はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

大崩山塊十字縦走挑戦2

2010-03-05 17:29:24 | 低山歩き
 大崩山塊十字縦走とは、大崩山塊の南北+東西縦走のことで略図の上(北)にある旧東海道の宇津ノ谷峠から出発して、尾根を南下し満観峰に行く。更に南端の花沢山まで歩き、ここで一旦下山して花沢の観光駐車場に出る。ここまでが北南縦断になる。
次に西東縦断は石脇口から西端の高草山に登る。高草山からは東に向かい再度満観峰を経て丸子富士に登る。そして東端にある朝鮮岩に出て丸子へ下山する約10時間から11時間のコースで、これだけ歩けば大崩山塊のメインコースはほぼ歩いた事になると思う。

 大崩山塊の最高峰は標高が501mしかない高草山なので、それぞれのコースを見れば楽なハイキングコースでしかない。しかしこれを全て纏めて踏破するとなると中々のコースになるとのではと思っていた。
今まで聞いた話でも一番長いコースは花沢山~満観峰~丸子富士~朝鮮岩が最長だったが、それより大分長丁場になるし、何しろ一度下山して再度上り直さなければならい。
果たして完歩出来るかどうか--- 以下に報告します。

              大崩山塊十字縦走概略図
          

コース1

 道の駅 - 宇津ノ谷峠 - 蔦の細道 - 第2ピーク -
 6:10 20分      30分      30分       30分   
      1.1k     0.9k      0.6k      0.9k

 第3ピーク - 満観峰
       30分 8:30
       1.0k

          
             夜明け前の国1

 3月3日午前6時10分国道1号線宇津ノ谷トンネルの静岡側登り道の駅を出発する。
辺りはまだ薄暗く車もライトを点けて走っている。国道付近は霧がないが山の上を見ると霧がかかっているのが見える。先ほどのラジオの天気予報では「所により朝方まで霧が残る」と言っていたので、そのうち晴れるだろ。今日は久し振りに晴れとの予報なので天気の心配はないはずだ。

          
               宇津ノ谷集落

 宇津ノ谷集落もまだ夜明け前のようで、どの家も雨戸が閉まり動きは見えない。集落を過ぎ宇津ノ谷峠の山道に入ると明るさは消え夜が戻ったようになる。その暗い峠の最高部が今日の出発点でここから南下を始める。

          
              暗い宇津ノ谷峠

 杉の木にルートを示すテーが巻かれているのを確認し道とも言えない様な道に踏み入る。暗いなか道を見失わないように気を付けて登った積りだが踏み跡が見えなくなってしまった。でもここは道を見失っても心配にない。峠から20mほど上の農道に出るだけなので、ともかく上に向かえばその農道に出ることが出来る。
私も道は見失ったがそのまま直登して農道に出た。出た場所はルートより少し左側に出てしまったようなので農道を少し下がる。あったあった農道脇の木にテープが見える。本来ならここに出るはずなのだ。
目印のテープの反対側にある石段を登り茶畑の下部に出る。次はこの茶畑の右(西)側を茶畑に沿って進んで行く。アッ冷たい! 茶の葉に着いている水がズボンを濡らす。それも左側だけがビッショリ濡れていく。それが嫌で早めに雑木林の中に逃げ込んだ。雑木林の中には道はないが上に歩けばNTTの鉄塔に出る。
フー鉄塔の下に出た。鉄塔の下には国道の宇津ノ谷トンネル用の大きな排煙施設がある。先ほどの農道はこの排煙施設に来る道なので、何も無理して茶畑や雑木林の中を歩くこともない。農道を歩いても距離はさほど変わらないので次回は農道を歩こう。

 排煙施設の西側から裏手に回ると目印のテープと送電線の点検道の矢印がある。そこを林の中に入っていく。この入口辺りは道はハッキリしているし目印のテープも目に付くので不安はない。ただ今歩いている宇津ノ谷峠から蔦の細道の間は正規にハイキング道として認められていないのか看板はない。あるのはテープだけだがテープがあれば心配はない。
道が下り始めててまた踏み跡が薄くなってしまった。今度は気軽に進むわけには行かない。
下手に行ってトンネルの上にでも出たら一大事だ。来た所を5mも戻ると反対側にも踏み跡があった。どうやら左(東)に行き過ぎてしまったようだ。新しい踏み跡も左に比べてもハッキリしているわけではないが、ともかく続いている。更に下がると見覚えのある倒木があった。太い木が根から倒れ根元が踏み跡を邪魔をしている。ここ迄来れば蔦の細道に10mも行けば着く。

          
               蔦の細道

 フーやっと蔦の細道の最上部に出た。今までもこの道を歩いていたが迷ったのは今回が初めてだった。薄暗いのと、先を急ぐ気持ちが強くて注意が足りなかったようだ。これから先は気をつけなければ。そうだ次回来る時はビニールテープを用意してきて分かりにくい所に取り付けておこう。そうすれば迷う事もないだろう。

 --<若しこのコースを初めて歩くなら明るく余裕のある時を進めます。また十字縦走に挑戦する場合はこの区間を経験してから歩いてください>--

 蔦の細道には桃なのだろうかピックの花が咲いている。鶯の鳴声も聞こえてきた。もう山にも春が来たようだ。
霧は山頂付近に相変わらずかかっていが、これから先の道ははっきりしているので踏跡を探すような事はないので安心だ。
ただここから第2ピーク迄の登り降りが今日のコースの中で一番辛い所になる。時間を見ても600mを30分もかかっている。頑張らなければ。しっとり濡れてしまったジャンパーを脱いで出発しよう。

          
               霧の第3ピーク


 薄くかかっていた霧が高度が上がるにつれ濃くなってきた。雨なのか木の上からの雫なのか広葉樹の葉に落ちる音が頻繁に聞こえる。帽子を被っているせいか顔には余り落ちてはこないがシャツが湿ってきた。一体昨日の天気予報はなんだ。今日は「久し振りに天気は回復する」はずなのにこれでは霧雨状態だ。予報士は自分の予報にもう少し責任をもつべきだ。きっと今夜の天気予報では今日の予報が外れた事はおくびにも出さず「明日の天気は---」としたり顔で喋るだろう。それを「今日の天気は-----となって予想が外れました。ご免なさい」とやれば人気が出ると思うのだが。オット腹立ち紛れに変なほうに話が行ってしまう。元に戻そう。第1、第2、第3ピークも霧の中で視界はゼロ。休む気も起きなく霧の中の写真を撮って先に進む。
 第3ピ-クのから少し下がると鞍掛峠からの道と合流する。

          
               霧の蔦の分岐

 この道は午後もう一度歩くが、その時と今と比べればきっと違いが出るだろう。どの位の違いか楽しみだ。ただ十字縦走と命名しながら、ここの合流部から満観峰までは2回歩くのは私の拘りに過ぎない。本来なら満観峰から直接北の逆川へ下れば同じ所を歩かずに完全な十字になるのだが、今歩いてきた道は宇津ノ谷峠から尾根伝いに4個のピークを越えて満観峰に続いている。予定歩行時間は道の駅から150分かかる。それが逆川ルートだと道の駅から特にピ-クもなく満観峰に出てしまい予定時間も80分程度で登れてしまう。そうなると私の悪い癖でより大変なルートを選んでしまうのだ。

 霧の満観峰に8時30分到着。当然誰もいない。東屋の中のベンチも濡れていて座れないので立ったまま握飯を一つ食べる。
これで十字を4分割した一ヶ所は済んだ。あと3/4あるが体調はすこぶる快調。疲れもない。雨が気になるが晴れることを信じて、このまま縦走を継続しよう。