鶴岡法斎のブログ

それでも生きてます

シルバー仮面

2006-10-12 19:59:08 | 雑記
世の中便利なモノで「シルバー仮面」がYahoo動画で無料で見られた。
シルバー仮面が無料、ということに何かとてつもない違和感。CMソングで裸のラリーズが使われるようなもんか。
とりあえず第一話を見たのだが、実相寺演出は冴えまくっていている。「冴」という字と「牙」という字は非常に似ていて、なにやら噛み付かれて大ケガしたんじゃないかと思ってしまうほど。
前に見たときにも思ったのだが(これは世間的にもよくいわれているが)、まず画面の暗さたるや異常である。メトロン(あと欠番中のスペル)が紅の世界にいるのだとしたらチグリス星人は、否、シルバー仮面は果てしない黒のなかにいるのか。
漠然とした悲しさや不安が画面からビシビシ伝わってくる。これは何を意図しているのだろう。特撮関係の資料を調べればわかるのかもしれないが、いまはただこの不安を不安として受け止めておいたほうがいいんではないかと思ったり。
昼のシーンでも暗く感じる。そしてカメラは異常に遠くから、固定で重要なセリフの遣り取りを記録している。
そんな実相寺監督がシルバー仮面の新作を撮ってらっしゃるらしいので、これがまたどういう風に仕上がるのだろうか気になって仕方ない。
ただし、実相寺作品は怪獣の出てくる映像としては「偉大なる邪道」であるということも忘れてはならない。
それを理解した上で「やっぱりすげえなあ」と感心して、何色だかよくわからないけど単色がぶつかってくる世界を堪能しよう。考えたら実相寺作品はいつも単色だ。どんなに怪獣が色とりどりの皮膚をしていても、ある特定の一色が印象の強く残る。
しかしその単色のカンバスをじっと眺めたら微妙に色合いが違っていたりする繊細な世界なのでこれまた注意が必要だ。

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