治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
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メイキングオブ『藤家寛子の減薬記』

2018-12-22 05:10:57 | 日記
お待たせいたしました。
『藤家寛子の減薬記』出ました!




昨日は早朝にこの本をアップロードしました。何かテクニカルチェックをしてそれがショップに並べられるまでは数時間から数十時間かかるようです。というわけでお昼過ぎに見てみたらすでに売り出されていました。急ぎ自分でもダウンロードしてささっと読んだあとツイッターに情報を上げました。

それから四時近くまでスマホを見ない時間帯でした。そして四時に見たらすでに大久保さん@役に立つ方@函館てらっこ塾の書評がアップされていました。



はやっ!
これが電子書籍のひとつの醍醐味です。
と同時に一読して大久保さんの書評は本当に貴重だと思いました。
というのは大久保さんは薬が多用されていた自閉症支援の専門施設で当事者の方々と寝食を共にしてケアした経験の持ち主だからです。時間通りに薬をのむよう取り計らうのも当時の大久保さんの仕事のひとつだったのです。薬の名前ははっきり覚えていて当然でしょう。そしてその同じ薬を藤家さんは本の中に明記しています。
大久保さんは、入居者の人たちに見た薬の効果と逆効果をはっきり書いてくださっています。
そして当時大久保さんがケアしていた「強度行動障害」と呼ばれる人たち、知的障害の重い人たちと藤家さんが同じような薬を処方されてきたことに驚いています。
それだけ藤家さんも問題を抱えていた、あるいはそう当時の主治医(十代の頃の)に判断されてきたということであり、今の藤家さんに会ったことのある人にとってはそれ事態が信じられないし、「治った」という証拠だと思います。

私が今回藤家さんに減薬記を書いて、と言ったのは藤家さんが減薬のために一ヶ月休職したのにびっくりしたからです。
減薬がそんなに負担がかかるものだとは知りませんでした。
そしてどうしてそんな思いまでして減薬に踏み切ったのか知りたいと思いました。
でも考えてみるとそもそもなぜ薬をのみはじめたのかも実はよくわかっていません。
わかっているのは藤家さんは長い間薬をのんできて、それを減らすために休職までして、一ヶ月後にはずいぶん健康そうになったということです。

最近は、自閉症を以前から見ている病院では薬をあまり出さず、ブーム(?)に乗っかって新しく手がけるようになった病院や医者はバンバン薬を出すそうですね。
それは杉山先生とかの啓発の成果かもしれません。
でも藤家さんが最初に呈したのは精神症状で、当時は発達障害だということもわかっていなかったし(というかあまり発達障害が知られていない頃だったし)、どんどん強い薬を出されていたのですね。

原稿をもらって最初にショックを受けたのは睡眠剤のところでした。
最初に藤家さんが睡眠剤をのんだときの衝撃は、私が睡眠剤に抱いていたイメージと全く違いました。
たとえば酒を飲んだ帰り道の武勇伝は首都圏の人、色々ありますよね。そういえば関西の人からはあまり聴かないのですがそれは土地勘が違うからでしょうか。首都圏ほど電車乗り入れが多くないからでしょうか。関東の人間が交換する武勇伝の一例として、たとえばこの前榎本さんは横浜の帰りに東京を通り越し川越まで行ったそうです。
その他「気づけば中央林間」「高尾」「箱根湯本」等の話はよく語られますし、私はまだ乗り入れしていなかった頃の東横線桜木町渋谷間を純粋に二往復したことがあります。今なら起きたら東武動物公園だったかもしれません。酒っていうのはそれだけ気持ちよく眠ってしまうもので、睡眠剤もそういうものかと思っていました。

全く違いました。
あるいはそれが発達障害の人の脳が薬に対して過敏だということかもしれませんが。
睡眠剤による眠りにつきかたは、ショッキングでした。
それでもそれを服用しなければいけないという現実。
そして今なら、身体アプローチがそれに取って代われます。

そして今回改めて知ったのは、藤家さんの長い服用歴の最初は胃薬だったということ。
たしかに消化器官の弱い人でした。
今知られてきた栄養療法も、消化力のない人は効果が出る前に消化力を上げなくてはなりません。
そしてその消化器官の未発達がタンパク質不足によるものだということが、今回私たちが手に入れた画期的な知見だと思います。

本の中に出てきますが、眠剤で眠っていた藤家さんは家族と同じ時間に起きることができませんでした。
お母様はそんな藤家さんのために仕事に出かける前おにぎりを作っておきました。
日本の母のやさしさですよねそれが。そこでおにぎりを作るのが自然。
でも栄養療法が判明した今ならおにぎりじゃないかもしれません。
ゆで卵かもしれませんし、花風社クラスタのお母様達が最近手作りしているプロテインを使ったチップスやバーなどかもしれません。
子どもというものはどうしてもお菓子を食べるから、ああいうものを手作りする花風社クラスタのお母様達すごいな~お子さんは幸せだなあと思うのです。
そして藤家さんのお母様はお嬢さんの養生に心を砕いてきた方なので、きっと当時この知識があったらすごく頑張ったと思ったのです。
ツイッターでレシピを交換できる今の時代は本当に幸せだと思います。


今は睡眠も消化器官の問題も、広義の身体アプローチ(含栄養療法)でなんとかなる時代になりました。
一方で藤家さんも中で書いていますが、向精神薬のバリアが下がってきています。
発達凸凹のお子を持つ親御さんたちにも、わりとあっさりと処方されたりしていますよね。
そして藤家さんは医薬品を販売する側になりました。資格も取りました。
勉強すればするほど、薬は減らした方がいい、と自覚して休職してまで減らしたのですね。
そして職場で十分な実績を積んでいたから、快く養生生活に送り出してもらえたし、復帰も歓迎されたのです。
職場において最大のサバイバルスキルは「仕事ができること」です。
仕事ができる人には職場は優しいですよ。
これも覚えておいてくださいね。
減薬のために休職して復帰を歓迎された。
これも藤家さんが一生懸命生きてきた一つの成果であろうと私は思っています。

ともかく、貴重な情報の詰まった本です。
薬を飲み続けてきた本人がまとめてくれたのですから。

薬をのんでいる人。お子さんにのませようとしている人。
医療関係者。支援者。
色々な立場の人が学べる本です。
問題行動の見られる児童生徒に安易に薬を勧める教師がいたら、ぜひこれを突きつけてやってください。そういう風にも使える本です。

『藤家寛子の減薬記』
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『藤家寛子の沖縄記 治ってよかったの旅』もよろしくお願いいたします!




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