新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

麻疹(はしか)は世界中で3割以上も増えている!とWHO

2018-12-03 13:50:46 | 麻疹/はしか/Measles

ここ最近の麻疹(はしか)、「〇〇国で麻疹発生(〇〇には一旦清浄国認定を受けた先進国の名前が入れ代わり立ち代わり入る)」報道が目立ちます。時々は反ワクチン(イタリア政権、自閉症説、etcふくめ)、またある時は持込み(本家ディズニーランド、沖縄、関空、ジャスティンビーバー・・・)とともに語られますが、そもそも、世界中で大増加している!との報告。

  • ワクチン接種率の問題もあり、2017年から麻疹が世界中あらゆる地域で激増しているとWHO報告updated disease modelling data。推定で11万人の死亡例が出ている。
  • 2000年以来の17年間で2100万例以上の生命がワクチンで救われたが、症例数は2016年以来で30%も増加した。特に増加が激しいのが米大陸・東地中海・欧州(The Americas, the Eastern Mediterranean Region, and Europe)管轄域。唯一西太平洋(Western Pacific )でのみ減少した。
  • 麻疹の急増は極めて憂慮すべき事態で、なかでも、排除に至った国、もう少しで排除に至る国での増加に憂慮。いますぐ、ワクチン接種率をあげる努力を緊急におこなわなければ、そして接種がせきない年齢の子供たちを認識しなければ、何十年にもわたってやってきた努力が水泡に帰しかねない。
  • ここ数年、ワクチン接種率は85%近辺で停滞してきた。これはアウトブレイクを防ぐのに必要な95%よりはるかに低い数字。
  • 欧州における陰謀論や誤った理解、ベネズエラにおける保健システム崩壊、アフリカにおける静寂性と低接種率が相互して世界中の麻疹増加に関与している。いまの戦略を変えねばアウトブレイクからアウトブレイクへもぐらたたきを続けねばならなくなる。
  • 最近のアウトブレイクに反応してゆくなかで、ワクチン接種に持続的な投資をおこない、ルーチン接種への努力をおこなってゆくことを呼びかけ。戦乱地を含めた貧困地に焦点をあてて。
 昨年も今年も、輸入例の発生が大きなニュースになった日本ですが、WHOの西太平洋(WPRO、日本が含まれるエリア)は世界唯一の減少エリアということで、つまり、世界の状況はさらにもっと輪をかけて深刻であるということです。
ワクチン自閉症説に首肯する大統領がいる国、反ワクチンとなえる党が政権をとってしまった国、入れ炭いれがなり立てる反ワクチン団体の国、、、少なくともそういう事象がない日本なのに、それなのに、接種機運がもりあがるとワクチン不足が明らかになってしまう日本、なんとかならないかなあ・・・

 

  

http://outbreaknewstoday.com/measles-cases-increased-30-percent-worldwide-2016/?fbclid=IwAR2ZtgVBVRJWmugO3xgAtAgVlDhPe5YOiommUT2TnG5_jBAo2HFkkOURdaY

Measles cases increased by more than 30 percent worldwide from 2016: WHO

November 30, 2018
 
 

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12月2日(日)のつぶやき

2018-12-03 06:47:22 | ツイッター(自動転送)

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