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鞆の浦景観訴訟

2014-08-22 08:25:56 | 日記
鞆の浦景観訴訟
鞆地区の公共施設は老朽化、道幅は狭く、交通の便も悪く、さらに観光客の増加で交通渋滞に悩まされる住民の不満も大きかった。しかし、歴史的景観の保存を望む声も多く、2007年4月、埋立計画に反対する住民は県を相手どり、工事の「差し止め訴訟」を起こした。架橋と広い道路ができると、かえって交通量が増え、生活環境が脅かされると主張し、反対派住民は、山側にトンネル道路を造ることも提案した。
 開発と景観をめぐる裁判として注目された「鞆の浦景観訴訟」は、広島地方裁判所で審理され、2009年10月、裁判所は反対派原告住民の訴えを認め、工事着工を差し止める判決を出した。鞆の浦は「国民の財産」であり、「その恵沢を日常的に享受する住民の景観利益は法律保護に値する」とし、道路は改善の必要性があると認めながらも、原告住民の山側トンネル案を支持した。主文でも「埋立計画の調査・検討は不十分で、合理性に欠くもの」と県・市の主張を認めなかった。工事着工の手続き段階で、景観保全を求める地域住民の訴えを認め、行政に差し止めを命じたという判決は全国初で、今後の様々な開発型公共事業への影響は大きいと見られる。県は判決を不服として、控訴した。
 2009年11月に行われた広島県知事選挙で当選した湯崎県知事は、11月30日の就任記者会見で「橋を架ける架けないの前提を一度置いて、地域のために何をするのがベストか、早急に議論を進めたい」と、現在推進している事業計画を事実上見直す意向をしめした。ただし、現在進行している裁判について控訴を取り下げるか否かを態度は表明していなかったが、2012年6月22日、湯崎知事は架橋計画を中止する意向を固め、鞆の浦地区の景観に配慮して山側にトンネルを掘って道路を整備する意向を固めた。






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