T.NのDIARY

写真付きで、日記や趣味をひとり問答で書いたり、小説の粗筋を纏めたブログ

[ 「ホワイトアウト」を読み終えてー4/6- ] 4/29・水曜(曇)

2015-04-28 16:01:42 | 読書

 21. (富樫は一か所だけ逃げ口が残っているのを思い出した)

 富樫は斜坑跡に向かった。扉口まで20m程に近づいたとき、地鳴りのような爆発音がした。雪崩で扉が閉まったのだ。そして、次々に爆発音がした。犯人が出口を爆破したのだと思った。

 富樫は出口が一か所だけ残っていることが閃いた。水を止めて地下発電所から外へ出ることだ。

 22. (千昌は笠原に人質の食事をリーダーにお願いしてくれと頼む)

 あらすじ略

 23. (政府対策本部が警察庁に設置される)

 県警本部から警察庁を通じて内閣に報告され、秘密裏に、警察庁に政府対策本部を設置された。

 中央の対策本部から出された指示は、シルバーラインの復旧作業、テロリストたちの割り出し、制御装置の操作を行っていることから電力会社退職者の追跡調査、奥遠和ダムの下流にあるダムの放流であった。

 また、中央本部の全国への指示で、昨年暮れに御殿場の火薬工場から薬品が盗難があったことや、東日本電力の本社ビル爆破の関連情報が入り、その分析が始まった。

 24. (富樫は地下で休眠を取る)

 富樫は、内線電話を使い犯人達の応答から、人数は5人だと判断、翌朝まで休眠を取った。

 25. (千昌が人質の分まで食事を作り、ウツギを怒らす)

 あらすじ略

 26. (現地対策本部で報道協定の申し入れを行った)

 中央の対策本部の指示による赤柴ほかの下流ダムの調整一斉放流や新潟と福島の一部停電、シルバーラインの復旧工事から、何か事件が起こっていることを地元マスコミの知ることになり、中央の許可を得て、現地対策本部で報道協定の申し入れを行った。

 27. (富樫は発電機を止めて放水路の水を空にしてダムからの脱出を決意した)

 富樫は目覚めて、ようやく立ち上がりウォーミングアップをした。

 ここから脱出するには水力発電を止める必要があるが、犯人達は、こちらの行動を感知して、再度、ダムの出入口を爆破してダムの中に入り、発電を開始、放水をするだろう。となると、放水路に水が流れ、自分は水に流される、しかし、時間的に間に合うだろうと考え、富樫は放水路からの脱出を決行した。

 28. (犯人達も明かりが消えたことで、富樫の放水路利用脱出を察知した)

 富樫の行動を察知した犯人達は、ダムの出入口を爆破して、ダムの中の発電機を動かした。

 29. (富樫は放水路を流れる水に身を任せた)

 いくら走っても、富樫の目には、放水路の先に針先ほどの明かりも見えない。背後からドーッと言う水音が聞こえてきた。

 発電機が動き出したのだ。もう1分もしないうちに水が押し寄せてくる。富樫は、右手で衣類を力の限り抱きしめて水の衝撃に身を任せた。

 30. (千昌は手錠を外せる道具を探した)

 千昌は、誰もいない制御室の前の廊下で、廊下の手すりに片方の手に手錠をかけられていた。その手錠を外せる道具を見つけようと、靴ひもやベルトなどを使って制御室の入口に見えるナップザックを引き寄せた。中は道具になるものは入ってなく、バッテリーや電池が入っていた。もう一つのナップザックと思ったが、犯人達の靴音がしたので、仕方なく元の場所に投げ入れた。

 31. (放水口から流れ出た富樫は大白ダムに向かった)

 富樫は、気がつくと身体の回転が止まっていた。雪の降り続く谷の底に、富樫は捨てられた空き缶のように転がっていた。

 防寒着に入れていたライターが見つかり、枯れ木などを集めて暖を取った。いつまでも休んでいるわけにいかず、出発しようとして自動小銃を手放していることに気がついて、放水口まで引き返してやっと発見した。そして、直線距離で5kmの大白ダムを目指した。

 32. (犯人側から50億円の準備時間24時間の確認を求められた)

 午前8時、中央のホットラインのベルが鳴った。望月刑事部長が応対し、犯人側との交渉は全て中央側が行なうことに決定したと署内の対策本部の捜査員に伝えた。

 その時、福井係長から、F系の空線信号です、犯人からの無線だと思いますと、奥田に声をかけた。

 応答した奥田は犯人に無線を切り替えることを告げた。犯人はしぶしぶ了解した。そして、中央から、これからは警察庁の藤巻が対応すると連絡した。犯人側から50億円の準備時間24時間の期限について、人質となっている所員の名前を読み上げたりして、再確認を求められ、藤巻は了承した。その後、犯人は24時間経った正午に電話すると言って無線は切られた。

