戸糸あやつり人形の公式ブログ
写真付きで、演目紹介、活動報告、リンク先などを
日本語、外国語で紹介します。

2月のスケジュール

2023-01-29 01:12:34 | 公演予定
ここには一般の方がご覧になれる公演を紹介します。

2月4日(土)から府中郷土の森博物館で梅まつりが始まります。
期間は3月12日(日)まで。
梅の状況によっては延長することもあります。
基本的に私たちは初日から最終日まで、土曜、日曜、祭日は
大道芸をする予定ですが、以下の日にち以外、
天候等で出演できない日もあります。
また大道芸をする時間帯は、12時半頃から15時頃までです。

出演できない日は、
2月18日、3月4日 です。

皆様のご来場を心からお待ちしております。
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良い人形遣い、そして良い人形とは

2023-01-13 01:16:41 | 劇評
結城座の「十一夜」を見た。

私は師匠(元十一代結城孫三郎)からは
「良い人形遣いになれよ」と言われ
故竹田扇之助さんからは
「良い人形を創れよ」と言われ、
その意味を模索し続けながら今までやってきた。

その視点から感想を述べたい。

まず人形のカシラだが、統一性がなく、
人形遣いがそれぞれ作ったのかと思ったほどだった。
人形の目が効かない、
確かに人形遣いの腕の問題でもあるかもしれないが、
この作家がそれなりに有名な人とは後でネットで知ったことで
その人の創りだすキャラクターに沿ったカシラと、
そうとは思えないカシラがあり、
そのキャラクターに沿ったカシラが、
こう言っては失礼かもしれないが、素人の作品に思えてしまった。
私は随分古いカシラを見てきた。
三人遣いのようなどこに行っても同じようなカシラとは違い、
それぞれ特徴があるのだが、うなってしまうほどの良いカシラが
結構あるのだ。
そう言った歴史に太刀打ちできないとしてもぶつかっていくような
カシラを作りたいと挑戦し続けてきているが、
この作品では残念ながら安易に創っているとしか思えなかった。
あごがぶらぶらしているカシラがあった。
どういう意味か一生懸命芝居を見たが、分からなかった。
途中であごの直ったカシラに変わったが、
どうして直ったのかもわからなかった。
台詞が聞きづらかったからかもしれないが。

衣裳も分からなかった。
洋装と和装、時代をどこに設定しているのかと悩みながら見ていたが、
東日本大震災の津波を思わせる展開があると、
何故こういう衣裳の組み合わせになるのか
ますますわからなくなってしまった。
しかも一体だけ、腕がやたらと長いのがあったが、
若手のほとんどが、腕を生かさずだらりとぶら下げているだけだから
その長さが気になってしまった。
人間と同じような洋装にすると、
腕を下げただけではそれが無機質になってしまい、
私は違和感を覚えてしまう。
左は肘糸を少し張り気味にするとか、右は軽く持って遣うとか
何か工夫をすべきなのだが、
多分人形の指導がないのだろう、と思えてしまう。

私は修業時代船遊さんに
「上條もやっと声が出るようになったが、芝居の声はまだできていない」
と言われたことがある。
若手の声ができていないのは仕様がないかもしれないが、
男が女の人形を遣い、女が男の人形を遣うのは良いとしても、
複数人がわあわあ喋りだすと、
誰が何をしゃべっているのか丸っきり分からなくなってしまった。
役柄を作る
下手でも良いから一生懸命役を作らなければならないのに、
それがないから役の違いが全く伝わってこなかった。

私は松本歌舞伎に結構関わっているが、
勘三郎が亡くなった後の芝居で
七之助と松也だったか、初めは二人で芝居をしているのだが、
間延びしてなかなか緊張感もテンポも出ないなと思っているとき
勘九郎が出てきたらガラリと空気が変わって
芝居がぎゅっと締まりテンポが出て、芝居がぐっと良くなった。
勘九郎は良い役者になった、と感心したことがあった。

今回のこの芝居、なかなか船遊さんが出てこなくて
芝居が冗長になっていたので、
船遊さんが出てきたらどれだけ空気が変わるのだろうと期待していたら、
変わらない。
若手に溶け込んで、存在感がない。

私が修業しているとき、ある演出家から
「人形は自由である。だから自由に遣ってはいけない」
と言われたことがある。
宙に浮く、跳びはねる、足蹴にするなどなど
だからそういう動きをするときは、一生懸命考えなければならない。

この芝居、最初から最後まで一本調子で緩急がなく、
誰が演出しているのだろうと見たら
私の大好きな鄭義信だったので、がっかりしてしまった。

さいたま大道芸に、最近になって糸あやつりを知り、
昨年結城座を二本見たという人が声を掛けてきた。
「あなたはどこで覚えたのですか」と尋ねられたので
「結城座です」と答えると、しばし戸惑った顔をしてから
私に対し、「見事ですね」と言われた。

私と同じ「江戸糸あやつり人形」を名乗るなら、
もっと一生懸命に「人形とは、人形遣いとは」ということを
考えて欲しいと思う。
人を潰すことに時間を割くより、ずっと必要なことと思われる。
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2023年1月のスケジュール

