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新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

医療従事者の季節性インフルワクチン勧奨中止(カナダ マニトバ州)

2009-10-07 17:39:37 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

”季節性ワクチンヤブヘビ報道”続報@canada.com。

カナダ マニトバ州では、季節性インフルエンザワクチン接種の勧奨対象から医療関係者を削除(drop)しています。

  • 季節性インフルワクチン接種により新型インフルに罹患しやすくなるとの報告を受けて、「医療従事者」を季節性ワクチン接種勧奨リストから削除することを決定。
  • ウイニペグ地域保健局(WRHA)Sande Harlos医務官コメント。「パンデミックの中で、出来る限り事態に適応し、フレキシブルでなければならない」。
  • 査読中研究では、季節性ワクチン接種を受けた50歳以下の群では、新型インフル罹患リスクが上がったとのこと。
  • 先週、アルバータ州は、H1N1ワクチン接種が開始されるまでに限り、ハイリスク群に対する季節性ワクチン接種を行うことを決定した。また、多くの州では、65歳以上と長期入所者に限り季節性ワクチン実施することを決めている。
  • 医療従事者とともに、「介護従事者」および「慢性疾患を有する者の同居者」も季節性ワクチン接種勧奨リストからはずされた。

カナダ当局の動き、ますます季節性ワクチン敬遠の方向にすすんでいるようです。

ただし、65歳以上の高齢者、すなわち、季節性インフルエンザ→細菌性肺炎→重症化のハイリスク群については、季節性ワクチン接種勧奨は継続しています。

ソースは10月4日付canada.com↓
http://www.canada.com/health/Health+care+workers+dropped+from+Manitoba+seasonal+vaccine+list/2071741/story.html

Health care workers dropped from Manitoba's seasonal flu vaccine list

 

 
By Aldo Santin, Winnipeg Free PressOctober 4, 2009
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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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迷っています (吉田)
2009-10-09 07:03:31
大変興味深く拝読しております。ありがとうございます。
五歳の子供は軽い喘息と扁桃腺肥大があります。
新型ワクチンは年末位との事で、先に季節性を打とうかと来週を予定しておりました。
しかし、これからちょうどピークに入る新型に罹患し易くなったのでは、本末転倒な気もしますし…
小児科医二名、耳鼻科医一名の方に尋ねても、季節性も打っておいた方が良いとばかり言われます。 来春に季節性が流行ったら効かなくなるから時期が難しいとか、季節性も新型に効くかもしれないから早く打った方が良いとか、医師に寄ってもマチマチ、正直よくわからないと素直に仰る医師もいらして、結局ずっと悩んでおります。
風邪をひいても酷い咳や鼻詰まりで寝苦しい子供が、少しでも軽く済めばと思うので、重症化を避けるには季節性を打った方が良いような記事がありましたが…カナダの決定も気になり迷っております…。新型ピークが過ぎてからの新型ワクチンと同時期あたりに打つのが妥当なのか…。
タミフル耐性が増えている事も気がかりですし、幼稚園にも通っていますし、気が気でない日々です…。長文で申し訳ありません。
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ありがとうございます  (管理人)
2009-10-09 23:00:03
お便りありがとうございます。
喘息をおもちとのこと、心配ですね。

新型インフル自体、まだまだわからない未知の疾患でして、これから新しい所見が続々出てきます。

>季節性も新型に効くかもしれないから早く打った方が良いとか

 これは、7日付メキシコ発、英誌で発表されていて、昨年度打った群では予防効果まであったというものです。カナダの動きとは真っ向から衝突するデータです。

>正直よくわからないと素直に仰る医師もいらして
 この先生は正直な人です。

つまり、「季節性打ったらヤブヘブ」と「季節性打ったら有効」と両データがあり、両方とも予備的なものだと(本決まりじゃないよと)書いてあるのが現状です。

最終的には、ご自身の価値観により決定していただくことになります。こちらで指示することは出来ません。かわりに、参考になることを申し上げると・・・
*喘息という基礎疾患をおもちで、5歳という年齢は、新型ワクチンの優先順位に入っています。
*新型のインフルが出ると、旧来のものを駆逐する・・というのが歴史です、今回もそうなる可能性が高いとは思われますが、過渡期です。100%新型ということになってはいません。90何%です。100から90何%差し引いた数%をどうとらえるか。「○%も」か「○%しか」か。
*逆に新型インフルじゃなくて「気管支喘息」をベースに視点を変えると、まだ数%は残っている季節性インフルに罹ると喘息は悪化(発作↑)するリスク。
こう考えてゆくと、喘息の現状を照らし合わせそちらをベースに検討されると良いのではという気がします。
返信する
抗原原罪も危惧してるのかも (浅見真規)
2009-11-01 07:51:06
ここで紹介された「季節性ワクチンヤブヘビ報道」以前の8月時点から「抗原原罪」の見地から季節性インフルエンザ・ワクチンを新型インフルエンザ・ワクチンと同時か少し前に接種すると新型ワクチンの効果が落ちるかもしれないという指摘があったそうなので、それも考慮されてるのかもしれません。

University of MinnesotaのCIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy)の記事参照
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/influenza/swineflu/news/aug1809originalpwm.html
>'Original antigenic sin': A threat to H1N1 vaccine effectiveness?


上記記事等の日本語要約と解説は、Sasayama’s Weblog記事参照
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=1101
>新型インフルエンザ・ワクチン投与で、
>抗原原罪を懸念する声が専門家の間にある。
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