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TEPPY的映画感想「ギミー・ヘブン」

2007-04-05 15:07:11 | 映画感想<あ>
誰にも理解されることのない感覚"共感覚"。それを共有出来る相手の存在を知ってしまったから…。
新介はその感覚を胸にしまい、インターネット上で盗撮サイトを運営している。
親友・貴史や、恋人・不由子には理解されない、哀しい闇を心に抱えながら。
麻里は自分が共感覚を持つがために、誰とも分かり合えないという孤独を抱えて生きている。
両親とは死に別れ、育ての親はなぜか次々に殺害されていく。
新介と麻里。ふたりはある日、今までどうしても埋まらなかった心の奥深くにある、最後のパズルを持った存在として出会ってしまう…。

江口洋介主演のサスペンス・スリラー。
脇を固める役者が安藤政信、宮崎あおい、松田龍平、石田ゆり子と豪華です。

この映画の鍵を握るのが“共感覚”という症例。
ある刺激を受けたとき、本来の感覚に他の感覚が伴って生ずる現象で、
印刷された言葉や数字が色となって感じられたり、
香りが形を伴ったり、話し言葉が虹色に見えたりする症例です。
詳しくはここを見てください。

とまぁ、なかなか一般には知られていない、事柄を用いてのサスペンス。
これはなかなか面白い作品になりそうだと思いきや、今一歩残念な感じに…

映画の前半は良くできていて、
真理の父親の殺害現場に残った謎の「W」のような文字。とか
その文字の裏側に潜む、ネット界の影のヒーロー“ピカソ”とか
「W」には共感覚者にしかわからないメッセージがあるんじゃないのか。とか
いかにもサスペンス的な複線が張ってあってなかなか楽しめたのですが、
後半になると一気に失速して、スッキリしない終わり方になってしまいます。
サスペンスで始まった映画が急に芸術映画になって、終わってしまう感じ。

なんだか“共感覚”という設定に話が振り回されてたような気がします。
これだったら、そんな設定なしにして、きっちりサスペンスとして最後のオチまで作るか、
もっと共感覚について掘り下げて、どんどんストーリーに取り入れて欲しかった
だって、言ってる割には全然共感覚が話しに絡んでこないんだもん…


共感覚という目の付け所はよかったけど、うまく生かしきれなかった惜しい1本


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