2022-12-30 00:25:40 | 公演予定
ここには一般の方がご覧になれるものを紹介しています。

1月2日(月) 浪曲定席木馬亭 新春特別公演
 (定席は1日から7日までやっています)
 江戸糸あやつり人形の上りは13時半、中トリになっています。
 定席の公演時間は、1日~3日まで11時~15時半
          4日~7日まで12時~15時半
 会場: 浅草木馬亭(奥山おまいりまち)
 入場料:2500円
 因みに2日の大トリは天中軒雲月師匠。

1月7日(土)、8日(日) 第18回さいたま新都心
             大道芸フェスティバル
 両日とも 12時半~ 1階スターバックスコーヒー前
      14時半~ 東口歩行者デッキ1

1月10日(火)、11日(水) 初笑い 浅草21世紀新春興行
 両日とも13時開演
 会場:浅草木馬亭(奥山おまいりまち)
 料金:当日2800円、前売り2300円
(当日いらしても、上條の名前を仰っていただくと、前売り金額で入れます)

1月22日(日) ドリームシアター岐阜 人形劇鑑賞会
 人形劇団ぽけっと公演 ジョイント公演として上演
 会場:ドリームシアター岐阜 (岐阜市明徳町6)
 料金:1人800円 (4歳以下は無料)
 観劇には応募しなければならないかもしれません。
 ご確認を。
  https://gikyobun.or.jp/dtg/
    058-262-2811

1月29日(日) アルコド(ALKDO) ニューアルバム発売記念ライブ
 会場: 青山 月見ル君想フ
 入場料:前売り3500円 当日4000円 (ドリンク別)
  豊田市での橋の下世界音楽祭仕掛け人永山愛樹、竹舞らのバンド
  ゲストはT字路sと武徹太郎(馬喰町バンド)
  DJは大石始とイーグル・タカ(GEZAN)
  彼らに交じってのゲスト出演、さてどうなるのでしょうか。
 問合せ:03-5474-8115 (月見ル君想フ)
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歴史を知る

2022-12-07 23:10:04 | 日本文化
最近歴史を知ることの大切さを説く本を何冊か目にした。
それだけ最近は、
歴史がないがしろにされていることなのかもしれない。
”今”は過去の上に成り立っているのであり、
過去を知ることは今を知ることにもなるのだ。

来年は現代人形劇が始まって100年という年を迎える。
現代人形劇の対極にあるのは、伝統人形芝居である。
現代人形劇の最初の公演は、
1923年の関東震災直後、
伊藤道郎・伊藤憙朔・千田是也3兄弟が灰燼に帰した東京を見て、
こういう時だからこそ気軽にできる人形劇をやったらよいと考え
11月24日から3日間開いた試演会がそれだった。
彼らは1921年から糸あやつり人形を製作していたので
すぐに上演できたのだが、
人形の造形に重きをおいていたため
いざ人形を遣うとなると、相当に四苦八苦したそうである。
その後続いて画家たちの手による糸あやつり人形の上演が
あるのだが、
何故画家たちが糸あやつり人形を遣ったかというと、
実はフランスに留学した画家たちは、
糸あやつり人形の上演を公園で目にしていて、
相当に刺激を受けていたようである。
きっと目にしたであろう人形芝居の絵を
五姓田義松が描いている。
その後伊藤憙朔は《人形座》を作り
1926年から糸あやつりの公演を始めるが
3回目の公演からギニョールによる公演に代わる。
糸あやつり人形は準備するのに時間がかかるし、
操作するのが難し過ぎた。
その後人形劇はギニョールが中心となる。

《人形座》はその後《大阪人形座》に引き継がれ、
それが復活公演に私も関わった《大阪出口座》につながる。

現在人形劇に関わっている人で、
関わる以前に人形劇を一度も見たことのない人は
多分皆無であろう。
ところが、現代人形劇100年という企画を提案しても
各地の人形劇フェスティバルは、全然興味を示さないという。

何とももったいない話である。
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力を抜く

2022-11-30 23:55:56 | 製作秘話
瀬戸内市の喜之助人形劇フェスタに行ってきた。
今年は昨年末に発表した「操っているのは誰だ?」
パントマイムユニットのシルヴプレとの共演だ。
やっていて面白かったし、評判も上々で、
とても楽しかった。

異業種と言って良いのだろうか
人形劇、もしくは人形芝居とは異なる芸人との共演は
感覚の違いや考えの違いが判って面白い。
今回一番難渋したのが、脱力。
考えてみれば、人形遣いはいつも力が入っている。
人形を持つこと自体力が入るし、
人形が動くためには動機があって、感情があったりするわけで
そうすると、人形を遣う身体のどこかに必ず力が入っていることになる。
人形自体も、とりわけ糸あやつりは
糸を張ることが生きることにもなるわけで、
糸を張らないでぶらぶらさせておくことは
まさしく脱力していることになるのだが、
そういう状態の人形を見ると、
その部分だけが死んでいるように見えてしまう。

今回私自身が人形になるシーンを作ったのだが、
まず言われたのが、「上條さん、脱力!」
そして、「上條さん、顔に力が入っている!」

あぁ私は顔で人形を遣っているのだ。

そこで人形振りをやってみると、まぁこれが難しいこと。
確かに爪先立ちにしていたりするのだから
爪先や足、腰には力が入っているのだが、
吊られていないところはブラブラ脱力していなければならず、
この経験は新鮮だった。

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