杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2016-1-7~8 八ヶ岳・大同心稜~赤岳縦走

2016-01-09 18:29:54 | ガイド山行記録

今年はどこも雪が少ない!!

1月第二弾は八ヶ岳。今シーズンの足慣らしという事で大同心稜へ行ってきました。

冬型の気圧配置の中、7日に赤岳鉱泉へ入山。上部は濃いガスに包まれ、うかがい知ることはできませんでしたが、美濃戸はほとんど雪無し…。まさしく夏道をたどり鉱泉を目指しました。

翌8日の朝6時、ヘッドランプを付けていざ出発。良く踏まれた踏み跡は、いつになく歩きやすく、ほどなくして夜が明け、大同心基部の直下まで1時間で上がってきました。

基部手前でロープを付けいよいよ取り付き。

 

さすがに稜線まで来ると雪の量は増えますが、ご覧の通り。まあそれはそれで歩き安かったですが…。

 

写真で見ると「おおっ!!」てな感じですが、てけてけ歩ける程度の簡単な岩場を大同心の基部を回り込むように通過。

3級-程度の5mほどの岩を越えるとあとは緩い雪壁。大同心稜自体も1時間弱で抜けることが出来ました。

稜線に出たところで風をよけて休憩。後は横岳の縦走です。今日は時々突風が吹くものの、八ヶ岳として穏やかな天候。

 

東からの日差しを浴び、360度のパノラマを愛でながらの縦走。

 

横岳の通過はハシゴとクサリの連続。

赤岳展望荘で大休止ののち、11時に赤岳山頂へ!なかなか良いペースでの登頂でした!!

 

山頂からの眺めもバッチリ。ただ北アルプスには雲がかかり、白い峰々を望むことはかないませんでした。

赤岳鉱泉から見た赤岳。なんだか春の風景のようでした。

 


2015-12-31~2016-1-2 槍ヶ岳

2016-01-03 12:40:59 | ガイド山行記録

2016年のスタートは槍ヶ岳から!4年前のリベンジでもある山行でした。

 

2015年も年の瀬の31日に新穂高温泉より入山。今年の年末は予報も良かったせいか、いつになく多くの登山者が入山している模様。31日には早くも槍、穂に登頂した人たちが大勢下山してくる中の入山でした。

おかげでトレースもバッチリ。4時間ほどで楽々と槍平までアプローチできました。テントを設営後、のんびりと休息。夕食後19時には就寝。そして電波状況の悪い中、奇跡的にdocomoの電波を受信!ヤマテンによると明日1月1はまずまずの予報ではありませんか!!これに安心し、明日に備え早々とシュラフにもぐりこみました。

そして2016年の年明け。夜半まで降り続いた雪もいつの間にか止み、あたりは月明かりに照らされとても明るい中、午前3時に起床。準備を整え5時15分、槍平のベースを出発。

 

前日までのトレースはふわふわの新雪にいくらか埋もれていましたが、超軽かるの雪なので問題なし。トレースも谷間をかわしてついているので雪崩の危険もなく、楽々とタカラの木下まで。

所がやはり今年も甘くはなかった…。昨夜この付近で幕営したパーティーの話では、31日は大喰の西尾根にはトレースがなく、みんな飛騨沢を登ったとのこと。積雪もテン場を出たころよりぐっと増え、風の影響もありここから先のトレースは皆無…。一瞬「またか…。これじゃ前回の二の舞だ!」との思いがよぎる。

 

ここから大喰岳西尾根の取り付きまでは、膝までのラッセル。尾根取り付きで飛騨沢へ入るか迷ったが、トレースが無いことと表層の不安定な積雪を考えると、谷に入る気にはなれない。

結局膝上までのラッセルを強いられながら大喰の西尾根に取り付いた。するとどうだろう、上部から下りてきたパーティーがいるではないか!これぞ天の助け!!

 

その後いくらかラッセルは楽になったものの、上部に行くに従い風が強まりだした。左から叩きつけてくる強風に、煽られふらつきながら、舞い上がる雪煙に顔を背け、時折立ち止まりながらの登高は辛いの一言!なかなか高度を稼ぐこともできない。

 

それでも何とか大喰岳に達し、飛騨乗越を経由して方の小屋へ。

 

小屋の玄関前は風を防ぐには絶好のポイント。日あたりも良く折からの強風に冷え切った体を温め、仕切り直して槍の穂先へ。

そして午後1時過ぎ、念願の槍ヶ岳に登頂!4年ぶりのリベンジを果たすことが出来ました!!

 

穂先からは360度の大パノラマ!こいつあー、春から縁起が良いぜー!あきらめないで頑張った甲斐がありました。

 

一度肩の小屋まで戻り、一路来た道を戻り大喰の西尾根へ。いくらか弱まった風の中を下山の途に就きました。

 

暮れていく夕日の中の下山は絶景!まるでこの日頑張ったご褒美をもらったかのような、幸せな気分になれる光景でした!

2016年は絶好のスタートを切ることが出来、とても思い出深い山行となりました。

遅くなりましたが、皆様、今年もどうぞ宜しくお願い致します!