風薫海航空翔

カゼカオル・ウミワタル・ソラカケル Presented by 柊(syu)

旅人の肩書き

2006-11-16 20:27:53 | 旅たびたび
「3連休パスの旅」で鉄チャンの話をしたついでに、旅人業界(?)にある妙な旅人肩書きについてご紹介してみようかと。

まず「旅人」と「観光客」の違いって何だろう?、から始めましょ

これはあくまで主観なんだけど…。「観光客」というのは、ツアーや旅行会社のプランニングで旅する人たちなんだと思う。「るるぶ」とか「まっぷる」などのガイドブック片手に、本に載ってる「オススメの観光地」や「オススメのお店」に行く旅スタイル。当たり外れは少なく、最短ルートで観光地を巡れるし全体的にリーズナブルなのが利点?。
一方「旅人」は、一切合財を全て自分でプランニングするスタイルの旅をする人。ガイドブックには載っていない自分だけの場所を求めたり、地元の人がよく行くお店を中心に回ったり。情報源は地元の人だったり、同じ旅人だったり。なもんで当たり外れもたまにある?。宿泊施設はリーズナブルな場所が多い(あまりリゾートホテルには泊まらない)。
そういうワタシも「観光客」から始まって、今ではオカシナ旅人になってしまいましたが(笑)。どっちがいい・悪いではなく、旅のスタイルの違いなんだと思うんだなぁ

その旅人の足となるモノ別に分類した肩書きがコレ↓。

①「ライダー」:説明不要だけどバイクで旅する人。超高級車(BMWとかワルキューレとか)で旅する人もいれば、原付で旅する人もいる。オフロード車でけものみちを好んで走るライダーを「林道ライダー」と呼ぶ。
②「ちゃりだー」:チャリンコで旅する人。ママチャリで日本一周するツワモノもいれば、ワタシのようにマウンテンバイクで旅するモノも「ちゃりだー」と呼ばれる。他の旅人に比べれば、貧乏旅人が多いジャンル(ガソリン代がいらないから)。
でも競輪選手のようなロード車で1日100km以上走ってるような人は、結構お金持ちがいる。このような人は「ちゃりだー」と呼ばずに「サイクリスト」と呼ぶこともある。
③「ジェイアーラー」:乗り物の名前の後ろに全部「er」をつけて呼ぶのが旅人分類の特徴か!?。そう、これは電車で旅する人のこと。当然お得な切符情報には詳しい。鉄分多くなる可能性大(笑)。
④「とほだー」:乗り物を使わず、全ての行程を歩きで周る旅人。ごく稀に国道脇をデカイザック担いで歩いているのを見かけるが、修行僧のように見えるぞ。スゴイよなぁ。でもよく考えると、お遍路さんっていうのは「とほだー」だ


つづいて、旅の目的別(特殊なもの編)に分類したのがコレ↓。

①「鉄チャン」:鉄道ヲタクの旅人。これが「撮り鉄(車両やその他鉄道に関連したものの写真撮影ヲタク)」や「乗り鉄(列車に乗ることが目的の旅人)」「収集鉄(切符とか駅弁とか、電車に関するアイテムを収集するヲタク)」などに分類される。その情報網はスゴイらしい…。絶好の撮影スポットなどは、いい季節には「撮り鉄」さんたちの聖地となるそうだ
②「マイラー」:飛行機のマイルを貯めるためだけに旅する人。実際はフライオンポイントだとか、航空会社のカードのアップグレードだとか、マイル貯めて無料航空券交換だけにはとどまらないようだが(ワタシはよくわからんのだ)。そのためだけに用もないのに羽田-那覇間を1日で2往復したりする(マイル3倍キャンペーン中だから、という理由で)。そのような行動を「マイル修行」と呼び、そんな理解しにくい行動をする人たちを「マイル修行僧」と呼ぶそうだ。ちなみに飛行機に乗らずに、クレジットカードをガンガン使ってそのポイントをマイルに変えることを、「陸(おか)マイル」というそうだ。「陸(おか)サーファー」に引っ掛けてるようで(笑)。
③郵便局巡り:←この正確な呼び名を知りません、ゴメンナサイ。風景印や郵便貯金印を収集する目的で旅する人たちがいる。風景印と同じように、郵便貯金をATMではなく窓口ですると、通帳にそこの郵便局独自の印を押してもらえるそうだ。郵便局って全国どこにでもあるし、それを制覇したいという欲求にかられるのだろうか?


旅が高じて、人生の羅針盤の指す方角さえも変更してしまった旅人についての肩書き↓。

①「信者」:ある特定の地方にばっかり旅する旅人のこと。とにかく休みとれれば、その地方に向かってしまう。なので職場の人に「彼女(または彼氏)でもいるの?」と誤解を受ける始末。使い方としては『北海道信者』などなど。地元でその地方の物産展があると、そこに癒しを求める。その地方のアンテナショップが行きつけな人も。収入の出口のほとんどがその地方に関わるものとなる、ジャンキーな方もしらっしゃる。
似た用語に「病」というのもあるが、コチラは『沖縄病』というコトバで有名。「ただの旅人」だったのに、もう戻れない世界に足を踏み入れてしまった人を指す
②「出家」:「信者」が高じて、その地方に移住してしまう壊れた旅人。
③「教祖」:移住した上に、「旅人宿」なんて経営してしまった旅人。人気宿になると、宿主は「カリスマ」となる。ホンマカイナ??。
④「ワタリ」:北海道や沖縄に多く生息する旅人。その土地の季節モノの仕事しながら旅をする人。夏は北海道のコーン工場や昆布干し・ウニやホタテの養殖、秋になるとシャケの工場(シャケのバイト=「シャケバイ」と言う)。冬になると沖縄に移動してさとうきびの収穫。農家はいつだって最盛期に人手が欲しい。短期間のバイトなんて山のようにある。住み込みの求人もあるが、ライダーハウスやゲストハウスといった『1泊1000円』みたいなところに長期滞在しながら、仕事に出てる人が多い。
「もうカレコレ○年も地元に戻ってないよー」なんて旅人に出会ったこともある。定住せずに、仕事のある場所ある場所をふらりふらりと移動する旅人。ちょっとうらやましいと思う…。


ワタシは旅をしているときに、世の中にはこんな面白い人がいるんだ、と知った。ナニが正解でナニが間違いかなんて、到底言い切れない旅人の世界。人生は旅である、というけれどホントにそうなんだなあ~