治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

白くま母さんより読者の方への手紙

2010-05-21 07:05:55 | 日記
この度は、大地の手紙の感想をありがとうございます。○○さんも辛い思いをしながら今日まで来たのですね。

○○さんの胸の内を思うと、私も何とも言えないせつない気持ちになります。

でも、○○さんほど大地は難しくは考えていないと思っています。

大地は出版する前から、批判的な意見が出る事を解っていました。親として…心配だったので、きっと嫌な思いをするだろうときちんと話しました。

それでも、あれが本になる事が必要だと自分で選んだ道なんです。だから本に対しての批判は彼にとっては想定内だったと思います。

でも、自分の本が批判されることで、応援してくれる知らない人たちが悲しむことまでは彼はもちろん私たち親も考えていませんでした。

B君のお母さまの涙に大地は心を痛めたようです。B君のママだけではないですよ。出版以来、たくさんの読者の方たちからご意見が届いています。

障害児を授かった親たちの気持ちを考えたのではと思います。

「修行は人間ならみんながすること。」そのように教えてもらっているので、ご飯を食べること。学校に通うこと。日常の生活すべてが修行だととらえています。

それが、明日へ向かって…将来へつながる道だと思っています。

大地が育っている環境は、自閉圏のこどもだけではなく、実に様々な障害や疾患を抱えたお友達がいます。

8年間の彼の人生で、成長を待ってやっと出来るはずの手術を目前に天国に行った子、「みんなと一緒に走りたい。」と泣いた子。

数分前まで一緒に遊んでいたのに…目の前で車にひかれ、長い植物状態の後に一度も学校に行けずに天国に行ってしまった子もいます。

そんな子たちが、一生懸命に生きてきた軌跡を彼は彼なりにしっかり受け止めています。

「修行は必要ない。」「今は修行出来ない人がいる。」といわれることは、障害や疾患を抱えたお友達が人間扱いされていない気持ちになったようです。

障害がある自分たちの未来まで否定された思いだったのだと思います。

私は大地には「修行って、何なのか…わからない人がいるんだよ。」と説明しました。それをどう捉えたかは解りません。

気がつけば、自分にも障害があり、差別的な対応を受けたり、そんな言葉を何度となく言われてきました。

障害を持って生まれた子も疾患を抱えた子も…大地にとっては未来へ向かって生きるお友達です。

子供にとっては障害の重さや、不便の具合など関係はないのです。単純に困難を抱えながらも共に生きる仲間なんですよ。

大地も8歳の普通の子供です。やっぱりお友達と一緒がいいのです。みんな一緒がいいのです。

今の支援級は困難な事を抱えても一緒に生きていく事を教えてくれています。

障害児の親として…どの子にも明るい未来が待っていますように。

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