やぶにらみの生態学/HFMエコロジーニュース

サル・クマ・森林保護に関する博物学的生態学的エッセイ・権威をきらうへそまがりの独り言

HFMエコロジー・ニュース104(261)

2012-06-25 13:03:49 | ニュース

ウガンダ紀行ー人と自然ーその3
カンパラへ
 エンテベを出発したマイクロバスは、午後5近くにカンパラ市内へ到着した。
赤道直下の東経32.5度に位置するカンパラは、太陽の南中時刻はおよそ午後1時頃で、3月23日は春分の日を過ぎたばかりなので日没は午後7時過ぎとなる。
午後5時前だとまだ夕方という感じはしない。ただ市内中心部ではそろそろ夕方のラッシュが始まっていた。
今日は、明日以降のサファリツアー用品の買い出しをしてホテルへ入るだけだから、多少のラッシュもいい経験と思える。
このカンパラという街は平坦な土地に作られた都市ではない。いくつもの丘があってその丘の集合体のような構造となっている。従って丘陵の等高線にそってできた道路は大小の楕円の輪(馬蹄形といった方が実態に近いかも)と丘と丘をつなぐ道路で大変複雑でかつ方向感覚を保つのはきわめて難しい。丘と丘をつなぐ道路の交差点は前号で紹介したようにロータリー形式となっている。
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図示した地図はカンパラ中心部というか官庁街を描いたものだが、実際の街はもっとずっと広い。
 カンパラには大きな市場はあるものの、後で紹介するように旅行者がちょっと立ち寄って自由に買い物ができるような場所ではない。
とりあえず何も知らない旅行者にとって簡単に買い物ができる場所は、ショッピングモールである。
カンパラには3カ所ほどある。いずれのショッピングモールも近接しているが、ガーデンシティ(地図の右、中央少ししたに四角で囲ってある)が専門店も入店していて便利である。
価格の点では少し離れたゲーム(Game)がいいかもしれない。
ガーテンシティのすぐ隣のオアシス(Oasis)はやや高級な専門店があり、それぞれ特徴的でおもしろい。
 さて買い物だが、明日からのツアーで一番大事なものは「ミネラルウォーター」だ。旅行先でも買えないことはないが、持って行くのが一番確実で安全だ。
これは、すでにQ君が準備してくれているので今回は買わずにパス。
今回の買い物の目的は、長靴、ゴム長である。もちろん、日本から持って行ってもかまわないのだが、こちらでも山歩きに使える長靴が手に入ることは調査済みだったので、少しでも荷物を少なくしたい人にとっては、現地で購入するのがいい。
でも、なぜ長靴?たいていはトレッキングシューズでと考えるのだが、乾期であれば、それでもかまわない。
しかし3月下旬は、雨期の入り口にあたり、いつスコールにあうかわかったもんではない。
ケニアやタンザニアのサヴァンナでのサファリツアーであれば、車から降りて歩くこともないので、トレッキングシューズで十分だ。
しかしこのたびのウガンダツアーは、アフリカの熱帯降雨林に生息するマウンテンゴリラの観察が目当てである。
最悪の場合、延々と道なき道を切り開きながら山を越え谷を越えなければならないかもしれないのだ。
そんなドロドロの斜面を歩くには、長靴は必須アイテムなのである。
そしてもう一つは安全上の問題から、山の中を歩く際には長靴を着用することにしている。
これは日本国内でも同じである。最近では調査には長靴というスタイルが常識となっている。
毒ヘビや危険な動物から足下を守るにはこの長靴は大変便利である。というわけで、参加者の何人かは長靴を調達する必要があった。
 何とかラッシュを抜けてカンパラ最大のショッピングモール「ガーデンシティ」へ到着。
パーキングに入る前に、セキュリティチェックを受ける。来店する車両はすべてチェックを受けなければならない。
日本では考えられないことだが、比較的治安はいいとはいえ、これが現実なのだ。
無事チェックを通過してショッピングモール二階の靴屋へ向かう。
ゴム長靴を買うには少し場違いな店構えであるが、前回の下見で在庫を確認しているので迷わず店内へ。
カラフルな履き物に混じって展示されている黒い長靴を手にとって品定めをする。
なかなか丈夫そうでしかも柔らかそうな製品がそろっている。
ただ問題は、サイズである。ウガンダの人たちは概して大柄だから、どれも日本人には少し大きいような気がする。
大柄なIさんにはぴったりなサイズだが、日本人の小さな足に合う物が女性用では少ない。
子供用の物でも大きすぎて合わない。
結局、もし雨に降られたらそのときのことと覚悟を決めて、女性陣は購入を見送ることに。
