本澤二郎の「日本の風景」(4850)

<諸悪の根源・小選挙区比例代表制を見直す時期到来!>より、転載させて頂きました。

 この国の政治は極端に民意が反映されないため、極端な右翼神道政治が表面化して、全てが坂道を転げ落ちている。現行の小選挙区比例代表制こそが諸悪の根源である。杉田水脈という安倍好みの女性が、ただそれだけで国民の代表になるという信じがたいことが最近になってわかった。この一件を例示するだけでも悪法であることが理解できる。

 深刻なことは、比例して言論界が衰退しているため、この悪法が今も存在している点だ。「派閥解消」を大義にしたものの、派閥は塹壕にもぐってかくれんぼしていたが、昨今は公然と金集めから派閥人事が横行している。しかも、言論の自由が崩壊して、自民党までが共産党や公明党のような不自由な政党に落ち込んでしまった。

 

 43兆円の戦争準備始動にも、与野党とも徹底的に議論し、阻止しようとしなかった。全政党が財閥・軍需産業の奴隷のようになってしまった。武器を放棄した非戦の憲法を真っ向から冒涜して恥じない。

 

 国権の最高機関が極右内閣に服従し、司法権が高見の見物をしている。「二大政党化による政権交代」も野党分散化に忙しい。現役組で一番責任を問われているのは、小沢一郎であろう。猛省して中選挙区制に戻す責任がある。民意が反映する制度にする重責を果たすことが、政治家の責任ではないか。強く指摘しておきたい。石井一を見習う義務があろう。国破れて小選挙区制ありか。

 

<強行した時の首相・細川護熙はボケたか?>

 小沢や当時の新聞テレビも小選挙区制に踊った。結局のところ、小沢の傀儡政権のような細川護熙内閣が、当時の自民党総裁の河野洋平と、衆院議長の土井たか子を共犯者に巻き込んで強行した。いまの民意が反映しない、腐敗し放題の極右政治が現出した。「小選挙区制は腐敗を生む」(エール出版)を読め、といいたい気分だ。

 

 30年ほど前からだ。日本という国は、そのころから一気に衰退過程に突入した。資料・データが証明している。特に10年前の第二次安倍晋三内閣からの落ち込みがひどい。イカサマのアベノミクスは、いうなれば国民を奴隷にしたことだった。ゆでガエルの日本は、今だけカネだけ自分だけの為政者群が乱舞する社会になってしまった。

 

 最近選挙制度について議論する国会の場に、河野洋平と細川護熙が呼ばれ、現状について意見を求められた。河野は比例制について問題がある、と認めた。選挙区で落選した候補が当選するという非合理な、誰もが間違っていると感じている点について国民と共有した。

 ところが、細川は今も問題はないと開き直った。小選挙区比例代表制を強行した時の最高責任者として、諸悪の根源との認識に反論した。

 「細川はぼけてしまったのか」と感じてしまった。焼き物にこだわる生活が影響したものか?殿様の家系が災いしたものか。浮世離れか。意外だった。人間は誰も出自と関係している。庶民と閨閥社会で生きてきている人間の思考は違うのであろう。

 

<元自民党幹事長・山崎拓が「選挙制度の見直し」を力説>

 過去においてYKKと称された自民党3人組が存在した。加藤紘一・山崎拓・小泉純一郎だ。加藤が宏池会、山崎は中曽根派、小泉は福田派清和会の3人組は、カラオケをしたり、食事をしたりして政権獲得を目指した。可能性の一番手が加藤だったが、目的を達成したのは小泉。神道政治連盟の清和会の森喜朗が自民党右翼勢力を束ねて、小渕恵三の後継を手にした。その森の後継を小泉がそっくり懐に入れて悲願を達成した。

 

 加藤に賭けた山崎は今、小選挙区制下の自民党と公明党の連立に厳しい見方をしている。「自公連立で自民党の後援会組織はがたがたになってしまった。野党に国民受けするリーダーが登場すれば、自公は負ける」と厳しい。

 日本の政治・政治家の劣化は、小選挙区制下の自公連立とも決めつけている。平成の妖怪・中曽根康弘の薫陶を受けてきた山崎らしい分析は、確かにその通りだろう。

 よって諸悪の根源は小選挙区制にあり、直ちに見直せ、である。月刊日本7月号のインタビューで快音を飛ばしている。

 

<平沢勝栄は公明党の支援はいらない!>

 同じ号で安倍の家庭教師で有名になった平沢勝栄も声を上げている。彼は、劣等生だった安倍が政権を担当したことが災いして、とことんといっていいくらい人事でいじめ抜かれた。その分選挙で苦労し、足腰を鍛えた。

 政界引退後に自由の身となった時点で、安倍についての秘事を語らせると面白い本が誕生するだろう。平沢は「公明党の応援がなくても選挙は勝てる」と胸を張った。

 そして「小選挙区制を改正せよ」とも力説する。正解である。

 

<岸田の後見人・古賀誠も選挙制度を改めよ、と叫んでいる>

 この同じ雑誌で、岸田の後見人の古賀誠も、岸田の極右政治路線に衝撃を受けていたが、そのことからも小選挙区制批判を口にしていた。

 自民党OBは、政界を引退し、やや客観的に判断できる地位から、30年の小選挙区制度を振り返りながら、政治の劣化原因だと認識している。元社会党委員長の村山富市は、なおさら小選挙区制に怒りを覚えているに違いない。この雑誌の主宰者である亀井静香は「日米安保を破棄せよ」とも訴えている。

 

 小選挙区制を廃止して民の声が反映する選挙制度にして、日米安保を廃止する時が来た。自立する日本政治を確立すれば、政教分離の憲法で極右の神道政治連盟・日本会議の爆走も止めることが出来る!天の声だ。

2023年6月30日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

(参考記事)26日の協議会に招かれた細川氏は、「政権交代も実現し、穏健な多党制の中で機能している」、「同じ政党の複数人が、1つの選挙区で争う制度から変えたことが、政治とカネの問題の改善につながっている」などと現状を評価した。また、先週の会合では、河野氏が選挙区で敗れても比例代表との重複立候補で「復活当選」できることについて、「国民に支持されているのか」と疑問を呈したが、細川氏は「惜敗率の高い人が議席を得るメリットがある」と述べた。与野党は、2人の意見もふまえ、協議を続ける。

日本の30年間😭https://twitter.com/ppsh41_1945/status/1673260089040580612?s=20