Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

本日はようこそ開いてくださいました!お芝居のことグルメを語ります!


          

京の夏料理二品   京風すき焼きと鱧皮ときゅうりのゴマ酢和え

2015-08-25 | グルメ

 

 

 

何日も続いた熱帯夜。でも夏も終わりですね。心なしか蝉の啼き声も聴かなくなりました。

本日は、今夏にトライした京料理をちょっぴりご披露したいとおもいます。

京料理といえば、まず薄味ですよね、しかも食材のほとんどが京都産。それに美味しそうに、涼しそうに盛りつける、だいたい相場がきまっています。

今回の2品は、いずれもテレビで観たパクリなんですが、つくずく和食のむずかしさを感じ入りました。

料理の基本は”だしの取り方”だといいますよね。今回はその”だし”は使いません。でもむずかしかった。なぜでしょうか。

調味量の加減なんです。塩加減ひとつ間違えば致命傷です。

まあ前置きはこれくらいにして、順を追ってお話しましょう。

 

京風すき焼き

都道府県別でお肉の消費量を調査したら、なんと京都府が3年連続で第1位だったとか。

エィ!?だれもがおどろかはるのと、ちがいますか?

(食材: ロース肉、万願寺とうがらし、上賀茂のトマト)の三種のみ。それに実山椒。

(調味料: しょう油、砂糖 )

関西風のすき焼きの要領でよろしおすのやけど、牛肉、万願寺とうがらし、トマトの順だけはまもってください。

煮上がれば、実山椒を少々散らせば出来上がりです。

なお、上賀茂産のトマトは、露地栽培のため皮がかたいので、、サッと熱湯に通し、皮を湯剥きしてから氷水にくぐらせるのがコツどす。

 

鱧皮ときゅうりのゴマ酢和え

居酒屋の付だしのようなイッピンですが、すき焼きのあと、さっぱりしておススメです。

(材料: ハモ皮、キュウリ、白ごま、甘酢、胡麻油 )

まずスライスしたきゅうりを塩もみして余分な水分を抜きます。

次にハモ皮をごま油で軽く炒めゼラチン質を溶かします。かたや擦り鉢に軽く炒ったゴマをすっておきます。

炒ったごま鉢の中で、きゅりは水気を絞って、甘酢(薄口醤油、砂糖、米酢)と和えます。最後にハモ皮を加えて仕上がりどす。

さてお料理を召し上がるとき、どこからとなくコンチキ コンチキと祇園ばやしが聞こえてくるような気がしましたら、あんさんのお料理は成功したのに

違いおへん。

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又吉直樹さんの『火花』が日本中を席巻!!

2015-08-16 | 人物

 

 いつにない”芥川賞”騒ぎであった。

それは吉本芸人の又吉直樹さんの小説『火花』が芥川賞に選ばれたからである。

250万部も本が売れ、すでに17版を重ねている。

かなり前から予想はしていただけに、今年の3月11日の発売日に買っておいた。もちろん初版本である。

予想していたのは、作者が一介の芸人だからではない。

『火花』の初出は雑誌『文学界』である。『文学界』は純文学誌で、あまり売れないし、地方の書店などはほとんどが取り寄せない限り、

店頭には置いていないのである。

その『文学界』も品切れになり、前代未聞の増刷に踏み切った。それでなくても”本が売れない”と出版業界は喘いでいる。

ましてや純文学誌が増刷するのは、異例中の異例である。これはもちろん漫才師・又吉直樹さんの小説『火花』が掲載されていたからだ。

世のおじさんたちは漫才師・又吉を知るまい。芥川賞を取ったからこそ、時代に乗り遅れまいと身銭を切る。

瀬戸内寂聴さんは(『火花』を読んで)「なかなか面白かったわ。しかしこんなに売れるなんて、妬けるわね」とテレビ番組で語っていた。

 

『火花』を手にした3月11日の日記に「小説『火花』は出だしは面白そうだが、中途でたるんだ感じ~」と記している。

主人公は売れない漫才師。熱海の花火大会のイベントの仕事で、のちの師匠と仰ぐことになる同じ芸人の神谷と出会う書き出しは、うまいし、

読ませるが、途中から文章が乱れ、後半はなんとか持ち直した感じ。阪神のなんとか投手のコントロールに似ている。

いくつかの場面で私は笑った。言葉の面白さではない。苦しむ漫才師の姿が愚かだからだ。

よくある”芸人物”というかバックステージものではない。作者は、苦悩や懊悩を芸人という器に入れ、語りかけた私小説である。

又吉自身がいちばん崇拝しているという太宰治の匂いもたしかにある。

しかし太宰治ほどの文章に透明感がない。

その太宰は芥川賞に落選した。太宰は当時の選考委員であった川端康成、佐藤春夫に抗議の長い手紙を出したことは世にも知られている。

しかし2度目も3度目も落選。ついに脳病院に入院した。病院の紹介状を書いたのは佐藤春夫だったという。

 

ところでピース・又吉直樹の漫才は見ていない。

しかし3年前だったかピースの相方とともに映画に出ているのを見たことがある。ワンカットだけの端役であったが、味のある芝居をした。

ピースでなければできないほどの好演だった。

映画は三浦しをんさんの『舟を編む』である。

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