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カゼカオル・ウミワタル・ソラカケル Presented by 柊(syu)

地上絵のメッセージ

2006-06-17 09:51:47 | TOKYO生活
             
上野の国立科学博物館で開催されている「世界遺産ナスカ展」。今週いっぱいで終了だと気づいて、慌てて観にいってきた。平日の昼間にも関わらず、結構混雑していたのでビックリ

ナスカ。南米ペルーに紀元前400~900年前に栄えたとされる文化。マチュピチュと言い、このあたりは謎なモノが多い。このアンデス地方で花開いた文化で、やはり一番の見所はナスカの地上絵。ワタシもそれを観たくて行ってきたのだー。

『ナスカの地上絵』子供の頃「世界のミステリー」みたいな本で知り、想像力をえらくかき立てられたものだった。今のように空を飛ぶ機械がないはずの時代に、どうやって描いたのだろう?。そしてなんのため?。と謎は深まるばかり
このナスカ展では、ナスカ文化で発掘されたものやミイラ(あんまり怖くなかった、ホッ)の展示。そして目玉は地上絵。みなさん地上絵コーナーに殺到してました。

まずナスカの地上絵は、地面に白い何かで描かれたものではない。地上絵が描かれているパンパと呼ばれる広大な砂漠は、黒いジャリに覆われている。その表面の黒い石や砂を取り除いて、底の白い砂まで掘っていって絵が描かれているのだ
つまりは「凸」で描かれているのではなく、「凹」として線が描いてある。(紙にエンピツで描くのではなく、彫刻刀で彫る、と言えばわかりやすいかな?。)その「凹」のくぼみは、深さ数十センチ・幅1m程度。意外と小さいモノだ。
この原理にはちょっと意外だった。ずっと「凸」として地面に何かを置いて描いている、と思っていたからね…。


この地上絵が800k㎡の広大な砂漠の中に、1000以上も描かれているそうだ。大きいものでは200m以上もある。あるものは動物、あるものは植物、あるものは人、そして意味不明な線や螺旋…。
このナスカ展では、バーチャルシステムでまるでセスナから実際に見ているかのごとく、上空から見ることが出来た。確かに地上絵は存在する。しかも恐ろしく直線だったり、コンパスでひいたような円を描いている
バーチャルなので、実際に地上絵の上に立ってみることも可能。絵の中に降り立つと、目の前に見えるのは轍(ワダチ)のような道。ただそれだけ。到底ここに絵が描かれているとは思えない。やはり上空に上がらないと、絵であるとは認識できないのだ。

だれが・何の目的で・どうやってこの地上絵を作ったのか?
「だれが」はナスカの民族である、と言われている。しかしナスカは年間降水量が0mmであるほど、水に恵まれない過酷な地。なぜにそんなところに民族が住んでいたんだろうか?。とりあえず、宇宙人作成説はタブーなようだ(笑)。
「何の目的で」これにはいくつか説があるそうだ。過酷な地ゆえ、神に祈りを捧げる宗教儀式の一環だったのではないか?。はたまた、この線の上を歩いて巡礼をしていたのではないか?。もしかしたら地下水脈のマーキングとして使われていたのではないだろうか?…。
「どうやって」砂漠を掘るまではわかるが、どうやってあの広大で定規で引いたような線を左右対称に作ることが出来たんだろう?。『ナスカ民族は幾何学・数学の才能が高かったのではないか』とナスカ展では分析していたけど、果たしてそれだけで可能なんだろうか?。

もしかしたら…、と思う。2000年以上前の古代の人間には、ワタシたちよりもっと高度な感覚や直感やスピリチュアリティを持っていたかもしれない。むしろ時代と共に、人は退化している可能性だってある。どんどん便利になっているのに、その反面失っているものも多いのかもしれない。
そんなことを考えさせられた『ナスカ展』、いろいろ勉強になりました。

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