先ほどのミズキ、そしてその前のアザミは万葉や古今、新古今には詠われたものを思い出せなかったのですけど、こちらは大スターです。
万葉にも、古今、新古今にもたくさん詠われています。
その中から、今日は新古今集から二首
かくてこそ見まくほしけれ万代を
かけてにほへる藤浪のはな
延喜御歌 2ー163
「これには「飛香舎にて 藤花宴侍りけるに」と出ています。
この飛香舎(ひぎょうしゃ)とは大内裏後宮五舎の一つで、藤を植えて藤壺といったそうです。
天暦四年三月十四日 藤壺にわたらせ給ひて はなをしませ給ひけるに
円居してみれ共あかぬ藤浪の
たたまくをしきけふにおある哉
天暦御歌 2-164
藤は藤原氏の象徴してもてはやされたのですね。
ミズキ;
ミズキ目、ミズキ科、ミズキ属、ミズキ なんとさっぱりした区分ですよね。
今、東京からアクアラインを抜け、丘陵に入るとあちこちでミズキの花が咲いています。
周りの新緑の中にひときわ大きな木が花をいっぱいに咲かせているのを見るとあぁ、初夏になったのだなって心が躍ります。
ミズキは10メートルから20メートルくらいになる高木。それが細く伸びるのではなく、横へ広がるような枝を伸ばして大きくなりますので、花をつけているとほんとうに大きな花の木という感じがしますよね。
図鑑によると、この時期のミズキの枝は、切ると水が滴るほどに水を含んでいるそうで、それがミズキの名前の由来になりましたそうです、、、、
先ほどのアザミと同じで、この木も大和詩にはあまり詠われないかわいそうな木です。
これまた、先日の多摩川散歩の残り物。
残り物はこれで終わりです。
薊は今頃から秋のかなり遅い時期まで咲いていますけど、多分同じ種類ではないのでしょうね。アザミはアザミという和名を持つものはないのだそうで、なんたらアザミ、かんたらアザミってことになるのでしょうが、けっこう種類も多いみたいだし、いまだに新種が見つかっているって物の本には書いてありました。
不思議。多摩川の散歩の折にも、今日のいすみの散歩のときにも、アザミはたくさん咲いています。時期も長い、それなのにまだまだ新種が見つかるほどに研究されていないのでしょうか、、、、
不思議。これだけ普通の花なのに、万葉にも古今にも、新古今にもアザミを詠った詩の覚えがないのです。(もしありましたら教えてください)
老爺心から一つご注意。
アザミを食用にすることがあります。山ごぼうなんて呼ばれるそうですが、これはモリアザミなのだそうです。
ところがほんもののヤマゴボウはアザミ(キク科)とは違うヤマゴボウ科で、有毒なのだそうですので、、、