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ポジティブな私 ポジ人

お店がきれいになって起きた悲劇

日々雪解けが進みつつある。
ご近所さんは雪割りに余念がない。家屋の周辺に積もった雪を砕いては、溶けやすいように道路にばら撒いたりしている。

夫と買い出しにでかけた暖かな日。
家ではほとんど話さないが、外気を浴び、春の日差しが気持ちよくて、思わず口元もほころんだ。

いつも歩いているコースに整体医院とご自宅が並んでいる家の前を通りかかった。
何気なくそのご自宅の玄関の前を見ると、雪が所どころ残っており、歩きづらそうな状態だ。
ご近所さんは皆すっかり玄関前の雪は除いてある家ばかりなので、おやと思った。
続いて隣接する整体医院の玄関前。やはり、雪が歩きづらい状態で残っている。

自宅前の残雪は良いとして、医院の前の残雪、これは経営者としてどうなのだろうかと思った。少なくともお客様の入りやすいように、取り除いておくのが普通なのではないだろうか。

そんな事を夫に伝えた。
「仕事ぶりもそんなものだろう」と夫は言った。私も何となくそんな気がする。

本当は腕の良い施術をする方かも知れない。
でも、良く知らないので、目に入る情報から読み取ろうとすると、どうしても細かい事柄が判断の基準になってしまう。
玄関前の残雪が、ずぼらな人柄を物語っているようで、きめ細かな施術をしてもらえるかどうか不安になってしまう。

店舗を構える経営者には、やはり店舗周りに気を配るのは当然の事だと思う。

今だからそんなことが言えるけど、若い頃勤めていた会社の店舗は、当時の私は全く気付かなかったが、店周りが汚かったらしい。
それに気付いたのは、店舗に転勤してきた中堅の男性社員Iさんだった。
彼は自発的に毎日店舗周辺を掃除し、店舗の広いガラスをマメに磨いていた。

後になって彼は「赴任当時は、なんて汚い店舗なんだと思った」と吐露していた。
Iさんが転勤前にいた店舗では、お店をきれいにしておくのは当たり前の事だったので、汚い店舗にかなり驚いたらしい。
Iさんのおかげで、全面ガラス張りの店舗はすっかりきれいになった。

キレイになりすぎた結果、汚い店舗に慣れたお客様が、何人かドアに激突するという事故が続発した。
ガラスが存在することに気付けないほど透き通って、見通しが良くなったからだ。
バス停が近かったせいもある。
バスが近付き、慌てたお客様がガラスを突き破るという事件も起きた。幸いお客様に怪我は無かったようだったが。
お店がキレイになって良かったのだが、そんな弊害が起きるようになった。

結局、激突防止策として、入り口のガラスに確かポスターを貼ったような記憶がある。

整体医院の玄関前の残雪から、そんな昔の店舗のことを思い出した。




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