教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

都合のいい時だけ憲法9条を持ち出す政府とメディア new!!

2012年02月20日 15時05分02秒 | 国際・政治
  都合のいい時だけ憲法9条を持ち出す政府とメディア

 ペルシャ湾有事の時に日本はどう協力すべきか。

 これについて野田政権が検討をはじめた、という記事がさかんに
流されるようになった。

 たとえば2月19日の朝日はこう書いている。

 「軍事衝突が起きた場合日本政府は基本的に『対米関係という観点
から協力すべきことは協力すべき』(外務省幹部)、との立場。目に
見える形で協力しなければ『日米同盟にひびが入る』(首相周辺)と
の懸念がある。そこで想定されるのが海上自衛隊の掃海艇による機雷
除去だ・・・ただ紛争中は憲法が禁じる海外での武力行使にあたる
ため紛争が長引けば掃海艇は活動できない・・・国際社会の要請で
補給支援活動が取り沙汰される可能性もある・・・米国のアフガン
攻撃の際に米軍艦船などに燃料を提供した後方支援が典型例だ。
だがこうした活動には法的裏づけとなる特措法が必要・・・ねじれ
国会で野党と協力して成立させるのは容易ではない・・・」

 たとえば2月18日の読売はこう書いている。

 「・・・政府が主要な検討対象としているのは、自衛隊による機雷
除去と、ホルムズ海峡封鎖時にタンカーなどの護衛や機雷除去にあた
る艦船への給油など後方支援だ。
 ただ、政府は、自衛隊が機雷除去に参加する場合、イランが交戦
状態に陥っている間では、憲法の禁じる海外での武力行使に該当する
可能性が高いとみている。このため、日本から掃海艇を派遣するのは
紛争終了後となるとの見方が今のところ強い・・・」

 オイオイ。いつから政府やメディアは護憲派になったのだ。

 ねじれだから特措法成立が困難だとは笑わせる。

 これは消費税問題ではない。

 民主党も自民党も日米同盟最優先では完全に一致している。その
気になればいつでも自衛隊を派遣する法律など作れる。

 これらの記事を読んだ善良な一般国民は、憲法9条を守ろうとする
政府はやはり慎重にならざるを得ないのだろうと思うに違いない。

 その一方で政府・民主党を信じない護憲論者は、必ず政府・自衛
隊はそのうち理由をつけて自衛隊を戦闘地に派遣するに違いないと
警戒心を忘れないだろう。

 どちらも間違っている。

 ホルムズ海峡に有事がおきればそれは米国とイランの戦争を意味
する。

 そんな戦いに日本が米国を支援してのこのこペルシャ湾に自衛隊
を派遣しようものなら、たとえそれが掃海艇であれ補給艦であれ
護衛艦であれ、犠牲者を出す。そのリスクはイラク戦争の比ではない。

 そんな危険を政府がおかすはずはない。防衛省が了承する筈はない。

 米国に頼まれても派遣できないのだ。

 憲法9条に違反するから派遣しないのではない。

 犠牲者が出るから派遣しないのだ。

 政府・自衛隊は都合が許せばいつでも憲法9条を踏みにじってきた。

 憲法違反の法律を平気で作ってきた。

 憲法9条とは関係なく、危ない所には決して政府・自衛隊は派遣
できないのだ。

 それに、よく考えてみればいい。

 米国とイランが戦争を始めれば国際貢献どころではない。

 世界が大混乱するのだ。自衛隊派遣どころの話ではない。

 政府とメディアは都合のいい時だけ憲法9条を持ち出す。

 そんなごまかしを言うのではなく、何があってもホルムズ海峡有事
を起こしてはならないと、米国とイランに言い続ける事だ。

 それが彼らのなすべき唯一のことである。

                             了

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2012年02月20日

今上天皇のもとでは憲法9条を変えることはできないということだ

      
                                                            
  昭和天皇の心臓バイパス手術に関する報道の中で私が最も注目した
記事がこの記事である。

 2月19日の東京新聞にノンフィクション作家・保阪正康氏が「陛下が
求める『天皇』」と題して手記を寄せている。

 手術が滞りなく行なわれたとの医師団の発表に接し、もとより私(保阪氏)
も安堵とひとしおの喜びの感を持つ国民の一人であると前置きの上、
国民には陛下に対する二つの思いがあると保阪氏は次のように書く。

 すなわち、ひとつは78歳の陛下が老いからくる肉体的疲労にもかかわらず、
公務に取り組んでいることへの畏敬の念であり、もうひとつは、陛下は近代
の歴代天皇とは異なった天皇像を模索されており、その天皇像を歴史に
刻み込もうとの意思が感じられ、そこにも国民は畏敬の念を持っていると
思う、と。

 そして保阪氏は、この後者の畏敬の念こそ、私は極めて重要な意味を
持っていると考えるとして次のように続ける。

 明治天皇は君主制下の軍事主導体制を目指し、大正天皇は君主制
下の非軍事体制を企図しつつも、当時の政治、軍事指導者たちは軍事
主導体制の国益を求めた。昭和天皇は、君主制下の軍事主導体制を
追認したが、その崩壊後は、君主制下の民主主義体制を忠実に具現化
しようと務めた。

 すなわち歴代天皇のそれぞれの意思の中には、天皇を主権者とする
君主制を前提としての政治体制の選択があったのである、と。

 現天皇は、こうした形を逆転させて、「民主主義体制下の君主制」を一貫
して求めている。即位時のお言葉から始まり、記者会見などで明かされる
その真意は、すべてこの点に集約されている、と。

 私がもっとも注目し、かつ強い共感を覚えるのはその後に続く保阪氏の
次の言葉だ。

  「・・・それは昭和天皇が背負われたあの戦争についての自省の感情を、
自らの代の教訓にしての言動」のあらわれである、と。

  「推測が許されるならば、陛下はみずからが考えている民主主義下の
君主制、つまり象徴天皇のありうべき姿は、いまだ十分に完整(ママ)された
とは考えていない。あるいは、道半ばとの思いがあるのかもしれない。自ら
の年齢から来る老いと闘いつつ、公務に精を出すこと、その姿を通じて
皇太子殿下をはじめとして、この時代に生きるすべての人たちに自らの信念
を訴えられているのではないか。私は、陛下のその姿に、素朴な信頼感と
安定感を感じ、その理解がなおのこと広まるように祈念するのである」、と。

 見事な推測だ。

 僭越ながら私もかねてから保阪氏とまったく同じ思いを抱いてきた。

 天皇制を否定する者ならいざしらず、明仁天皇がご健在である限り憲法
9条を変えることは誰にもできないということだ。
                                        了

<label>引用元http://www.amakiblog.com/</label>
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