今回は、「憧れのオリエント急行で行く、ジュネ-ブ・べニス・パリ8日間」ツアーで欧州に来ています。連日晴天に恵まれたツアーも無事終了し、今、パリ発全日空機内にて書いてます。最終日の今日はべルサイユ宮殿に行って参りました。
宮殿二階に入るとすぐに目に入るのが王室礼拝堂。かつて遠くウィーンより輿入れしたマリー・アントワネットとルイ16世の結婚の誓いの儀式が行なわれた場所です。一人異国に嫁ぎ、不安な気持で儀式に臨んだ僅か15歳の少女は、たどたどしくも長たらしい自分のフルネームを結婚証明書に署名をするのです。マリー・アントワネット・・・・・ドゥ・ハプスブルク。
その時でした。大勢の貴族に見詰められる中、緊張のあまり彼女はインク壷を倒してしまったのです。結婚証明書に拡がる黒いシミ。証明書の書き直しは許されません。見て見ぬフリをする列席者たち・・・・やがて革命の嵐に翻弄され断頭台の露と消える、フランス史に名高い悲劇のカップルの誕生の瞬間でした。
時が流れ、彼女がコンコルド広場で処刑された時、人々の胸にはあの結婚証明書に拡がった黒いインキのシミの記憶が蘇りました。「最初から祝福されない結婚だったのだ・・・」と。こうしてみるとブルボン王朝の統治とは・・・ルイ14世が絶対王制により富を築き、ルイ15世がその富を消費し、ルイ16世がその罪をあながった・・・百年であったとも言えるのではないでしょうか?
ほろびゆくものは美しい・・・私たちの心に壮大なロマンが拡がります。
私のような商家では皮肉も込めてよく言います。「創業者が築いた財で、二代目が贅沢をして、三代目が使い切り、やがて消えてゆく。」これで約百年ちかく。商売の、人のサイクルとはそんなものです。
だからこそ、続けることが難しく、継続は力なり等と云う所以です。久しぶりでも、感慨深いメールでした。
私が且つて、行った、ベニス→フローレンス間のオリエンタル急行 で、車内のマホーガニーの壁、調度品、ベッドのからくり等感激したのを憶えてます!
又、ベルサイユ宮殿内のどの館を見ても、想像絶する豪華さに感動し、それから、マリー・アントワネットの本を読み漁りました。そして、パリへ行ったとき、シテ島内の牢獄にも行きました。もう二度と行けないと思いますので、本当に今となっては、良い思いでが沢山あって幸せに思ってます。
旅って、私みたいに病気にかかった者には、思い出だけを残してくれる貴重な体験なのですから、一日も早く戦争を止めて、安心して世界中に旅行が出来るよう願ってやみません・・・・・