治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

告知なう。

2010-10-01 08:12:27 | 日記
いやいや、前回のエントリーは反響大きかったです。

まあ告知の問題って、専門家でも意見の分かれるところで
私もこの10年、さまざまな専門家の意見を伺ってきました。

でも、支援級に学ぶ小学生の友だちがいると、子どもの間だけで流通する情報に触れるので
ちょっとそれを書いてみたんですけど

「なぜ支援級にいるのかわからなくて戸惑っている」という事実に思い当たる節があったお母様もいるようで

即日告知なさった肝っ玉母さんもいらっしゃいました。

うまくいったみたい。
お子さんもすっきりしたみたい。
どうして支援級でお勉強しているのか
理解できたみたい。

よかった。

と思いつつ「これからいいほうに向かうといいな」と思っていたら
藤家さんから次号の「自閉っ子通信」に載せる原稿が送られてきて
それに綴ってある近況を読んで、どばっと涙が出て

ああ、大人になってから告知された人でもここまで自力で幸せをつかんでいるのだから
小さいうちから「なぜ支援級にいるか」今日初めて教えてもらったお子さんは
きっと明るい未来を送るだろうと、心から思えました。

支援級でお勉強する。
「児童精神科」っていうところにつれていかれる。
薬を処方される。

親の見ていないところで
「ジヘイショウ~」とか囃されてる(かもしれない)。

それでいながら理由を教えてもらえない。

まあ、察するにかなりきつそうですね、これ。

社会に対しては「自閉症を理解してください」と啓蒙活動に熱心な方々が当人には障害を知らせない。

って不思議な光景だったりします。

それにASDの人たちって、実は「事実を事実と受け止める力」って私たちよりあるもんね。
修行の目的と意味がはっきりしたほうが取り組める。

この私の意見にも当事者・保護者・支援者の方々から「そーだそーだ」の声をいただきました。

で、昨日。

またうれしいお知らせ。

私のブログを親子で読み→告知

という流れになった方がお知らせをくださいました。

支援級にいる意味を知り
そこでお勉強する意味を知り

前向きにやっていこう、と親子で同意ができたようです。

書いてよかったです。

今度の大地君の本には、告知の話がたくさん書いてあります。

診断したのはもちろん医師。でも告知したのは特別支援教育コーディネータの先生でした。

先生が大地君に書いた告知の手紙を読むと、涙が出てきます。

大地君もぼろぼろ泣いたそうです。

今も大事にとってあって、ときどき見ているそうです。

大地君に障害名を知らせ
そして明るい未来へ向かおうと励ましている告知です。

大地君だけではなく、同じクラスにいながら親御さんが告知をためらっているお子さんたちへの配慮もされた上での手紙です。

10月16日に北海道で

大地君に告知をした担任の先生と私がお話します。

告知の問題について、たくさんおききしたいことがあります。

もう一つおききしたいのは、「修行」について。

大地君はいつも話してくれるんです。
「僕の友だちは、しゃべらない子でも、足が動かなくても、みんな修行している。人間はみんな修行しているんだ」って。

先日のマラソン大会のときのエピソードでもわかるように
「その子に応じた修行」のアセスメントが
上手な学校なのかな、と思って。

楽しみです。

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