靴屋での買い物を終えると、店の前のコミュニティ広場に人が集まりだした。突然ビートのきいた音楽が鳴り始め、一斉にダンスが始まった。
その後もダンスの輪に加わる若者が集まってくる。
みんな楽しそうに踊っているが、そのリズム感、躍動感はアフリカを感じさせるに十分な迫力がある。
残念だが、ちょっとまねできない。欧米から来た観光客たちも、このサプライズにみんな驚きの表情を顔に浮かべで見物している。
このところのウガンダ経済の勢いを感じさせる一コマである。
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 長靴を買った後は、明日からのサファリに使う、図鑑類を調達することに。
最低限必要なのは、ほ乳類と鳥類図鑑、ウガンダ国内地図。あればいいかなと思える図鑑は、樹木図鑑であるが、実際にこの図鑑で樹木を検索し同定するだけの時間的余裕はない。
旅行のあとで確認するのにはあった方がツアーの記録がより豊かにはなるだろうが、結構高価(99000UGX)なので、B/Cを考えて購入の是非を決めるのがいいだろう。ということで、皆さん、コンパクトなほ乳類図鑑(写真下の右端49000UGX)、鳥類図鑑(同上の右端 49000UGX)、地図(同下の右から2番目 26000UGX)を購入した。私はといえば、かなり前からアフリカ行きを夢見て、多くのほ乳類図鑑と鳥類図鑑をそろえていたが、コンパクトな図鑑は前回の下見時に見本として購入しておいた。
 UGXとはウガンダシリングのことなのだが、ちょうどいい機会だからここでちょっと寄り道してウガンダの通貨について話しておくことにしよう。
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 ウガンダシリングの為替レートは、$1=2400 UGXほどだ。
ほどというのは、このところUGXは変動が激しく、日々値上がりの傾向にあるという。
つまりこのレートは2012年3月26日現在のものである。
この時期円ドルレートは $1=¥80 ほどだから ¥1≒30 UGXとなる。ただし、円から直接UGXへ両替することは難しい。
カンパラに1軒だけ両替できるところが有るが、レートはかなり悪い。
日本円からウガンダシリングへ両替するにはドルを経由して、つまり2度の手数料を払って両替するのが一般的であるし、確実なのだ。
それだったら、国際通貨であるドルで決済するかクレジットカードで決済するかすればいいと思うかもしれないが、そうは問屋が卸さないのである。
ウガンダ国内では旅行会社や大きなホテルなど一部を除いては、ドルは通用しない。
カードもほとんど使えないので、ウガンダシリングの持ち合わせがないと買い物一つできないのだ。
今回のツアーの面々はどこでどのようにウガンダシリングを手に入れたのだろうか。
ここが広島フィールドミュージアムのツアーのいいところである。
抜かりはない。参加者一人あたり10000円分を前もってUGXに両替しておいたのである。
至れり尽くせりではないか。
しかも手数料なし。
だから皆さん、カンパラに到着してそのまま買い物をすることができたのである。
ちなみに、コンパクト図鑑(ほ乳類と野鳥)49000UGXはおよそ1640円、地図は870円、樹木図鑑は3300円ほどになる。
長靴は記憶がはっきりしていないが、25000UGX(840円ほど)くらいだったような気がする。
$100も両替すると240000UGXにもなるので、財布も膨らみ金持ちになった気分を味わえるが、支払時には偉い金額にびっくりするのは、やはり貧乏性が抜けないのかもしれない。
 ここで老婆心ながら、両替についての注意点を。
カンパラ市内の大きなショッピングモールには、どこでも両替所があるのでその点は心配はいらない。
ただ、米ドルからウガンダシリングへ両替するときには、高額米ドル紙幣($50以上)を使った方がいいようだ。
20ドル紙幣などの小額紙幣では両替レートが悪い。
できれば100ドル単位で両替するのがいいのではないかと思う。また、古い紙幣(2002年以前の米ドル紙幣)は偽札発見機能がなく、使用不能なので要注意。円高時に日本国内で高額紙幣に両替して持って行くのがいいようだ。
 ということで買い物を済ませて、いざラッシュアワーの街をホテルは向かうことになる。
買い物についてはまだまだ報告すべきこともあるが、それについては次回以降ということで今回はここまでとしよう。





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