はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

駿河一国33ヶ所巡り8-2

2010-03-12 13:11:59 | 寺社遍路
三島駅 - 函南役場 - 熱海峠 - 十国峠 - 東光寺 - 熱海駅
7:40 1:14     2:30    21     14     1:10 14:50
    6.7k    12.6k    1.6k    1.1k    5.4k 

  歩行距離 27.4kM     歩行時速 5.0Km
  歩行時間 5時間28分    休憩時間 1時間40分


 3月11日朝7時40分三島駅を出発。前回の遍路で三島大社から駅までは歩いているので迷う事もなく歩ける。前回薄暗くてはっきり見えなかった白滝公園や小川の流れも見えるが水が少なくて、みすぼらしい感じだ。川の水も綺麗そうだが流れが少なく、とても清流とは思えない。若しかして三島梅花藻があるのではないかと目を凝らすのだが見つからなかった。

          
              白滝公園

 三島大社に着いたがまだ早いのでお参りする人の姿は見えない。神主が境内を変わった竹箒で掃除している。箒の先が小竹を纏めて縛ってある箒ではなく。細い竹の先を切らずに延びたままの物を数本束ねてあるだけだ。この箒で軽く掃いて落葉を集めている。これなら砂は動かないので埃も立たないだろう。それにその動きも柔らかで優雅に見える。まさに必要は発明の母だ。
ご朱印所があった。まさかまだやっていないだろうと思いながらも覗き込むが案の定誰も居ない。ここのご朱印は諦めよう。
ご朱印と言えば今日再度番外の東光寺に登る理由は二つある。一つは今回の遍路は点である札所を歩くことにより線で繫ぐこと。その線も何本の線でなく一番清水寺から番外の東光寺まで1本の線で結びたいと思っていた。それと同時に全札所のご朱印を受けようとも思っている。今のところ此処迄歩いて線は続いているがご朱印は17番札所の一ヶ所が欠けた状態だ。しかし17番は山中の寺だが静岡市内なので後でも何とかなるだろう。

          
               三島大社

 今日登る東光寺は去年の11月熱海で高校の同窓会が開かれたときお参りしたが、生憎定休日だったのでご朱印を受けれなかった。しかもその時登ったのは熱海からで三島からではない。となると一本の線が二本になってしまう。それでは面白くないので再度登り直すことにしていた。そして先週天気予報の「久し振りに晴れる」を聞いて早速準備に取り掛かったのだが、定休日が水曜日だった事を思い出した。仕方ないので遍路を止めて大崩山塊の十字縦走にした経緯もある。
今日は木曜日、寺も定休日ではない。しかも天気は最高。新聞の予報欄は東北から静岡にかけて全てお日様マーク。しかも静岡は降水確率が0%になっている。色々あったが結局最後は有終の美を飾る事ができるのだ。

          
               下田街道

 寄り道が長すぎた先を急ごう。三島大社の前の道が伊豆の下田に続く下田街道の出発点になっている。今は建物や道は綺麗になっているが人通りもなく車も走っていない。と思っていたのもつかのま、商店街が過ぎた辺りから車が多くなってきた。丁度通勤ラッシュの時間帯になったのだろう。しかしこの道は歩道が一段高くなっているので車が多くても安心して歩ける。前回の根方街道のように立ち止って車をやり過ごす事もない。
前の信号が赤だ。立ち止って何気なく後ろを振り向くと「ウアー!」内心叫び声を挙げてしまった。真白な雪を被った富士山が家の屋根越しに見えていた。富士山の前にはこれも薄っすら白くなっている愛鷹山も見える。今日は最高! 自然に足が急ぎ足になる。

          
              街中からの富士山

 大場川渡る所で富士山の裾まで見えてきた。正面に宝永山の火口が口をあけている。左の雪が少ないのが静岡側で右の下の方まで雪があるのが御殿場側。その雪の下に茶色く見えるのが大野原いわゆる東富士演習場だ。
この写真を見て誰でも気づくのが雪の量の違いだと思う。宝永山を境に東側は多く、西側は少ない。この写真では分からないが、この富士山の反対の山梨県側の雪は御殿場側より若干少ない程度だと思う。
以前NHKの天気予報士が「静岡側と山梨側の雪の量の違いは、湿った空気が北側の山梨県側に当たり雪を降らせ、その乾いた空気が静岡側に流れるので雪が降らない」と説明していた。
その説も一理はあるだろうが私は少し違う考えを持っている。降る雪の量は左程違わなくても風、陽射し、地形が大きく影響しているのだと思う。まず雪の少ない静岡側は南や西に当たり一日中陽射しがある。更に冬は強い西風が吹き荒れる。それにより雪は早く融け残った雪も風で飛ばされてしまう。飛ばされた雪は低い所に集るので静岡側の雪はギザギザ状態に見える事になる。一方御殿場側は東を向いているため陽射しも多くなく風も穏やかだ。地形は火山灰で比較的平らなため降った雪は流される事も少ない。そのためかギザギザには見えない。更に森林限界点が低いので降った雪が木に隠される事なく、もろに見えるため多めに見える事もあるのだろう。
山梨県側は北側に位置するので日照時間が少なく解ける度合いが低いので、いつまでも雪が残っていて、あたかも雪がたくさん降ったように見えるのではないだろうか。

          
               大場川からの富士山

川から東側の山の上に建物が見える。あれは若しかして十国峠のケーブルカーの山頂駅か? 目を凝らして見るが分からない。東側はなだらかな山並みが続いている。あの山の何所かを通って熱海に行かなければならない。それにしてもまだまだ遠い先は長い。

          
             あそこが十国峠?