治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

自閉症は増えたほうがいいか減ったほうがいいか

2012-05-19 10:15:00 | 日記
私にとってはどっちがいいだろう?
市場の大きさ=収入と考えれば
私個人の利益を考えれば、自閉症の人の数は多ければ多いほどいいことになる。

でも社会全体にとってはどうだろう?
すでに支援校満杯→重度の子の居場所を奪う
などという問題が起きている。
すでに目の前にいる自閉症の人への生涯にわたる支援を手厚くするためにも
社会全体のためにも
減ったほうがいいだろう。

そういう大義の前に
私個人の利益など取るに足りないこと。
自閉症の人が減れば
あっさりと他の分野を探すか、生活を縮小すればいい。
既存の市場の存続に血道をあげることではなく
大義を優先させて仕事をする先にこそ新たな世界がある。
私はそういう考え方をする人間だ。

血液検査で自閉症が早期発見できることの意味は大きい。
言葉の遅れが発覚する前からわかるのだ。
言葉の遅れがない子も早期にわかるのだ。
そうやって介入していけば
本人もラクになり、社会的コストも減る。

だから「予防」を目的とした研究が進んでいるとき
それを世に知らしめる動きがあったとき
それに突っ込みを入れる人の気持ちはわからない。

自分勝手なんじゃないのかな?

でもそうじゃない人々もたくさんいるのだ。
すでに自閉症の人を抱えている家族にとって
「予防」の手段がわかっても得るものは少ないかもしれない。

それでも家族ぐるみで研究に協力し
血液を提供している方々もいる。
次世代のために。

「そういう研究をされると自分が傷つく」
「そういう発表をされるとまた世間から非難される」

と「自分の気持ち原理主義」になる前に

そうやって社会全体のために協力を惜しまなかったご家族がたくさんいらしたことを
どうか思い出してください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

あと二日。思い切り応援します。