夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

ピアニストという蛮族がいる

2006年09月06日 11時07分57秒 | 芸術・文化
私の友人たちにはとても多彩な人が多い。ろくろと格闘している陶芸家の癖にグールド命なんて(内股に刺青まではしてないよな)のたまわりながらピアノを弾いている人。娘1、娘2ってどこかの置屋のお上みたいな母親がルービンスタイン大好きだったり、なんて話が飛び交うとピアノは本棚ですっていう占い師が現れたり、友人以外にも手を広げるとピアノだけでもあきれるほど人がいる。
その友人の一人が、ちょうど昨日ピアニストの話をしていてこの本を思い出した。

このところ私の友人たちの日記を賑わしているピアニストたちのことがほとんど出ている。裏話、結構面白い。

私はルービンスタイン派でホロビッツは義理の父の七光りで出てきた人位にしか考えていないけど、この二人の確執が最初の話題。抱腹絶頂でもその笑いの中にピアニストのイメージがきちんと捉えられているというのが見事だなって思う。
この調子でラフマニノフやランドフスカヤ、コルトー、パデレフスキーなどの巨匠たちやグールド、ミケランジェリなどの逸話を紹介している。

ところでホロビッツ。私の最初のレコードがなぜかルービンスタインではなくホロビッツだった。そして彼の最後のさよなら、これはブログにも書いたけど、ミスタッチが些細なこととして気にならないほどに気持ちのあふれた素晴らしい演奏だった。招待券を2枚もくれたK音楽事務所に感謝。


ピアニストという蛮族がいる

文藝春秋

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秋日 耿湋 そして 秋たつと人は告げねど

2006年09月06日 00時13分56秒 |  漢詩を長崎弁で
返照入閭巷
憂来誰共語
古道少人行
秋風動禾黍
   秋日 
   耿湋

夕日に照らされたこの小さな村
心に満ちた憂いを分かつ相手もなく
人影もない田舎道には
秋風が稲を揺らしているだけ



夕陽の中のこん小ちゃか村には
心の憂さを分ける人もおらん
人影もなか道には
秋風が稲を揺らし取るばかり


中国の詩が面白いのは自分の言葉で置き換えられるからかな?


秋たつと人は告げねど知られけり
   山のすそ野の風のけしきに
          西行

これだと変えようがないから。