新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

「世間にわかってもらう」ちょっとした工夫(〇〇モデル)

2020-02-03 09:44:11 | リスクコミュニケーション

ここのところいくつかの番組内で説明法。

これまで、大きくメディアに取り上げられ一般社会にイメージが植え付けられたものに、

新型インフルエンザH1N1(2009)、エボラ(2014)、SARS(2003)、MERS(2012からだけど実質的に2015の韓国報道から)があります。これらは割とよく世間の頭に残っているので、ざっくりとたとえに使えます。これらを〇〇モデルとして利用。

SARSモデル:人権を横においた封じ込め策プラス、よくわからん要素も加わり、抑制⇒消滅。

インフルエンザモデル:感染者がわーっと広がり、免疫もった人が増えて、集団免疫的におさまっていった

エボラモデル:封じ込め策をとろうとしたけれど、民衆が従わなくて、襲撃やら隔離された家族の奪回やら病院の放火やらが起こって、流行がおさまらない。2018年にはじまった流行が、2020年になっても。

ツッコミどころがあるのは重々承知しておりますが、これぐらいのざっくりした説明がイメージもってもらうのに良いのかなあとスタッフの反応みながら思っています。

さしあたって、今回なら、

初期の説明としては、「SARSモデルが基本でしょう。強力な中国当局の封鎖策で人民が従ってくれれば。でも、人民が爆発してしまえばエボラモデルも頭の片隅におきましょう」

ここ最近は、ご存知のとおりの状況ですから、「そろそろ頭を切り替えましょう。インフルエンザモデルです。誰も免疫もってないところにざざざーっつと広がり、大部分は軽症や無症状でおわりつつ、社会に免疫が普及してゆきます。いったん罹ってなおった人は”最も安全な人”です。そして、免疫もった人が普及しておさまってゆくというシナリオも考えましょう。もうそろそろ」と。

教育番組でも報道番組でもない、沢尻エリカと尺をとりあわなければならない情報番組では、こんな感じかなあと思っています。

まあ、またいずれ今回やった工夫を含め、リスコミ系の演題発表やペーパーででも共有しようと構想中。


今後は中国国外でも持続的な感染継続(Lancet)

2020-02-03 00:04:14 | 新型コロナウイルス/COVID―19/2019-nCoV/武漢肺炎

新型コロナ案件、数理モデルと今後の見通し

  • 武漢から国内外に出た感染者について推定。国外へはOAGデータ参照。
  • 基本再生産数は2.68.1月25日までに武漢で感染したのが75815例。
  • 感染者数がは6.4日ごとに倍増。
  • 武漢から国内流入例は、重慶461例、北京113例、上海98例、広州111例、深セン80例。すでに武漢に遅れること1-2週間で、中国中の大都市で感染拡大が起こっている可能性。
  • もはやこの疾患は武漢のものではなく、他の中国の大都市において持続的感染jが起こっているものと思われる。
  • 海外においても中国との密接な交通路のある大都市においては、しっかりとした公衆衛生的対応がなされなければ、それそれが流行中心地になってゆくであろう。

う~ん、武漢以外の中国大都市、国外の密接な関係のある都市それぞれが複数の流行中心地になってゆくというシナリオ。現実のものになりつつあります。

Lancet: Nowcasting and forecasting the potential domestic and international spread of the 2019-nCoV outbreak originating in Wuhan, China: a modelling study