 33. (千昌は戸塚の監視のもと厨房に向かった)

 あらすじ略

 34. (奥田は犯人の要求が現金だけのことを不審に思っていた)

 長見署内の対策本部では、今までの交信内容を踏まえて対策会議を開いていた。

 要求した50億円をどうやって受け取るつもりなのか、ヘリで逃げるとして着陸は何処を考えているのかなどの意見が出た。しかし、奥田は皆が頭から過激派組織と信じ込んでいることに不審を持っていた。もし、犯人が過激派組織であれば、刑務所に服役中のメンバーの釈放要求をするはずだが、それがないことから、犯人の実態が分からないことに頭を痛めていた。

 35. (千昌は厨房へ行く途中で戸塚から強姦されようとして笠原に助けられる)

 あらすじ略

 36. (犯人から50億円を2時までに米ドル札に両替するように要求変更があった)

 12時に犯人から電話があり、50億円が用意できたことを確認し、2時までに、スイス・セントラル・バンク東京支店で米ドルに両替しドル紙幣が足りない金額は自己宛小切手を発行してもらえ、そして、銀行に向かうそちらの代表者の名前を知らせろとの指示があった。警察庁の藤塚は、同行責任者は山根警部補と鈴木審議官と答えた。それと、へりは新潟空港にいる海上保安庁の「えちご」をリクエストする。操縦士は新潟保安本部の操縦士の中からを指名するので準備しておいてくれとの要求があった。

 37. (富樫は5時間ほどかかってようやく大白ダムの中に入った)

 富樫は歩きはじめてから4時間近くが経過し午後に入っていた。

 1時23分、ようやく大白ダムに到着し、鉄枠がついた窓からなんとか中に入った。まず発電機を動かし電力を確保するために機械室に急いだ。

 38. (富樫と長見署の奥田の情報のやり取りが可能になった)

 長見署の中を、雪崩に足元を掬われたような衝撃が駆け抜けた。

 大白ダムに何者かが入った侵入警報が鳴っているとの長見電力所からの通報があった。次に届いた通報は冨樫運転員だとのことだという朗報だった。

 大白ダムとの無線を長見署にも通じるようVHF無線に送電線通信を乗せて、奥田がマイクに向かった。

 富樫から、村瀬と岩崎が死亡したこと、人質は1号館の地下倉庫に、犯人達は殆どが開閉所にいて、私が2人殺し、残りは5人ないし6人、そして、死亡した一人は免許証から皆川正道と通報した。次いで、わかっている犯人の名前を、サカシタ、トツカ、スヤマ、カサハラと告げ、自動小銃と拳銃を持っていることを話しした。

 そろそろ2時になるので、奥田は冨樫の許しを得て、急ぎ、VHFのマイクをオフにして、犯人からの無線に切り替えた。

 しかし、今までと異なり、予定時間を3分過ぎても合図の空線信号が無く、不審に思っているときに、中央からの電話で、たった今、直接、銀行のほうに犯人から電話があり、待機中の鈴木審議官に、スイスのベルンにある本店の匿名口座宛に自己宛小切手の送金を命じたとのことであった。

 電話回線が切れていたのでなく、一時的に切断しただけかと対策本部の者全員が不審がっていた。

 39. (富樫は千昌らを助けたいために奥遠和に戻る気持ちは変わらなかった)

 富樫は、36時間ぶりに乾パンと飲料水を飲んで、使い捨てカイロで足を温めていた。

 そこへ受話器から富樫を呼んできた。奥田からだが、もう少し詳細な情報を知りたいと、県警の塚越公安管理官にかわり自動小銃や爆薬のことを聞いた。塚越が、思い出したいことがあれば、また連絡をくれと言うと、これから奥遠和に戻ると言い張った。奥田も止めたが、千昌や人質の所員を助けたいとの冨樫の決意は固かった。

 40. (ウツギは大白ダムの発電機だけが動いているのを発見し、

     富樫が生きていて戻ってくることを確信していた)

 大白ダムの発電機だけが動き出している。それを見たウツギは、富樫が確かに放水路から脱出して大白ダムに辿り着いたのだ。彼は俺たちの予想に反して必ずまた戻ってくる。その時間は、大白ダムへの到着の時間から計算して21時間になるだろうと思うので、みんなで20時から交替で周囲の巡回にあたるのだと指示した。

                                (次章に続く)

 

 

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