治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「なぜ治ったのか?」がわかると再現性が確保できる

2018-05-02 08:52:30 | 日記
NHKの番組は、むしろ『感覚過敏は治りますか?』の売り上げに貢献してくれたのではないでしょうか、っていうほどこの二日間また注文がたくさん。

「感覚過敏は治るのか?」と問われれば「治った人はたくさんいる」と答えます。そして送り出ししていて気づくのは、治った人もたくさん本を買ってくださっているとのこと。もう治ったからいいじゃん、という考え方もありますが、すでに治った人がこの本を読むと「なぜ治ったか」が明瞭にわかると思います。そして治る人をみてきた支援者がこの本を読むと、「ああ、あの人が治ったのはだからだったんだ」とわかると思います。そうすると、再現できます。ギョーカイは再現性再現性うるさいわりには「なぜ治ったか」の研究をしない。それは神田橋先生も指摘してきたところですが、まず治さないから例がいないだろうし、それに治って自分から離れていく人にはとっても冷たいですからねギョーカイは。

先日も「治っている人はたくさんいるんだけどなぜ治っていくのかわからないので再現できない」という方がいましたが、それがこの本の登場でがらっと変わると思います。

さて、かつては風が痛かった藤家さんが今回書評第一号でした。この人こそ本当に、一人称で感覚過敏を語れる人。そのつらさも、そして治ることも。



藤家さんはNHKの番組を見て、「気持ちはわかる。通り過ぎてきた道。でも全部治るから」とかつぶやいていましたが、そうしたらフォロワーがごっそり減ったそうです。みんな何を期待していたんだろうね。まだ風が痛いこと? ブログに書いてあるとおり、今は鋭意自らの意思で医師の厳密なガイダンスのもと減薬中ですよ。こうやって少しずつ少しずつ支援を外していっている。

彼女の場合はまさに、栗本さんに出会う前にすでに感覚過敏は治っていたのだけれど、今回栗本さんが書いてくれたことで「なぜ治ったのかが自分でわかった」のですね。すでに治っても本を買ってくださった皆さんも、ご自分の、あるいはお子さんの、あるいは支援している方が治ったのはなぜか、これではっきりとわかり、そして他人に伝えやすくなることでしょう。

『感覚過敏は治りますか?』


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